川端康成の妻との馴れ初めは？子供は？従兄弟の娘･政子を養女にしていた！

22歳の時、初恋の女性・伊藤初代さんと婚約するも、一方的に婚約を破棄されるという辛い経験をし、そのショックが後々まで尾を引いたと言われている、川端康成（かわばた やすなり）さんですが、32歳の時には、松林秀子さんと結婚しています。

今回は、川端康成さんの妻・松林秀子さんとの、馴れ初め、子供、養女についてご紹介します。

「川端康成は初恋相手と婚約するも破局し｢ちよ物｣を執筆するようになっていた！」からの続き

川端康成の妻・秀子との馴れ初めは？

川端康成さんは、1931年12月2日、松林秀子さんと結婚しています。

川端康成さんは、1924年10月、25歳の時に、同人誌「文藝時代」を創刊しているのですが、

1925年5月、その同人（同志）である菅忠雄さんの家に行った際、そこで、住み込みのお手伝いとして働いていた松林秀子さんと出会うと、

この年の夏、川端康成さんが、秀子さんを海に誘ったのがきっかけで、交際に発展したそうで、

秀子さんは、川端康成さんの第一印象について、

ちょっと陰気で寂しそうな感じの人だなと思いましたが、眼だけはとても生き生きした温かそうな感じがするという印象でした

と、語っています。

「文藝時代」の、（左から）池谷信三郎さん、中河与一さん、石浜金作さん、川端康成さん、菅忠雄さん。

川端康成は妻・秀子とは同棲生活を経て結婚していた

そして、翌年の1926年には、菅忠雄さんが、喘息（ぜんそく）の静養のため、鎌倉郡鎌倉町（現・鎌倉市）由比ヶ浜へ帰郷することとなり、川端康成さんに留守宅への居住を誘ったことから、川端康成さんは、菅忠雄さんの自宅に移り住むこととなったそうで、

川端康成さんと住み込みだった秀子さんは、事実上、同棲生活となり、1931年に正式に入籍したのだそうです。

ちなみに、秀子さんは、川端康成さんと一緒に住むことになった時のことを、

その時の荷物というのが、お祖母さんの家紋入りの蒲団や風呂敷、手文庫、一閑張りの机のほかに、祖父母が大切にしていたという仏像六、七体とご先祖の舎利まであったのでびっくりいたしました。

なんとご先祖や祖父母を大事になさる方かと感心したことを覚えております。

と、語っています。

（秀子さんは、青森県八戸の出身で、青森県立八戸高等女学校（現・八戸東高等学校）卒業後、兄を頼って上京していたそうで、夜学に通わせてもらえるという条件で、お手伝いとして奉公先で働いていたそうですが、なかなか約束通りに夜学に通わせてもらえなかったため、「文藝春秋」の社員募集に応募すると、そこの面接社員の口利きにより、菅忠雄さんの家で働くようになったのだそうです）

川端康成の妻・秀子は結婚後は徹底的に夫に尽くしていた

そんな川端康成さんと秀子さんの結婚後の関係について、詳しいことは不明ですが、

秀子さんは、文豪である夫に徹底的に尽くしたと言われており、川端康成さんと秀子さんの結婚生活は、穏やかなものだったことが伺えます。

（秀子さんは、2002年9月7日、95歳で他界されています）

川端康成の子供（実子）は？

ちなみに、川端康成さんと秀子さんの間に子供（実子）はいません。

というのも、秀子さんは、何度か流産していたそうで、子供（実子）を持つことができなかったようです。

川端康成は従兄弟の三女・政子を養女に迎えていた

ただ、川端康成さんと秀子さんは、1943年5月3日、川端康成さんの母方の実家・黒田家から、当時、小学5年生だった政子さんを養女に迎えています。

実は、政子さんは、川端康成さんの従兄弟・黒田秀孝さんとその妻・富江さんの間に誕生した三女なのですが、政子さんが3歳の時、富江さんが政子さんを連れて別居し、その後、離婚していたそうで、

富江さんは心臓の病気で病弱だったため、生活が困窮し、1938年頃、一族の中で、子供がおらず、経済的にも政子さんを育ててくれるのに申し分のない川端康成さん夫婦に政子さんを養女として引き取ってもらうことを希望したのだそうです。

川端康成の養女・政子は山本香男里と結婚していた

そんな政子さんは、川端康成さんの担当医師・栗原雅直さんの紹介で、1967年7月25日、ロシア文学者の山本香男里さんと知り合うと、

その後、山本香男里さんと結婚し、1969年1月29日には、長女のあかりさん、1971年10月9日には、長男の明成さんが誕生しています。

（ちなみに、山本香男里さんは、婿養子となって川端姓を継ぎ、東京大学文学部名誉教授や川端康成記念会の理事長を務めていたのですが、2021年に他界されています）

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