「前略おふくろ様」「トラック野郎・望郷一番星」でお茶の間の人気を博すと、1978年には、NHK大河ドラマにも出演を果たされた、室田日出男(むろた ひでお)さんですが、またしても・・・
「室田日出男の若い頃はスター候補もケンカで干されピラニア軍団に!」からの続き
覚醒剤不法所持で逮捕
テレビドラマ「前略おふくろ様」や映画「トラック野郎・望郷一番星」などへの出演でお茶の間の人気を博した室田さんは、その勢いに乗り、
1978年には、NHK大河ドラマ「黄金の日日」で、豊臣秀吉と密接な関係にある、蜂須賀小六役に起用されたのですが・・・
同年2月、「覚醒剤不法所持」で逮捕。
これにより、「黄金の日日」をはじめ、出演中だったテレビドラマ全てが降板となったうえ、謹慎することとなったのでした。
(ちなみに、「黄金の日日」では、室田さん降板後、特に代役は立てられず、役そのものがフェードアウト。それまで収録した室田さんの出演シーンに関しては、制作条件上、カットすることが無理ということで、収録日をテロップで明示してそのまま放送され、オープニングタイトルから室田さんの名前はカットされたのでした。)
「人妻集団暴行致死事件」で渾身の演技
それでも、1979年には、日活ロマンポルノ「人妻集団暴行致死事件」の主演で復帰されると、
刺激的なタイトルとは逆に、仲間だった若者たちに妻を手篭めにされ、死に至らしめられた、男の無念を見事に演じ、高い評価を獲得。
劇中、汚された妻を洗い清めるシーンで、悲しみをたたえ、静かでありながらも、気迫に溢れた演技は、室田さん屈指の名演だと言われました。
「野獣死すべし」「魔界転生」などで着実にキャリアを積む
そして、1980年には、「影武者」「野獣死すべし」
「野獣死すべし」より。松田優作さん(左)と室田さん(右)。
1981年には、柳生十兵衛、天草四郎、宮本武蔵ら、時代的にバラバラな登場人物が蘇り、バトルを繰り広げる奇想天外な、深作欣二監督作品「魔界転生」で、武蔵(緒形拳さん)と対決する宝蔵院胤瞬役で出演するなど、地道にキャリアを積まれると、
「魔界転生」より。
1992年には、「死んでもいい」で「第35回ブルーリボン賞」、「修羅の伝説」で「第35回ブルーリボン賞助演男優」を受賞されたのでした。
(ただ、やはり、「覚醒剤不法所持」の影響で、CMやゴールデンタイムのテレビドラマ、バラエティなどお茶の間からは遠ざかってしまいました。)
「北の国から」で変人役
また、その後、1998年には、「北の国から ’98 時代」で、宮沢りえさん演じるシュウの父親役で出演されると、
純(吉岡秀隆さん)がシュウの実家に挨拶に行くシーンでは、純をまったく無視。テレビ中継の「日本ハムvsダイエー」戦に熱中し、ブルックスのホームランに絶叫する変人ぶりを演じて、話題を集められています。
「北の国から ’98 時代」より。
妻は?息子は?
ところで、室田さんのプライベートですが、室田さんは、一般人女性、鞆子(ともこ)さんと結婚されています。
室田さんと鞆子さんの間には、息子さんと娘さんが一人ずつおられ、長男は、室田晃さんといい、「ピラニア楽団」というバンドを主催。主に映画音楽や舞台音楽で活動されているそうです。(もちろん、「ピラニア楽団」は「ピラニア軍団」からとったもの)
娘さんについては情報がないことから、一般のお仕事をされていると思われます。
死因は?
実は、室田さんは、1992年、映画「死んでもいい」の撮影中、北海道で倒れており、緊急入院されると、10時間にもおよぶ手術を受けていたそうです。
原因は、お酒の飲み過ぎで腎臓を悪くしたことだったそうで、その際、肝臓の肥大も発覚し、3週間の入院生活を経て、復帰されると、映画、ドラマ、Vシネマなどに出演されていたのですが、
1995年には、東京都内で大量吐血して再び緊急入院。ICU(集中治療室)で治療を受けられています。
その後の詳しいことは分かりませんでしたが、晩年は病との闘いだったようで、2002年6月15日、「肺ガン」のため64歳で他界されると、
妻の鞆子(ともこ)さんは、
あんなに体格のいい夫が最後は体が小さくなって別人のようでした。病状が急変したので、家族も最期をみとれなかったのが悔やまれます。
と、語っておられました。
また、息子の晃さんによると、2001年12月、病院で最後に会った際には、室田さんは無理に起き上がり、
いい作品があれば、オレはまだ(仕事を)やるんだ
と、おっしゃっていたそうです。
さて、いかがでしたでしょうか。
室田さんの、
- 年齢は?出身は?身長は?本名は?
- 少年時代に父母を亡くしグレる
- 「東映ニューフェイス」として入社するも・・・
- 「ピラニア軍団」
- 「前略おふくろ様」「トラック野郎・望郷一番星」でお茶の間の人気者に
- 覚醒剤不法所持で逮捕
- 「人妻集団暴行致死事件」で渾身の演技
- 「野獣死すべし」「魔界転生」などで着実にキャリアを積む
- 「北の国から」で変人役
- 妻は?息子は?
- 死因は?
について、まとめてみました。
テレビドラマや映画以外には、トーク番組のゲスト出演を除いて、バラエティ番組にはほとんど出演されず、葬儀に列席された山城新伍さんに、
彼は僕らと違ってバラエティには出ないから、本当に役者だね
と言わしめた室田さん。
度重なる不祥事で度々仕事を干されるも、多くの映画監督が放っておけなかった室田さんの演技、これを機会に是非ご覧ください。
「室田日出男の若い頃はスター候補もケンカで干されピラニア軍団に!」