２０１７年、週刊誌「女性セブン」（6月9日・16日号）で、「胆のうガン」の闘病中であることを告白された、渡瀬恒彦（わたせ つねひこ）さん。しかし、実は、２０１５年の夏頃に受けた検査で、すでに「余命１年」と宣告されていたといいます。
「渡瀬恒彦は警視庁捜査一課9係に文字通り命を燃やしていた！」からの続き
余命1年と宣告されていた
週刊誌「女性セブン」（2016年6月9日・16日号）では報じられなかったのですが、実は、渡瀬さんは、２０１５年の夏頃に受けた検査で「胆のうガン」が発覚した際、「余命１年」の告知を受けていたというのです。
そのため、手術はせずに、５ヶ月間、都内の大学病院で抗ガン剤の投与と放射線治療を受けていたそうで、その後も入退院を繰り返しつつ、少しずつ仕事をこなされていたというのです。
（その間、高額な抗ガン剤や、ガン専門病院での特別な放射線治療を受けようとしたそうですが、ガンがすでに転移していたため、叶わなかったそうです。）
前向きに闘病するも体調が悪化
それでも、２０１６年からは、血流を良くする気功術を導入するなど、俳優として完全復帰するため、前向きに闘病を続けられていたそうで、
渡瀬さんの親友で、「ピラニア軍団」の一員だった成瀬正孝さんによると、２０１６年６月、「おみやさん」のスペシャル版を撮影中の渡瀬さんを、京都に陣中見舞いに訪れた際には、
渡瀬さんに『調子はどうですか？』って聞いたら、隠さずに『よくない』と答えたよ。それでも、俺たちを連れてメシに行くのが渡瀬さんなんだ。
と、体調が悪いながらも、一緒に食事に行く気遣いを見せておられたそうです。
しかし、翌月７月には、隠しきれないほど体調が悪化。
奥さんが急遽、京都に駆けつけ、渡瀬さんを献身的にサポートしたことで、何とか撮影を乗り切られたのだそうです。
「おみやさんスペシャル2」より。貫地谷しほりさんと渡瀬さん。
そして、その後も体調はすぐれず、「警視庁捜査一課9係」のプロデューサー・松本基弘さんによると、「おみやさんスペシャル」の後、テレビドラマ「タクシードライバーの推理日誌」の新作を撮影予定だったそうですが、渡瀬さんの体調を考慮して延期となったのだそうです。
遺作「そして誰もいなくなった」は酸素吸入器をつけながら撮影
こうして、体調は悪化の一途をたどっていた渡瀬さんですが、２０１６年１１月には、スペシャルドラマ「そして誰もいなくなった」（2017年3月25日・26日放送）の出演が決まります。
というのも、プロデューサーの藤本一彦さんによると、当初は別の俳優にオファーするつもりだったそうですが、準備稿を読んだ渡瀬さんが、犯人・磐村兵庫役をやりたいと言われたことから、渡瀬さんにオファーされたというのです。
ちなみに、渡瀬さんは、２０１６年１２月２４日から２０１７年２月１２日まで続いた撮影に参加されているのですが、
クランクインでは、
皆さんご存知だと思いますが、私は癌です。それでもこの役を全うしたい
と、挨拶されたそうで、
撮影が始まると、風邪が蔓延しないよう全員がマスクを着用するほか、照明のセッティング待ちがないよう照明なしのカメラを用意したり、出来るだけロケの回数を抑えるため、藤本プロデューサーが和泉聖治監督に工夫するように指示するなど、共演者・スタッフの万全のバックアップのもと行われ、
渡瀬さんも、車椅子で移動し、撮影の合間には、酸素吸入の管を鼻から挿入するなど、命を燃やすような壮絶な現場だったのだそうです。
「そして誰もいなくなった」より。
最後まで「警視庁捜査一課9係」に情熱
そして、２０１７年１月、「サンケイスポーツ」が「警視庁捜査一課9係」season12（2017年4月放送開始）についてインタビューした際には、
渡瀬さんは、鼻に酸素吸入器を装着するなど、万全ではない体調の中、口調や足取りはしっかりしており、
『9係』は僕にとって『やらせてください！』と言いたい作品なんです
と、力強く語ったそうで、
記者は、渡瀬さんの、現場に立ちたいという強い役者魂を感じたといいます。
また、病気に対しては、「良くはない」と真正面から向き合うも、
あえて自分から話すことではないと思った
と、週刊誌で胆のうガンを報じられるまで周囲に闘病を明かさなかったことや、この日の写真撮影時も、酸素吸入器を外し、いつも通りの笑顔を見せるなど、視聴者に弱い姿は見せたくないという、渡瀬さんの想いを感じたそうです。
ただ、記者が、
（「警視庁捜査一課９係を）今後もライフワークにしたい？
と、質問すると、
渡瀬さんは、一呼吸置いて、
生きていれば…
と、声を落とされたそうです。
