2014年オフ、FAとなったイチローさんは、2015年1月、ニューヨーク・ヤンキースからマイアミ・マーリンズに移籍しているのですが、外野はメジャーリーグ屈指の強打者3人が占めており、イチローさんは第4の外野手扱いで代打要員でした。
そんな中、イチローさんは、日米通算ながら、ピート・ローズさんの通算最多安打記録4256安打を更新するほか、MLB通算3000本安打、日米通算5863塁打、MLB通算4000刺殺と、次々に大記録を達成するのですが、2017年オフには退団となっています。
今回は、そんなイチローさんのマーリンズ時代をご紹介します。
「イチローがヤンキースに移籍した理由とは?日米通算4000安打も達成!」からの続き
イチローは2015年マイアミ・マーリンズに移籍するも第4の外野手で代打要員だった
イチローさんは、2015年1月27日、41歳の時、マイアミ・マーリンズと年俸200万ドル+出来高の1年契約を結んでいるのですが、DH制のないナ・リーグでプレーするのは初めてだったほか、
マーリンズはクリスチャン・イエリッチ選手、ジャンカルロ・スタントン選手、マルセル・オズナ選手ら、メジャー屈指の強力な外野陣を形成しており、イチローさんは、第4の外野手、代打要員としての役割を求められました。
そんな中、迎えた4月7日のブレーブスとの開幕戦、1点を追う8回無死の場面、投手の代打として登場するのですが、2ボールから、ジョンソン投手が投じた内角151キロに対し、一塁ゴロに倒れてしまい、
イチローさんは、試合後のインタビューで、
前に向こうとするのは、前向きな人間なら当たり前。後ろを向きたい人は別だけど。そういう人たちは、ここではやっていけないですから
と、語っており、
「控え」としての役割を受け入れるのは容易ではなかったようです。
イチローはマイアミ・マーリンズのファンにスタンディングオベーションで迎えられていた
ただ、地元ファンは、打席に向かうイチローさんに対し、スタンディングオベーションで迎えるなど、温かい歓迎ムードで、
イチローさんも、
あんな風に迎えてくれれば…。僕だって心は動くでしょう
と、感激したそうです。
イチローはマイアミ・マーリンズで自身ワースト34打席無安打のスランプに陥っていた
さておき、その後、イチローさんは、様々な打順、代打で出場し、様々な状況で、攻守に渡って好調を維持していたのですが、夏の時期に差し掛かると、自身ワースト34打席無安打というスランプに陥ってしまいます。
NPB(日本プロ野球)とMLB(メジャーリーグ)で通算28シーズンもの間プレーし、NPBでは7年連続首位打者、MLBでも、シーズン最多安打記録(262安打)を更新するほか、メジャーデビューから10年連続3割以上200安打 …
そんな中、7月8日には35打席ぶりに安打を記録すると、7月20日の試合では2014年6月14日以来の3安打を記録するのですが(MLB通算250度目の3安打)、
その後はパッとせず、2015年シーズンは、前年より多い153試合に出場も、キャリア最低の91安打、打率2割2分9厘に終わってしまったのでした。
イチローはマイアミ・マーリンズ時代に日米通算4256安打を記録し、ピート・ローズの記録に並んでいた
それでも、イチローさんは、この年(2015年)の10月6日には、マーリンズと翌年の1年契約を結び、2016年6月15日(日本時間の16日)、敵地パドレス戦で、1番・ライトとして2試合ぶりに先発出場すると、
初回、1ボールから先発右腕ペルドモ投手の投じたツーシームをバットに当てたところ、一塁方向への弱いゴロとなり、ノリス捕手が掴んで一塁に送るも、送球が逸れ、イチローさんが一足早く一塁を駆け抜けてセーフ。
これで、イチローさんは、ピート・ローズさんの記録である、MLB通算最多安打記録4256安打に並び、球場のスクリーンでイチローさんがローズさんの記録に並んだことが紹介されると、大きな歓声が上がったのでした。
(イチローさんの場合は日米通算安打記録4256安打)
イチローはマイアミ・マーリンズ時代に日米通算4257安打を記録し、ピート・ローズの記録を更新していた
ただ、その後は、
- 1-1で迎えた3回、1死走者なしの場面、2ボール1ストライクからペルドモ投手の投じた96マイル(約155キロ)の速球を打つも投ゴロ
- 3-1で迎えた5回、先頭打者として登場するも、ペルドモ投手の96マイル(約155キロ)のツーシームに空振り三振
- 3対6と逆転されて迎えた7回、1死走者なしの場面、2番手・右腕のマウアー投手の前に投ゴロ
と、なかなか安打を放つことができません。
しかし、続く、第5打席目、9回2死一塁の場面、イチローさんは、守護神ロドニー投手の投じたチェンジアップを捉えてライト線に運ぶと、二塁打(今季13度目のマルチヒット)となり、日米通算4257安打を達成し、ピート・ローズさんの歴代最多安打記録(4256安打)を更新したのでした。
(メジャー通算2979安打、日本時代の1278本と合わせて、日米通算4257安打)
ちなみに、球場のスクリーンで、イチローさんがピート・ローズさんを抜いたことが改めて紹介されると、敵地にもかかわらず再び大きな拍手に包まれ、イチローさんは二塁上でヘルメットを取って歓声に応えています。
(6月24日には、6月15日に記録した日米通算4257本目の安打がプロ野球における通算最多安打数の世界記録としてギネス記録に認定されています)
日米通算4257安打を達成し祝福に答えるイチローさん。
イチローはマイアミ・マーリンズでアジア人初のMLB通算3000安打を達成するも2017年にはマーリンズを退団
そんなイチローさんは、8月7日には、敵地でのコロラド・ロッキーズ戦で、6番・中堅として先発出場すると、7回の第4打席に、クリス・ルーシン投手からライトフェンス直撃の三塁打を放ち、史上30人目、アジア人としては初のMLB通算3000安打を達成。
そして、マイアミ・マーリンズ3年目の2017年9月7日のナショナルズ戦では、5回、代打で出場し、中前安打を放って日米通算5863塁打を達成(王貞治さんが持つ日本記録を更新)。
また、この年には、右翼手として史上8人目となる通算4000刺殺を達成するのですが、マーリンズは、この年(2017年)11月3日、イチローさんと来季(2018年)の契約を更新しないことを発表したのでした。
「イチローの引退試合は東京ドームのマリナーズ開幕2連戦で行われていた!」に続く
MLB通算3000本安打を達成し祝福に答えるイチローさん。