1968年、「ミスター・ユニバース(プロ)」でもチャンピオンに輝いた、アーノルド・シュワルツェネッガー(Arnold Schwarzenegger)さんは、今度は、「IFBBミスター・ユニバース」に挑むため、渡米し、「ゴールド・ジム」(現在のワールドジム)でトレーニングに励みます。

「シュワルツェネッガーは昔ウィダー社の創業者に誘われ渡米を果たしていた!」からの続き

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「IFBBミスター・ユニバース」初出場はフランク・ゼーンに敗れる

いよいよ迎えた「IFBBミスター・ユニバース」開催の日、会場には、「ミスター・ユニバース(プロ)」であるシュワルツェネッガーさんをひと目見ようと、大勢の観客が詰めかけたそうで、

シュワルツェネッガーさんがポージングをするなり、

アーノルド! アーノルド!

と、人々は熱狂。

ただ、そこには、シュワルツェネッガーさんがこれまでに見たことのないタイプのボディビルダー、フランク・ゼーンさんがいたそうで、

シュワルツェネッガーさんはフランクさんに破れ、(チェスター・ヨートンさんに続き)2度目の敗北を喫します。


フランク・ゼーンさんとシュワルツェネッガーさん

(シュワルツェネッガーさんいわく、フランクさんは信じられないほどの鮮明なカットを持ち、エレガントで、まるでバレリーナのようなポージングをされたそうです)

「IFBB ミスター・ユニバース」で圧倒的な優勝

そこで、シュワルツェネッガーさんは、その悔しさをバネに、ジョー・ウィダーさんのもと、一段と激しいトレーニングに打ち込むと、たくましさはさらに増し、ついには、シャープさにおいても、既にフランクさんも敵ではなくなったそうで、

翌年の1969年に再挑戦した「IFBB ミスター・ユニバース」では、シュワルツェネッガーさんは、楽勝でチャンピオンに輝いたのでした。

(シュワルツェネッガーさんのコンディションは最高で、7人のジャッジがすべてシュワルツェネッガーさんを第1位にしたそうです)

「ミスター・オリンピア」初出場はセルジオ・オリバに破れる

そんなシュワルツェネッガーさんにも、あと1人、「ミスター・オリンピア」(ボディビルディングの世界最高峰大会)で2連勝し、チャンピオンの中のチャンピオンとして君臨していた、「黒い魔神」の異名を持つ、セルジオ・オリバさんが立ちはだかっていたそうで、

シュワルツェネッガーさんは、あわよくば、このオリバさんを倒せるのではと、1969年、「ミスター・オリンピア」にチャレンジするも、敗北。

ちなみに、シュワルツェネッガーさんは、後に、コンテストの控室で、初めて、「黒い魔神」と呼ばれるオリバさんを見た時のことを、

壁の中へでも消えて、そのまま逃げ出してしまいたいほどだった

彼は私を木端微塵(こっぱみじん)に粉砕した。彼を破ろうなんて気は、どこかへ消し飛んでしまったほどだ。ステージに出る前、すでに控室において、私は彼に破れ去っていた

と、語っておられます。


セルジオ・オリバさん(右)に破れ、悔しそうなシュワルツェネッガーさん。(左)

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打倒「黒い魔神」セルジオ・オリバに闘志を燃やす

ただ、内容は4対3という僅かな差だったそうですが、それでも、シュワルツェネッガーさんの感覚では、

7対0で、すべてのジャッジがオリバの勝ちとするだろうと私は思っていた。

と、完敗だったたことから、より闘志を燃やしたそうで、

私は負けたくない。たとえ誰であろうと絶対に打ち破る自信がある。だが、オリバは別である。彼は私よりすごい。私にないものを持っている。

それが、私にとって、さらに次の年への強烈なエネルギーを持続させるもとになった

と、強烈なライバルの出現が、さらなる高みを目指す原動力となり、次のコンテストに向けて、いつもオリバさんのイメージを思い浮かべながら、トレーニングに励んだそうで、

ジョー・ウィダーさんに、

もっとアメリカにいたい。ここでトレーニングして、オリバを叩かなくてはならない

と、訴えたのだそうです。

「シュワルツェネッガーはボディビル世界最高峰大会で6年連続優勝していた!」に続く

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