高校時代は、高１の夏の一度しか甲子園に出場できなかった、岡田彰布（おかだ あきのぶ）さんですが、高校卒業後は、プロ入りせずに、早稲田大学に進学して野球部に入部すると、１年生の秋から７番・レフトとしてレギュラーに定着し、３年生の時には、５番・サードで、東京六大学リーグで戦後４人目となる３冠王の活躍で早稲田大学を優勝に導くと、４年生の時には、キャプテンも務め、早稲田大学の連覇に大きく貢献しています。
「岡田彰布の甲子園出場は高1の時の1回(高2の時は高校が不祥事で出場辞退)！」からの続き
早稲田大学野球部のセレクションでは驚異的な打力を見せつけていた
北陽高校時代は、１年生にして左翼レギュラーに定着し、大阪大会決勝のPL学園戦では、先制のツーランホームランを放つなど、激戦区の大阪大会優勝（夏の甲子園出場）に大きく貢献するも、結局、甲子園出場は、この時の１度きりだった岡田さんは、
（JR）甲子園口から路線バスで甲子園へ行ってたなあ。１年の夏は楽しかった。俺らの学年はいい選手が多かったし、３年間で５回、甲子園に出られると思ったけどな
と、語っているのですが、
（高校時代には、抜群のミート力で周囲を驚かせていたそうです）
高校卒業後は、幼少期にテレビ中継で早慶戦を観て早稲田大学に憧れていたことから、どうしても早稲田大学に入りたかったそうで、高校３年生の時は、プロのスカウトも高校にやってくるほどの実力だったにもかかわらず、プロ入りせずに、８月の半ばには、高校の監督のつながりを通じて、早稲田大学野球部のセレクション（練習参加による選別）に参加すると、なんと、１５打数１０安打７本塁打という驚異的な打撃力を見せつけたといいます。
早稲田大学には一般入試で合格していた
ただ、当時、早稲田大学にはスポーツ推薦制度がなかったことから、岡田さんは、高校１年生の時から家庭教師をつけてもらって勉強に励みながら、野球をしていたそうで、早稲田大学の一般入試を受験したそうですが、見事、合格したそうで、
岡田さんは、後に、
プロ入りしたときよりもうれしかった。落ちたら浪人するつもりだったから
と、語っています。
（合格は、発表を観に行く新幹線の車中で、「合格通知が来たと野球部から電話があった」という自宅のお母さんから新幹線に電話があり、知ったそうです）
東京六大学リーグでは5番・サードで3冠王に輝く活躍で4年ぶりのリーグ優勝に貢献
こうして早稲田大学に進学した岡田さんは、１年生の秋から７番・レフトとしてレギュラーとなると、法政大学の江川卓投手から３安打を放ってさらに注目を集め、
２年生からは、かつて憧れていた（阪神タイガースの）三宅秀史選手と同じサードで５番打者を任されると、１９７８年、３年生の秋季リーグでは、東京六大学リーグで戦後４人目となる３冠王に輝く活躍で、４年ぶりのリーグ優勝に貢献。そして、１９７９年、４年生の春季リーグでは、主将を務めてリーグ連覇に貢献したのでした。
東京六大学野球でスター選手として活躍した岡田さん。
（同年には、全日本大学野球選手権でも決勝に進出するも、香坂英典投手・高木豊選手を擁する中央大学に敗れ、準優勝に終わっています）
日米大学野球選手権大会ではサードが原辰徳と被りほぼ未経験のショートを自ら志願していた
そんな岡田さんは、１９７９年６月下旬には、「第7回・第8回日米大学野球選手権大会」に、全日本の４番打者として全試合に出場しているのですが、ポジションはほとんど経験のない、ショートだったといいます。
というのも、岡田さんは、２年生から、ポジションはサードだったのですが、東海大学３年生だった原辰徳さんも「４番・サード」と被ったからで、
岡田さんは、あっさりと、
僕がショートを守りますよ
と、言い、ほとんど経験のないショートに自ら志願したのだそうです。
（年功序列で岡田さんの方が原さんよりも１年先輩だったこともあり、「サード岡田」を期待していた世間はびっくりしたそうです）
こうして、原さん３番サード、岡田さん４番ショートと、黄金の三遊間クリーンナップが誕生すると、岡田さんは、センターへ抜けそうな打球に飛びついてアウトにするなど美技を見せたそうで、「ショート岡田」の守備力を見せつけたのだそうです。
早稲田大学時代は花形選手として活躍し打点と打率は未だに破られていない
ちなみに、岡田さんの早稲田大学時代の成績は、通算８８試合で打率３割７分９厘（３０９打数１１７安打）２０本塁打８１打点という素晴らしい成績で、打点と打率はリーグ記録としていまだ破られていません。
また、岡田さんは、１９７７年秋季から５季連続でベストナインに選出されているほか、１９７８年春季・対東京大学２回戦では史上２人目のサイクル安打も達成しています。
「岡田彰布はドラ1で阪神入団も外野手に転向させられ不満を募らせていた！」に続く
