イギリス人捕虜側の主演にデヴィッド・ボウイさん、プロデューサーにジェレミー・トーマスさんが決定したことで、ようやく、「戦場のメリークリスマス」の製作が進み始めた、大島渚(おおしま なぎさ)さんですが、まだ、資金調達という大きな問題が残っていました。

「大島渚はジェレミー・トーマスに「戦メリ」のプロデュースを託していた!」からの続き

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「テレビ朝日」と「松竹」の出資が決まるも・・・

主人公のイギリス人捕虜役にデヴィッド・ボウイさんが決まると、続いて、「カンヌ国際映画祭」で大島さんにサインをもらうなど、もともと、大島さんのファンだったという、イギリスのプロデューサーのジェレミー・トーマスさんがプロデュースすることに決まり、ようやく前進した「戦場のメリークリスマス」ですが、

実は、この時、製作費は500万ドル(当時の円相場で約12億円)で、ジェレミーさんの参加で日英合作(製作費は折半)となるも、依然として国内では約5億5千万円もの資金が必要だったそうで、

大島さんに頼まれた「ヘラルド・エース」の原正人さんが、出資者を探して製作費の調達に奔走し、なんとか、「テレビ朝日」と「松竹」が出資してくれることに決まるのですが・・・

(大島さんは、「テレビ朝日」にレギュラー出演していたという縁があったほか、当時の「テレビ朝日」の編成部長の小田久栄門さんが友人だったことから)

小田久栄門がテレビ朝日の上層部を説得していた

小田久栄門さんは、その時のことについて、

脚本ができてきてもさっぱりイメージが湧かない。「テレビ朝日」でも、重役のところでストップがかかった。しかし、最終的に大島との友情がこの企画を実現させた。

大島がこれで終わるはずがない、大島に賭けてみようと、社内を説得してまわり、納得させたんだ

「テレビ朝日」が二億五千万円、大島プロが一億五千万円。しかしこれではあがらず、結果的には、「テレビ朝日」として四億出すことになる。

このとき、「松竹」としては一億五千万円は出すが、お金が入ってきたとき、この金額はトップオフとしていただきたい、というセコい条件だったね。それほど当時の映画会社は困窮をきわめていた

と、証言しており、

小田さんの尽力で、なんとか、資金を集めることが出来たのでした。

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全財産をはたいて個人的に借金をしていた

こうして、「テレビ朝日」と「松竹」の出資が決まったのですが・・・

実は、それでもまだ足りなかったそうで、大島さんは、自身の脚本執筆料、演出料を現物出資するほか、全財産をはたいて(自宅を担保に入れて)、個人的に銀行から借金し、なんとか、国内で負担する資金は調達できたのだそうです。

(ちなみに、大島さんは、この頃、頻繁にテレビに出演しており、これは、映画製作費捻出のためだと思われていたのですが、ATG(独立プロ)時代のような超低予算映画ならともかく、「戦場のメリークリスマス」のような大作ともなると、テレビ出演のギャラ程度では足しにはならなかったそうで、テレビ出演は、単に好きだったからだそうです(笑))

「大島渚は「戦場のメリークリスマス」で英国での資金調達を断念していた!」に続く

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