「胆のうガン」で余命一年と告知されながらも、病身を顧みず、「警視庁捜査一課9係」ほか、俳優業に没頭されていた、渡瀬恒彦(わたせ つねひこ)さんですが、ついに、力尽きてしまいます。

「渡瀬恒彦は余命1年と宣告されていた!」からの続き

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「警視庁捜査一課9係」の取材会には現れるも・・・

渡瀬さんは、2017年2月19日、4月からの放送が発表された主演ドラマ「警視庁捜査一課9係」season12の取材会に力強い足取りで現れると、

テレ朝さんや東映さんが許可してくれなければできない。それを“みんなでやってみようよ”と言ってもらえた。

と、ガンと闘いながらも、演じることの喜びをかみしめ、

体調? 良くはないですね。現状維持という感じ。食欲は減りますね。一生懸命食べますけど。

と、苦笑いしながらも、一切、不安を感じさせない、口調で話されていたのですが・・・


「警視庁捜査一課9係」の取材会での羽田美智子さんと渡瀬さん。

死因は胆のうガンによる多臓器不全

その直後には、左肺に「気胸」を発症すると、

(※気胸とは、肺に穴が開いてしまい、息を吸っても肺が広がりにくくなり、呼吸がうまくできなくなる状態)

入院し、治療を行うも、3月に入ると、「敗血症」を発症してしまいます。

(※敗血症とは、細菌などが増殖して炎症が全身に広がり、その結果、重大な臓器障害が起きて重篤になる状態)

それでも、渡瀬さんの現場に戻る執念は衰えを知らず、一般病棟にいる時から「警視庁捜査一課9係」season12の台本を病室に持ち込み、セリフをすべて覚えて、いつでも撮影に参加できるように備え、3月13日まで、関係者と打ち合わせをされていたのですが、

翌3月14日には容態が急変。病院に駆けつけた妻、長男、長女の家族3人に看取られ、同日23時18分、「胆のうガン」による「多臓器不全」のため、東京都内の病院で他界されたのでした。

兄・渡哲也のコメント

そして、この訃報に対し、渡瀬さんの兄・渡哲也さんは、

当初より、ステージIV、余命1年の告知を受けておりましたので、今日の日が来る覚悟はしておりましたものの、弟を失いましたこの喪失感は何とも言葉になりません。

幼少期より今日に到るまでの二人の生い立ちや、同じ俳優として過ごした日々が思い返され、その情景が断ち切れず、辛さが募るばかりです。

2017.3.16 渡哲也

と、直筆のコメントを発表し、最愛の弟を偲ばれたのでした。

密葬

また、渡瀬さんは、生前、派手なことを嫌っていたため、ご本人とご家族の希望により、家族葬が営まれたそうで、

ご家族と渡さんご夫婦のほかは、親しい俳優仲間であった、片桐竜次さん、不破万作さん、中西良太さん、木村栄さん、成瀬正孝さんら約30人のみが参列。

舘ひろしさんは、葬儀の前にお線香を上げにこられたそうです)


渡瀬さんの密葬に参列後、報道陣に対応した兄・渡哲也さん

遺影には、2016年1月の奥さんの誕生日に撮影された写真が使われ、渡瀬さんが好きだったオンシジュームの花をメインとした花で囲まれた棺の中には、家族からの手紙や家族写真が収められたそうです。


都内の自宅から霊柩車に運ばれる渡瀬恒彦さんの棺

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遺作「そして誰もいなくなった」では自身を重ねていた

ちなみに、2017年3月25日、26日には、渡瀬さんの遺作となった、テレビドラマ「そして誰もいなくなった」が放送され、

ドラマの最後には、

このドラマは2016年12月20日から2017年2月13日に掛けて撮影されました。渡瀬恒彦さんのご冥福を心よりお祈り申し上げます。

とのテロップが流されたのですが(平均視聴率は、25日は15.7%、26日は13.1%)、

渡瀬さんたっての希望で演じることとなった役柄は、末期の余命宣告を受けた元東京地裁裁判長で犯人役の磐村兵庫。

磐村兵庫は、なぜこのような殺人を犯すに至ったかを、ラストで告白するのですが、

私は末期の肺がんだ。余命いくばくもない。

ありがとう。そして、さよなら。

と、実際の渡瀬さんの境遇と重なる別れの言葉が多くの視聴者の涙を誘い、

どんな気持ちでこの役演じたんだろうか

痩せ細って体調悪そうなのに、それでも演じてるなんてすごい

現実とダブって涙が止まらない

こんな形の遺作は見たことない。渡瀬さんの俳優魂に拍手

などのコメントが、ネット上に投稿されたのでした。

また、制作関係者も、

今作への出演は、どのような役どころかすべて承知の上でした。渡瀬さんの役者魂とファンへのメッセージのようなラストシーンでした。

と、語ったのでした。

「渡瀬恒彦と渡哲也の兄弟仲は?兄弟共演は3度だけ!」に続く

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