1962年、楽屋でスカウトされて、「桜井輝夫とザ・ドリフターズ」に加入された、加藤茶(かとうちゃ)さんですが、この後、思ってもいなかった意外な形で、大ブレイクすることになります。

「加藤茶の生い立ちは?若い頃はドラマーだった!」からの続き

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「碇矢長一とザ・ドリフターズ」で人気に

加藤さんは、1962年、19歳の時、楽屋でスカウトされて、「桜井輝夫とザ・ドリフターズ」に加入されたのですが、同時期に、「ジミー時田とマウンテン・プレイボーイズ」で活動されていた、いかりや長介(当時は碇矢長一(いかりや ちょういち))さんが加入されます。

そして、その後、リーダーだった桜井さんがオーナー的な立場となり、ステージに立つ機会が減っていくと、いかりやさんがリーダーとなり、グループ名も「碇矢長一とザ・ドリフターズ」に改名。

(桜井さんは、もともと、音楽ができるコミックバンドを作りたかったたため、「ジミー時田とマウンテン・プレイボーイズ」での、いかりやさんの笑いのセンスに目をつけて、いかりやさんを自身のバンドに誘ったという経緯がありました)

すると、ジャズ喫茶などで演奏とギャグを披露した「碇矢長一とザ・ドリフターズ」は(特に、加藤さんといかりやさんのコンビ)は、他のコミックバンドとは比べ物にならないほどの爆発的な人気を博します。

メンバーが次々に脱退

しかし、それから2年後の1964年、新リーダーのいかりやさんに反発した、小野ヤスシさん、ジャイアント吉田さん、飯塚文雄さん、猪熊虎五郎さんの4名が脱退。

(いかりやさんの厳しさとコントの方向性の違いが理由だったそうで、4人は、新たなバンド「ドンキーカルテット」を結成しています)

そこで、同様の不満を持っていた加藤さんも、脱退組についていこうと思ったそうですが・・・

お前が残れば何とかやれる。頼むわ。

と、いかりやさんに強く説得されたことや、小野さんたちが正式にドリフを脱退していないにもかかわらず、「ドンキーカルテット」を立ち上げたことに違和感を感じていたこともあり、ドリフに残ることに決めたのでした。

純粋な音楽バンドからコミックバンドへ

その後、加藤さんは、いかりやさんとともに新たなメンバー探しに奔走。最終的には、仲本工事さん、荒井注さん、高木ブーさんを誘い、1964年、「碇矢長一とザ・ドリフターズ」から「ザ・ドリフターズ」に改称すると、1965年から活動をスタートさせます。

そして、翌年の1966年には、「ビートルズ」初来日公演の前座に参加し、「ロング・トール・サリー」(のっぽのサリー)を演奏されているのですが、次第に、いかりやさんの方針で、純粋な音楽バンドではなく、コミックバンドとして活動することが多くなっていき、テレビ寄席などでお笑いの芸を磨いていったのでした。


「ザ・ドリフターズ」。(左から)高木ブーさん、荒井注さん、いかりや長介さん、加藤さん、仲本工事さん。

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「ちょっとだけよ」「あんたも好きねえ」などが大ブレイク

そして、1969年秋には、「ザ・ドリフターズ」が主演の「8時だョ!全員集合」の放送(毎週土曜日)がスタートするのですが・・・

土曜日の夜は、テレビ各局の視聴率競争が激しく、裏番組のコント55号の世界は笑う」には到底叶わず、

やはりドリフじゃ無理か

との声が、次第にスタッフから上がるようになって、3ヶ月で打ち切りと決まりかけます。

しかし、そんな時、作家の書いた話が面白くないのでは、と感じた加藤さんといかりやさんが、どうせ終わるなら自分たちの好きなようにやらせてほしいと頼まれると、加藤さんの、「ハゲヅラ」「丸メガネ」「ちょびヒゲ」のスタイルがウケ、次第に人気が上昇。


「ザ・ドリフターズ」。(左から)荒井注さん、仲本工事さん、いかりや長介さん、加藤さん、高木ブーさん。

そして、1972~1973年には、「8時だョ!全員集合」の中で、ペレス・プラード楽団が演奏していた「タブー」という曲を、ペレス・プラード楽団そっくりの演奏をバックに、加藤さんがセクシーなポーズをとり、「ちょっとだけよ」「あんたも好きねえ」などと観客に語りかけるコントが大ブレイク。

また、加藤さんは、そのほかにも、「1、2、3、4、やったぜ加トちゃん! ぐるりと回ってウンコチンチン!」など、様々な一発芸をヒットをさせ、小学生の間でカリスマ的な存在となり、絶大な人気を博していくと、

番組の視聴率も跳ね上がっていき、「3ヶ月で打ち切り」なんて話はまるで嘘だったかのように、開始1年3か月でなんと50%を超えたのでした。

ちなみに、後に、加藤さんは、

抗議してくる人は多くない。ドリフを見て不良になる子はいないし、何千万人が笑っていると信じてた。でも、「ちょっとだけよ」がなぜ子どもに受けたのか、理解出来ないね。

と、おっしゃっていました♪

「加藤茶は荒井注のせいでドリフ脱退できず志村けん加入を後押ししていた!」に続く

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