メンバーの変遷を経て、1985年6月、自主制作シングル「I’LL KILL YOU」をリリースすると、1986年には、セカンドシングル「オルガスム」が大ヒットとなった、YOSHIKIさん。ただ、過激なパフォーマンスや、当時、ロックミュージシャンがタブーとされていたお笑い番組の出演など、前代未聞の行動で、業界関係者やほかのバンドから総スカンを喰らいます。
「YOSHIKIのX結成前はToshlとDYNAMITE!ヴォーカルやギターもしてた?」
TAIJIが加入&脱退
YOSHIKIさんは、1984年、高校卒業後は、本格的にバンド活動を行うために、Toshlさん、Terryさんと共に上京すると、何のツテもない状態でメンバーやライブハウス探しを行い、その後、新メンバーとして、ギターのTOMO(オガタ トモユキ)さんが加入。(1985年に脱退)
そして、YOSHIKIさんは、別のバンドで活動していたTAIJI(沢田 泰司)さんを「X」に誘うのですが、TAIJIさんからは、Terryさんと一緒にギターをやりたくないと断られます。
ただ、YOSHIKIさんの熱心な誘いに、TAIJIさんも、
この人となら音楽以外の何かでもできそう
と感じるようになったそうで、加入する条件として、Terryさんを辞めさせ、代わりにHALLYさんを入れることを提示すると、
YOSHIKIさんはその条件をのみ、Terryさんを辞めさせ、TAIJIさんとHALLYさんがメンバーに加わったのでした。
(それでも、TAIJIさんはその後、一度脱退しており、1986年に再加入。HALLYさんは1985年しか活動せず、すぐに脱退されています)
(また、Terryさんはというと、TAIJIさん脱退後に再加入を促されるも拒否。その後、どうされていたのかは不明でしたが、2002年、交通事故で他界されています)
インディーズレーベル「オルガスム」が大ヒット
こうして、1985年、なんとかバンドとしての体裁を整えると、同年6月には、自主制作シングル「I’LL KILL YOU」をリリース(1000枚完売)。
そして、翌年の1986年には、YOSHIKIさんが自身のレーベル「エクスタシーレコード」を設立し、セカンドシングル「オルガスム」をリリースすると、初回プレスで、2500枚を完売する、異例の大ヒットを記録したのでした。
「オルガスム」より。
(ちなみに、YOSHIKIさんは、自分の方針に忠告してくれ、かつ、お互いの個性を認め合い、尊敬、成長しあえるメンバーを探していたそうですが、YOSHIKIさんのバンド活動の方針(スタジオでの練習時間やお金の使い方など)が気に入らずに脱退するメンバーが多く、存在が判明していないメンバーを含めると、脱退したメンバーは、なんと、20人を超えるとか。)
PATAとHIDEが加入
その後、脱退していたTAIJIさんが1986年末に再び加入すると、サポートメンバーだったPATA(石塚智昭)さんが、他のメンバーの脱退により、そのまま加入。
(PATAさんは、YOSHIKIさんの誘いに、「いいよー!」とあっさりOKしてくれたそうです)
そして、1987年の初めには、自身のバンド「SAVER TIGER」を解散させ、美容師になることを決意したHIDE(松本秀人)さんをYOSHIKIさんが説得し、「X」に加入させたのでした。
過激なパフォーマンスでライブハウスを出禁に
こうして、PATAさんとHIDEさんが新たに加入した「X」は、ライブ活動を積極的に展開。
「X」
ただ、ライブハウスでは、メンバーが暴れて火を吹いたり、YOSHIKIさんがシンバルにガソリンを注いで燃やすなど過激なパフォーマンスを行い、数々のライブハウスを出禁となるほか、
打ち上げの最中にケンカをし、店がめちゃめちゃに壊れるなどのトラブルを起こしていたため、ロックミュージシャンが居酒屋に入る時は、YOSHIKIさんがいないか確認されるほどだったとか。
また、当時の渋谷の居酒屋はミュージシャン同士のケンカが多かったことから、
「ギターお断り、ミュージシャンお断り、バンドマンお断り」
との張り紙がされ、「Xお断り」と、名指しで張り出されることもあったのだそうです。
お笑い番組「天才たけしの元気が出るテレビ」に出演
その一方で、YOSHIKIさんは、
いくら良い曲を作っていても聴いてもらえなければ意味が無い
と、知名度が必要と考え、バラエティ番組「天才・たけしの元気が出るテレビ!!」の「ヘビメタコーナー」にも出演。
「天才・たけしの元気が出るテレビ!!」に出演していたYOSHIKIさん。
当時の音楽業界では、ロックバンドは硬派なイメージを押し出していたため、音楽番組以外のテレビ番組に出演することはタブー視されていたのですが、
YOSHIKIさんら「X」のメンバーたちが、「ヘビメタ運動会」や「早朝ヘビメタ」などに出演して話題となったことから、
「X」のメンバーたちは、業界関係者やほかのバンドから、「ヘヴィメタルをお笑いネタにされた」として、厄介者のレッテルを貼られたのでした。
「YOSHIKIの昔は?X1stアルバムは母親借金!ソニーとは反骨精神で契約?」に続く
https://www.youtube.com/watch?v=hLMhOnw3rsw