1934年、16歳の時、映画「隣りの八重ちゃん」で女優デビューすると、同年、「山は夕焼け」ではヒロインを務め、その近代的な整った顔立ちや、大柄でスラリとしたスタイル、明るく爽やかなキャラクターが、男性を中心に人気を博し、たちまちブレイクした、高杉早苗(たかすぎ さなえ)さん。
今回は、そんな高杉早苗さんの若い頃(女優デビュー)から他界されるまでの出演作品(テレビドラマ、映画)や経歴、死因などをご紹介します。
「高杉早苗の家系図は?幼少期から養女!高校生で家計のためダンサーをしていた!」からの続き
高杉早苗は16歳の時「隣りの八重ちゃん」で女優デビュー
高杉早苗さんは、1934年、16歳の時、新橋ホールでダンサーをしていた時、たまたま新橋ホールを訪れた「松竹」幹部の目に留まってスカウトされ、松竹蒲田撮影所に入社したそうで、
同年、「隣りの八重ちゃん」でヒロイン・八重ちゃん(逢初夢子さん)の友人役で女優デビューすると、一躍、人気を博します。
「隣りの八重ちゃん」より。高杉早苗さん(左)と逢初夢子さん(右)。
高杉早苗は16歳の時「山は夕焼け」でのヒロインで大ブレイク
そして、映画出演3作目となる「山は夕焼け」では、ヒロインを務めると、
これまでの日本映画の女優にはなかった、近代的な整った顔立ち、大柄でスラリとしたスタイル、明るく爽やかなキャラクターが、男性を中心に人気を博し、たちまち、大ブレイクしたのでした。
高杉早苗が18歳の時には小津安二郎監督作品「大学よいとこ」、島津保次郎監督作品「家族会議」「朱と緑」に出演
また、1936年、18歳の時には、小津安二郎監督作品「大学よいとこ」、島津保次郎監督の「家族会議」「朱と緑」に出演すると、
その演技も高く評価され、人気実力共にトップ女優としての地位を確立しています。
「家族会議」より。高杉早苗さん(左)及川道子さん(右)。
高杉早苗は19歳の時にブロマイド売上1位
そんな高杉早苗さんは、1938年1月、19歳の時には、ブロマイドの売れ行きが女優部門で1位に輝いています。
(ちなみに、2位は高峰三枝子さん、3位は桑野通子さんで、俳優の1位は上原謙さん)
高杉早苗さんのブロマイド。
高杉早苗は20歳の時に三代目市川段四郎と結婚して芸能界を引退
しかし、人気絶頂だった1938年、佐分利信さんと共演した「頑張り娘」への出演を最後に、突如、芸能界を引退すると、
その後、歌舞伎役者・三代目市川段四郎さん(澤潟屋)との結婚を発表しています。
高杉早苗は30歳の時に映画「夜の女たち」で女優復帰していた
その後、高杉早苗さんは、梨園の妻として、夫・三代目市川段四郎さんをサポートしていたのですが、
1948年、30歳の時に、映画「夜の女たち」で女優復帰を果たすと、以降、バイプレイヤーとして、数多くのテレビドラマや映画に出演しています。
「夜の女たち」より。田中絹代さん(左)と高杉早苗さん(右)。
高杉早苗は32歳の時に小津安二郎監督作品「宗方姉妹」、35歳の時に木下恵介監督作品「日本の悲劇」に出演
また、1950年、32歳の時には、小津安二郎監督作品「宗方姉妹」で、田中宏(上原謙さん)の友人で未亡人の真下頼子役、
「宗方姉妹」より。
1953年、35歳の時には、木下恵介監督作品「日本の悲劇」で、英語塾の教師(上原謙さん)の妻役を演じています。
「日本の悲劇」より。桂木洋子さん(左)と高杉早苗さん(右)。
高杉早苗の死因は心筋梗塞
そして、1963年に、舅(しゅうと)の初代市川猿翁(二代目市川猿之助)さん、夫の三代目市川段四郎さんが相次いで他界されると、
その後は、長男の三代目市川猿之助(二代目市川猿翁)さん、次男の四代目市川段四郎さんを裏からサポートして、澤潟屋の発展に力を注ぎ、
1996年11月26日、心筋梗塞により、78歳で他界されています。
高杉早苗の出演作品(映画)
それでは、最後に、高杉早苗さんのその他の出演作品もご紹介しましょう。
映画では、
- 1934年「金環蝕」
- 1935年「春よ心あらば」
「春よ心あらば」より。川崎弘子さん(左)と高杉早苗さん(右)。 - 1936年「男性対女性」
- 1937年「荒城の月」
- 1938年「愛より愛へ」
「愛より愛へ」より。 - 1948年「夜の女たち」
- 1949年「朱唇いまだ消えず」
「朱唇いまだ消えず」より。高杉早苗さんと佐分利信さん。 - 1950年「恋しかるらん」
- 1951年「結婚行進曲」
- 1952年「丘は花ざかり」
- 1953年「妻」
- 1954年「風立ちぬ」
- 1955年「狼」
「狼」より。乙羽信子さん(左)と高杉早苗さん(右)。 - 1967年「斜陽のおもかげ」
- 1970年「裸の十九才」
- 1976年「妻と女の間」
- 1978年「オレンジロード急行」
- 1979年「衝動殺人 息子よ」
高杉早苗の出演作品(テレビドラマ)
テレビドラマでは、
- 1960年「まごころ」
- 1966年「木下恵介劇場・木下恵介アワー『記念樹』」
- 1967年「木下恵介劇場・木下恵介アワー『女と刀』」
- 1971年「大忠臣蔵」
- 1974年「徳川の夫人たち」
- 1975年「宮本武蔵」
- 1976年「Gメン’75」第63話、第69話
「Gメン’75」(第63話)より。高杉早苗さん(左)と旭輝子さん(右)。 - 1978年「必殺からくり人・富嶽百景殺し旅」第11話
- 1979年「あさひが丘の大統領」
- 1980年「斬り捨て御免!」
- 1981年「お母さんのいのちをあげる」
- 1982年「火曜サスペンス劇場『誘拐ツアー』」
など、数多くの作品に出演しています。
「高杉早苗の夫・三代目市川段四郎との馴れ初めは?結婚後の夫婦仲は?」に続く
近代的な整った顔立ちや日本人離れしたスタイルで、戦前の美人女優の代表格として絶大な人気を博した、高杉早苗(たかすぎ さなえ)さん。 そんな高杉早苗さんのプライベートはどのようなものだったのでしょうか。 今回は、高杉早苗さ …