中日監督就任1年目の2004年、なんと、3年間一軍登板のなかった川崎憲次郎投手を開幕投手に起用し、周囲を唖然とさせた、落合博満(おちあい ひろみつ)さんですが、なぜ、川崎投手を開幕投手に起用したのでしょうか。今回は、その理由について、落合さんの証言を交えつつ、ご紹介します。
「落合博満は川崎憲次郎を開幕投手にするも戦力外通告していた!」からの続き
川崎憲次郎を開幕投手に起用したのは全選手横一線と選手に刺激を与える為だった
落合さんは、中日監督就任1年目にして、宣言通り、ほぼ現有戦力で中日を5年ぶりのリーグ優勝に導いているのですが(日本シリーズは3勝4敗で敗退)、開幕戦に3年間一軍登録のなかった川崎憲次郎投手を先発させた理由について、優勝を報じた新聞の取材に対し、
このチームは生まれ変わらなきゃいけなかった。ああいう選手の背中を見せる必要があったんだ。川崎は三年間、もがき苦しんできたんだろ。そういう投手が投げる姿を見て、選手たちは思うところがあったんじゃないか。あの一勝がなければ、その後もないんだ
と、語っており、
選手に刺激を与えるため、「全選手横一線」の起用だったと明かしています。
(ちなみに、この年(2004年)、落合さんは、開幕戦に川崎投手、2戦目に野口茂樹投手、3戦目に川上憲伸投手を起用し、開幕3連勝しています)
川崎憲次郎を開幕投手に起用したのは情報漏洩を確かめる為だった
また、落合さんは、中日の監督を退任後には、
- FAで中日に移籍後、一度も登板していない川崎投手に最後のチャンスを与えるため(事実上の引退試合)
- 先発投手についての情報の漏洩がないかを確かめるため(外部に漏らしそうなコーチには伝えていなかったそうです)
とも語っているのですが、
実際、落合さんは、選手だけでなく、コーチや通常は入れ替えない球団スタッフも数人解雇しており、
某球団関係者は、この不可解な人事について、
落合さんはこの一年、どこから情報が漏れているのか、それを内偵していたらしいんだ。切られたコーチやスタッフは、先発投手のことにしろ、ケガ人のことにしろ、内部情報を外部にリークしていると判断された人たちらしい・・・
と、語っています。
情報漏洩をしていたのは鈴木孝政コーチだった?
さらに、落合さんは、youtube「落合博満のオレ流チャンネル」で、
チームのあり方として情報管理が大事。それを漏らしてもらいたくない。(中には情報を漏らす人もいたそうで)ある程度予想はしていたものの、ここまで早いとは思わなかった。
と、語っています。
ちなみに、契約解除した人の中には、一軍で投手を束ねる立場だった鈴木孝政コーチの名前もあるのですが、
鈴木孝政氏は、後に、
落合さんはマスコミにあまりしゃべらないでしょ。そしたら記者はみんな俺のところに来るでしょ。あっちがしゃべらないから、聞きにくるでしょ。何にもネタがなかったら、記者も仕事にならない。
それなりにしゃべってやればいいじゃない。それも仕事だからね、プロの。そういうのもひとつ原因だったと思うよ。俺はただ監督の手伝いをしようと思っただけだったけど、ちょっと違っていたね・・・
と、語っています。
「落合博満は監督3年目の2006年も中日をリーグ優勝に導いていた!」に続く