「俳優座養成所」を経て、1952年に「俳優座」の座員となると、翌年の1953年には「思春の泉」で映画デビューされた、野村昭子(のむら あきこ)さん。その後は数多くのテレビドラマに出演され、「家政婦は見た!」「渡る世間は鬼ばかり」「税務調査官・窓際太郎の事件簿」など、人気シリーズで脇役を演じ、お茶の間の人気者となられました。
年齢は?出身は?薬剤師?
野村さんは、1927年1月2日生まれ、
東京市神田区(現在の東京都千代田区)のご出身、
身長157センチ、
体重64キロ、
血液型はA型、
学歴は、
東京薬学専門学校女子部(現・東京薬科大学)卒業、
(薬剤師の免許もお持ちです)
ちなみに、野村さんは左利きだそうです。
幼少期
野村さんは、幼稚園にもまだ行っていない幼い頃、近所の人たちの噂話で、自分が養女であることを知ってしまったそうで、
どこの家から養女になったのかは知らなかったため、ある時、お母さんに叱られたことをきっかけに、本当のお父さんとお母さんを探そうと、近所中の人に、
「わたしのお母さんですか」「わたしのお父さんですか」
と聞いて回ったことがあったそうです。
幼少期の野村さん
後に、子どもがいなかった叔父夫婦(実の父親の弟夫婦)の養女として育てられたこと、本当の兄弟が同じ小学校に通っていたこと、を知ったそうですが、
それでも野村さんは、叔父夫婦のことを、亡くなるまで「お父さん」「お母さん」と呼び、養父母との関係は良好だったそうです。
(反対に、実の父親のことはお父さんと呼べなかったそうで、本当の兄弟達とも隔たりを感じ、寂しさを感じておられたそうです)
終戦直後は自決しようとしていた
そんな野村さんは、実家が医療器具を卸す商売をしていたことが影響してか、東京薬学専門学校女子部(現在の東京薬科大学)に進学されているのですが、
大学在学中に終戦を迎えると、今まで自分たちに、「死ね」と言ったり非国民扱いしていた先生の態度が、天皇の詔勅の直後には「いい時代になった」と言うなど、ガラッと変わったそうで、
怒りを覚えた野村さんは、死んでやろうと、友達と一緒に皇居に向かったそうです。
女学生時代の野村さん
(薬学専門学校だったため、先生に頼んで青酸カリを手に入れ、名札にぬいつけられたそうです)
ただ、いざ皇居に着くと、ひれ伏す人々や、すでに自決して亡くなった軍人がいたそうで、それを見ているうちに、まわりも暗くなってくると、怒りで高ぶっていた気持ちもすっかり冷め、結局は家路に向かわれたそうです。
「俳優座養成所」の第1期生に
その後、野村さんは大学を卒業し、薬剤師として東京大学医学部附属病院に勤務されるのですが、どういう経緯かは分かりませんでしたが、演劇に魅せられ、1949年に劇団「俳優座養成所」の第1期生となられます。
「俳優座養成所」時代の野村さん
そして、1952年に「俳優座養成所」を卒業すると、そのまま「俳優座」に入団。
翌年の1953年には、「思春の泉」で映画デビューされています。
その後、舞台を中心に活動されると、1966年には、NHK連続テレビ小説「おはなはん」でテレビドラマデビュー。
以降は、テレビドラマを中心に、数多くの作品に出演されています。
写真は「ウルトラQ」(1966年)より。
「家政婦は見た!」の大沢会長役で人気者に
野村さんといえば、「家政婦は見た!」ですが、もともとは、1983年のテレビドラマ「松本清張の熱い空気 家政婦は見た!夫婦の秘密「焦げた」」で、野村さんは、大沢家政婦紹介所の大沢会長(大沢キヌヨ)役を演じていたのですが、
このドラマが、27.7%という高視聴率を叩き出したことから、設定と副題の「家政婦は見た!」のみを引き継いで、2008年まで続く人気シリーズとなったようで、
主人公の石崎秋子(市原悦子さん)が、大沢会長と他の3人の家政婦にその日の出来事を報告しているラストシーンはお馴染みとなり、野村さんは一躍お茶の間の人気者になられたのでした。
「家政婦は見た!」より。野村さん(左)と市原悦子さん。
「渡る世間は鬼ばかり」で青山タキ役を好演
また、1998年には、テレビドラマ「渡る世間は鬼ばかり」で、「おかくら」の従業員、青山タキ役を演じられると、こちらもドラマが高視聴率を記録し、2017年まで続く人気シリーズに。
野村さん演じるタキは、大吉(宇津井健さん)の妻、節子の親友で、節子亡き後、「おかくら」を手伝うことになり、最終的には、女将のようにお店を切り盛りする、という役どころなのですが、明るくチャキチャキしたキャラは、野村さんのはまり役となりました。
「渡る世間は鬼ばかり」より。藤田朋子さんと野村さん。
病気?
ところで、野村さんを「病気」で、多くの方が検索されているようです。
調べてみると、時期は不明ですが、野村さんは、「乳がん」を患ったことがあるそうで、
幸い、早期発見だったため、手術はせずに寛解したとのこと。
現在は大丈夫なようでほっと一安心ですね。
結婚は?
そんな野村さんの、気になるプライベートですが、
野村さんは29歳の時、演出家の増見利清(ますみ としきよ)さんと結婚されています。
お二人の馴初めなど詳しいことは分かりませんでしたが、増見さんは、「鎌倉アカデミア演劇科」を卒業後、「俳優座」に入っておられるので、ここで知り合われたのでしょうね。
ただ、そんなご主人も2001年に他界されたそうで、野村さんは、その後3年くらいは、あまりの悲しみから、
亡くなる前後のことしか思い出せないくらい辛い思いをされたそうで、最近になり、ようやく、ご主人の若い頃のことも、思い返せるようになったそうです。
子どもは?犬?
野村さんには、お子さんがいらっしゃいません。
そのため、ご主人が亡くなってからは、ひとり暮らしをされているのですが、そんな野村さんの心の支えになっていたのが、「ビション・フリーゼ」という愛犬「タキ」の存在だったそうで、
現在は、「タキ」を看取ることを自分の義務として、毎日を過ごされているのだとか。
ちなみに、タキは、2017年現在、20歳(人間でいうと100歳以上!)だそうで、小姑がいるつもりで仕えているとのことでした♪
愛犬「タキ」ちゃん♪
さて、いかがでしたでしょうか?
90代という高齢にもかかわらず、現役の女優として活動されている野村さん。
現在はマネージャーがおらず、お仕事の依頼は、直接、野村さんが受けていらっしゃるそうですが、そのお元気さにもびっくり。
これからもお体に気をつけて、まだまだ元気なお姿を見せてほしいですね。
応援しています!!
https://www.youtube.com/watch?v=HSAdYkPc-kw