182センチの長身と端正なマスクで、二枚目青春スターとして活躍すると、1960年代には、中華圏に活動の拠点を移し、アジアでも絶大な人気を博した、宝田明(たからだ あきら)さん。今回は、そんな宝田さんのデビューからの出演作品を画像を交えてご紹介します。

「宝田明は中国語がペラペラで中華圏でも大人気だった!」からの続き

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特撮映画「獣人雪男」は放送禁止

宝田さん出演の特撮映画と言えば、1954年の映画「ゴジラ」ですが、実は、宝田さんは、この映画の公開から9ヶ月後にも、自身2作目となる特撮映画「獣人雪男」に出演されています。

というのも、当時、ヒマラヤの雪男が話題になっていたことから、「ゴジラ」と同様、本多猪四郎監督、円谷英二特技監督という最高の布陣によって、制作・公開されたのですが・・・


「獣人雪男」のポスター。

「雪男が棲息する狭い集落は血族結婚のため、体に障害をもっている者ばかり」という設定のほか、美女役の根岸明美さんが、獣人に向かって、「さあ、おやり!」と裸身をさらけ出し、獣人が美女に襲いかかるというシーンが、1950年代当時は物議を醸したため、東宝特撮の映画では、唯一、ソフト化が許されていないというのです。

そのことについて、宝田さんは、

僕はアメリカの特撮イベントに呼ばれることも多いんだけど、向こうでは「ハーフ・ヒューマン」の名で、こっそりDVD化されていて。そのパッケージに「サインください」という人もいるし、「あのカット割りは?」など、とにかくマニアック。僕も海外版のDVDはもらったので、家のどこかにあるはずだ。

(日米合作の宝田さんの主演作「緯度0大作戦」(1969年)も、アメリカ側の権利の問題から30年以上お蔵入りとなっていたのですが)同じ東宝ニューフェイス6期の岡田眞澄も共演しているし、本多監督と円谷監督が組んだ最後の作品でもある。

ようやくDVD化(06年)されたことは、天国の2人も喜んでいるだろうし、いつか「獣人雪男」もそうなってほしいね。

と、語っておられました。

ミュージカル俳優としても

また、宝田さんは、1964年には、ミュージカル「アニーよ銃をとれ」で初舞台を踏まれると、いきなり「芸術祭奨励賞」を受賞。

以降、舞台「風と共に去りぬ」でヒロインの相手役・レット・バトラー、「マイ・フェア・レディ」でもヒロインの相手役であるヒギンズ教授、「ピーター・パン」ではフック船長を演じるなど、舞台・ミュージカル俳優としての地位も確立されています。

そして、日本映画産業全体が斜陽化してきた1970年代以降は、映画から遠ざかり、舞台を中心に活動されていたのですが、1983年には、「プルメリアの伝説 天国のキッス」松田聖子さんの父親役で映画に復帰されています。


「アニーよ銃をとれ」より。宝田さんと江利チエミさん。

「アラジン」で魔法使いジャファー役

そんな宝田さんは、1993と1995年には、ディズニー映画「アラジン」で、得意の催眠術を利用して魔法のランプを手に入れ、相棒の、オウム、イアーゴとともに国王の座を狙う、邪悪の魔法使い、ジャファー役の声を担当されているのですが、

劇中、ジャファーが歌うシーンでも、ミュージカルのご経験を生かし、実際に宝田さんが歌唱を担当。その美声を響かせています♪


「アラジン」のジャファーとイアーゴ

「ダンスウィズミー」では催眠術師役

そして、2019年には、曲が流れると、歌って踊りたくなるという催眠にかかった主人公・鈴木静香が、催眠術を解いてもらうため、行方の分からなくなった催眠術師を探し回る姿を描いた、ミュージカル・コメディ映画「ダンスウィズミー」で、主人公を窮地に追い込む、あやしい催眠術師を演じられており、


「ダンスウィズミー」より。三吉彩花さん、宝田さん、やしろ優さん。

宝田さんは、この映画に出演されたことについて、

私に残された時間があとどのぐらいあるか、神様も意地悪だから教えてくれない。元気でやれるうちに、自分の思いを込めた映画を作りたいですね。

老人と若者が、価値観の違いを乗り越えてやがてわかり合い、じいさんの言葉をきっかけに、生きる道が開けたような気持ちになれる。そんな内容をイメージしています。

でも、ぼくは欲張りですから、仮にそれを作ったとしても、気が済むということはないでしょう。なんせゴジラとともに生きてきたんですから、そう簡単にはくたばりませんよ。「宝田明の逆襲」「シン・宝田明」とか何とか言って、令和もしぶとく暴れまくります。

と、語っておられました。

ちなみに、監督の矢口史靖さんは、宝田さんが吹き替えを担当した「アラジン」のジャファーを観て、宝田さんにこの映画のオファーをされたということでした。

出演作品(テレビドラマ)

それでは、ここで、宝田さんの主な出演作品をご紹介しましょう。

テレビドラマでは、

1958年「クリスマス・カード」
1967年「のれん繁昌記」
1967年「平四郎危機一発」
1968年「五人の野武士」
1971年「人形佐七捕物帳」
1976年「いごっそう段六」


「平四郎危機一発」より。


「いごっそう段六」より。宝田さんと藤岡弘さん。

1979年「手錠をかけろ!」 第3話
1983年「さらば海底空母イ401 幻のパナマ運河大爆撃」
2000年 NHK朝の連続テレビ小説「私の青空」
2002年「私の青空2002」
2004年「松本清張ドラマスペシャル・黒の回廊」
2007年「勉強していたい」


「松本清張ドラマスペシャル・黒の回廊」より。(左から)賀来千香子さん、船越英一郎さん、宝田さん。

2010年「離婚同居」第4話
2011年 NHK朝の連続テレビ小説「カーネーション」
2012年「浅見光彦シリーズ43 還らざる道」
2013年「新・犯罪交渉人 百合子」
2014年「キャビンアテンダント刑事〜ニューヨーク殺人事件〜」
2015年「被爆70年特集ドラマ・赤レンガ」


「カーネーション」より。

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出演作品(映画)

映画では、

1954年「ゴジラ」
1955年「獣人雪男」
1956年「ロマンス娘」
1957年「美貌の都」
1959年「暗黒街の顔役」
1960年「夜の流れ」


「夜の流れ」より。宝田さんと草笛光子さん。

1961年「小早川家の秋」
1962年「私と私」
1964年「モスラ対ゴジラ」
1965年「怪獣大戦争」
1966年「ゴジラ・エビラ・モスラ 南海の大決闘」
1967年「キングコングの逆襲」


「モスラ対ゴジラ」より。宝田さんと星由里子さん。

1968年「100発100中 黄金の眼」
1969年「緯度0大作戦」
1983年「プルメリアの伝説 天国のキッス」
1985年「クララ白書・少女隊PHOON」
1990年「あげまん」
1992年「ミンボーの女」


「あげまん」より。宝田さん(左)と押坂忍さん(右)。


「ミンボーの女」より。宝田さん(左)と鶴田忍さん(右)。

1994年「億万長者になった男。」
1995年「白鳥麗子でございます!」
1996年「必殺! 主水死す」
1997年「マルタイの女」
2000年「世にも奇妙な物語 映画の特別編」
2003年「福耳」

2004年「ゴジラ FINAL WARS」
2005年「ファンタスティポ」
2007年「監督・ばんざい!」
2013年「燦燦 さんさん」
2014年「GODZILLA ゴジラ」※未公開シーン
2018年「大仏廻国 The Great Buddha Arrival」
2019年「ダンスウィズミー」


「燦燦 さんさん」より。宝田さんと吉行和子さん。


「大仏廻国 The Great Buddha Arrival」より。

ほか、数多くの作品に出演されています。

また、宝田さんは、2007年には、「SOPHIA」のシングル「君と月の光」のプロモーションビデオにも出演されているのですが、ヴォーカルの松岡充さんによると、宝田さんのアイディアをそのまま取り入れて制作されたそうで、曲とマッチしたとても優しい仕上がりになっているそうです。

「宝田明の前妻はミスユニバース!香港スターとも熱愛?」に続く

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