現役時代は、徹底した自己管理や、野球をとことん突き詰める姿がストイックで、「孤高の天才」と呼ばれた、イチローさんですが、高校時代は、全くといっていいほど練習していなかったという噂があります。

そこで、今回は、本当にイチローさんが高校時代は練習していなかったのか、それとも、実は密かに陰練(かげれん=陰で練習)していたのか、同級生の証言を交えながらご紹介します。

高校時代のイチロー

「イチローは高1の時「野球をやめたい」と言っていた!その理由とは?」からの続き

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イチローは高校時代は誰よりも練習していなかった

イチローさんの母校・愛工大名電(愛知工業大学名電高校)野球部では、イチローさんが在籍していた1980~1990年代は、練習場を歩いていただけで、「ダッシュだ!」と、どやされ、ノックの際には、下がって捕ろうものなら「前へ出ろ、前へ!」、打球を身体で止めると「そうそう、それだ!」と言われ、時には、「野球をナメるな!」と、活を入れられるほど、厳しいものだったそうで、そんな中で、部員たちはみな、毎日、ユニフォームを泥だらけにして必死になって練習をしていたそうです。

しかし、高校時代、愛工大名電高校野球部でイチローさんと同学年だった、畑憲作さんと高田広秀さんは、口を揃えて、

イチローは高校時代、誰よりも練習をせず、ユニフォームは真っ白のままだった

と、証言しています。

(捕手の畑憲作さんは、投手だったイチローさんとバッテリーを組み、イチローさんと3年間寮生活をともにし、二段ベッドでイチローさんの下で寝起きしていたそうです)

また、高田広秀さんによると、イチローさんは、上級生がいる1、2年生までは全体練習には参加していたものの、夕食後の自主練習には参加したことがなく、3年生の時には、全体練習すらまともにやらなかったそうで、

高田さんらが練習で泥だらけになっていた頃、イチローさんは、最後のメニューのベースランニングに再びやって来て、猛スピードで20周走り、その後、寮に帰って一番風呂に入っていたといいます。

イチローは高校時代は練習に参加していない間は、昼寝をしたり日経新聞の株式欄をチェックしていた

ちなみに、高田さんが、イチローさんに、練習に参加していない間は何をしているのか聞くと、

トレーニングルームで昼寝したり、寮で新聞や雑誌を読んだり

と、返ってきたといいます。

(イチローさんは、中学生の当時から、日経新聞を読んでいたそうで、特に株式欄を熱心に見ていたそうです(この頃に初めて株を買ったそうです))

イチローは実は陰練(かげれん)していた?

それでも、イチローさんがプロ野球で大成功を収めると、「愛工大名電高校時代には、陰で密かに猛練習していた」という噂が広まったそうで、

イチローさんが高校時代、練習試合のために愛工大名電の寮に泊まった他校の選手が、夜に打ち込みをしているイチローさんの姿に驚いたという話まで出たそうですが、

畑憲作さんは、

(イチローさんが)陰で練習していたところを見たことがない

と、これらの噂をきっぱりと否定しています。

(他校の選手が夜中に目撃したのは、イチローさんではなく、イチローさんと同じ左打ちで体型も似ていた主将の深谷篤さんだったと言われています)

イチローは中村豪監督に自主練習を命じられるも従わなかった

そんなイチローさんに、中村豪監督が怒り出し、自主練習をするよう命じたことがあったそうですが、それでもイチローさんは練習しなかったそうで、

高田広秀さんは、その時のことを、

そうしたら一朗は、スリッパ履いて室内練習場に現れたんですよ。『ちょっと打たせてくれるか』って言って打撃マシンの前に立つと、左じゃなく右で、すごい打球をガーン!ガーン!ガーン!滅茶苦茶打って、さっさと帰っちゃいました

と、語っています。

高校時代のイチロー

イチローが練習しなくても許されていたのは別格の存在だった為

ただ、イチローさんのそんな態度が許されていたのは、入学する前、父親の宣之さんとともに、

プロに行ける選手になりたいんです

と、中村豪監督に明言するほど別格の存在だったからで、

畑憲作さんによると、愛工大名電のセレクションで初めてイチローさんに会った中学3年生の夏、イチローさんは170センチ、55kgと見るからに華奢(きゃしゃ)だったことから、

こんなにガリガリで野球をやっていけるのか

と、感じたそうですが、

いざ、畑さんが、イチローさんの捕手を務めた際には、ミットを構えたところにピシーッ、ピシーッと正確に来たそうで、

彼と一緒なら俺も甲子園に行かせてもらえると思った

と、イチローさんの印象が一変し、

イチローさんのことを次元の違う存在だと思うようになったといいます。

イチロー本人が全くと言っていいほど練習していなかったことを明言

ところで、当の本人のイチローさんも、2022年2月28日、YouTubeチャンネル「パワプロ・プロスピ公式チャンネル」に出演した際、

僕、全く個人練習をしなかったので、チームメイトの中で僕が一番練習してないです。間違いなく

(高校時代に隠れて練習していたという噂について)それは、この時間に監督やコーチが来るって知ってて、その時間やってたの。それが語られているだけです

(トレーニング場で)時間つぶしてるだけなんですよ

コーチが向かってくる・・・で、腹筋やってただけです。これは事実です。そういう高校生でした。すみません・・・

と、高校時代は、全くと言っていいほど練習していなかったことを明かしています。

イチローが全くと言っていいほど練習しなかった理由とは?

また、イチローさんは、プロ入りした後、高田広秀さんに、高校時代に全くと言っていいほど練習しなかった理由について、

高校のレベルで必死にやった、一所懸命頑張ったって言うような選手はプロに入っても活躍できないんだよ。高校野球は余裕でやれるぐらいでなきゃダメなんだ。だって、高校、大学、社会人で、一番楽なのが高校野球だろう。金属バットなんだから

と、説明していたそうですが、

高田広秀さんは、イチローさんのこの言葉を、

結局、僕らが高校でやっていたことを、一朗は中学までにすべてやり終えていたんでしょう。お父さんとの二人三脚の練習でね。

中学時代からプロへ行くんだと決めていて、高校ではプロ入りするための準備に専念していた。下手に身体を酷使して故障したら元も子もない。一朗にとって、名電も甲子園も通過点だったんですよ

と、解釈しているそうです。

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イチローの高校時代の同級生はイチローに忖度して練習をしていたと言っていた

ちなみに、畑健作さんと高田広秀さんは、イチローさんがプロ3年目でとても騒がれるようになった頃、下手なことを言ってはいけないという意識があったそうで、

マスコミには、

彼は高校でもすごい練習してました

僕らが風呂入って漫画読んでるときでも素振りしてました

と、デタラメを言っていたことも明かしています。

ただ、現役引退して数年経過した現在、ある程度は本当のことが知られても構わないんじゃないかと思うようになり、イチローさんの高校時代の実像を明かしたのだそうです。

「イチローはドラフト4位でオリックスに指名されるも大学進学も考えていた!」に続く

お読みいただきありがとうございました

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