大人の言う通りにしていただけとはいえ、入学したばかりの帝京商業学校を休学し、高等小学校の在籍を伸ばして小学校の軟式野球大会に出場し、大会が終わると、帝京商業学校に復学していた、杉下茂(すぎした しげる)さんは、クレームをつけられ、帝京商業学校が甲子園出場を辞退せざるを得なくなると、周囲から冷たい視線を向けられ、学校へ行くのも野球をするのも嫌になって、不登校になっていたといいます。

「杉下茂は中1のとき高等小学校大会に出場したことが大問題になっていた!」からの続き

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帝京商業学校が甲子園を辞退

(当時、尋常小学校を卒業した後、2年制の高等小学校に進むか、5年制の中学校に行くか選択できた中)杉下さんは、一ツ橋高等小学校に進学するも、卒業を待たずに、1年後、帝京商業学校(5年制の中学校)へ転校すると、2ヶ月後、同年3月まで在籍していた一ツ橋高等小学校から東京府の高等小学校大会への出場依頼があったことから、帝京商業から休学届けを提出するように言われ、一ツ橋高等小学校の在籍を大会終了まで延ばして、高等小学校大会に出場し、大会終了後は帝京商業学校に復学していたのですが、

帝京商業学校が、東京大会で日大三中を下し、甲子園出場を決めると、日大三中から、

一ヶ月前まで高等小学校のエースだった選手(杉下さん)が帝京商のベンチにいるのはおかしいではないか

選手の中に未登録の高等小学生(杉下さん)が入っている

と、言われ、

そのうえ、不正入学の疑惑までかけられたことから、帝京商業は、杉下さんが入学試験を受けた際の答案用紙まで持ち出し「入学試験を受けて、合格している。手続きは踏んでいる」と反論したそうですが、

最終的には、抗し切れないと判断したのか、「選手故障のため」という名目(実質は選手資格違反)で、「第25回全国中等学校優勝野球大会」への出場辞退を申し出たそうです。

大人たちの言う通りにしていただけだった

ちなみに、杉下さんは、いろいろなメディアで、

資格のない選手が出ているということなんですよ。それが実は私のことだったんですけどね

私はちゃんと入学試験を受けて、4月に入学していたんですよ。なのにねえ

(高等小学校の大会に出たのは)まだ子供だから言われた通りですよ。終わったあと、一ツ橋に退学届を出して、帝京商には復学届を出したんだと思いますよ

高等小学校から帝京商に入学後、休学届を出して一学期だけ高小に行かされた。あとで聞いた話では両校の話し合いでそうなったのだという。大会前にはちゃんと帝京商に復学していた

と、語っています。

優勝決定後に撮影した集合写真が無資格選手の存在を証明する材料となっていた

また、杉下さんは、出場辞退が決まった後、(東京大会の)優勝決定後、出場選手に加わり、撮影した集合写真が(たとえ試合に出場していなくても)無資格選手がいることを証明する材料になったという話を聞いたそうで、

お前も入れと言われて、私も一緒に写真を撮ったんですよ。それを持ち出して無資格の選手が写っていると言われてもねえ

とも、語っているのですが、

当時はまだ、高野連(日本高等学校野球連盟)のような組織もなかったそうで、ずさんな手続き(休学、復学など)がまかり通ったことが招いた騒動だったようです。

(後味の悪さからか、日大三中も繰り上げ出場を辞退し(日大三中にも選手資格違反があったという話も)、結局ベスト4の早稲田実業が東京代表として甲子園に出ることになったそうです)

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仲間たちから疎まれ冷たい視線を向けられ不登校になっていた

さておき、選手たちにとっては、つかんだはずの甲子園が目の前で消えたショックは大きく、最上級生は練習に姿を見せなくなり、活気にあふれていたグラウンドは急に死んだように静かになったそうで、

(帝京商業が出場辞退した1週間後、連盟の役員が帝京商業を訪れ、優勝旗を持ち去っていったそうですが、その際には、キャプテンが玄関先で、「持って行かないでくれ」と優勝旗にすがって号泣したそうです)

杉下さんも辛い立場に置かれ、処分はなかったものの、仲間たちから疎まれ、周囲から冷たい視線を向けられ、学校へ行くのも野球をするのも嫌になって、不登校になり、朝、普通に家を出るものの、学校へは行かず、かといって繁華街で映画を観ていると補導されかねないため、山手線に乗ってぐるぐる回って時間を過ごし、その後、何食わぬ顔で自宅に帰るようになったそうですが、

やがてはお母さんが学校に呼び出され、先生とお母さんの話し合いの末、

先生の目の届くところに置いてもらう。最後まで練習する

という結論に至ったそうで、

杉下さんは、これを了承し、野球部に復帰したのだそうです。

「杉下茂の中3の夏は甲子園大会が中止になっていた!」に続く

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