1965年、高校3年生の時、父・阪東妻三郎さんの13回忌企画ということで、しぶしぶ、映画「破れ太鼓」で俳優デビューすると、翌1966年には、これまた、お父さんの関係から、大学在学中だけと、映画「暴れ豪右衛門」に出演された、田村亮(たむら りょう)さんですが、結局、なし崩し的に俳優の道へ進むことになっていきます。

「田村亮(俳優)の生い立ちは?高校生でデビューしていた!」からの続き

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就職活動がままならず成り行きで俳優に

大学卒業後、商社マンになろうと考えていた田村さんは、稲垣監督が父・阪東妻三郎さんと縁があったことから無下には断れず、あくまで大学在学中だけということで、年に3本の映画出演契約を結ばれたのですが、

いざ、映画が出来上がると、「東宝」封切り館は日本一多かったため、キャンペーン活動で全国を回ると、かなり学校を休まなくてはいけなくなり、授業に十分出席することができなかったそうで、

なんとかかんとかで大学は卒業したものの、就職活動もままならず、結局、俳優を続けることになります。

「俳優小劇場養成所」でレッスン

ただ、本格的に俳優をやろうと決めたからには、このままではいけないと、1969年、「俳優小劇場養成所」に通い、大きな声で「ア・エ・イ・ウ・エ・オ・ア・オ」と発声練習をするなど、一からレッスンを始められた田村さんですが、

もう恥ずかしかった。みんな僕より若い人たちで『田村さん、マスコミに出ていたでしょう?』って言うから、「はい」って言って(笑)

彼らがまた演劇のことをよく知ってるんですよ。ものすごく詳しくて、トルストイがどうのこうのだとか、いろいろ演劇論を言ってくるんだけど「俺はわかんねぇなぁ」って(笑)

と、語っておられました。

主演映画「無常」が「ロカルノ国際映画祭」でグランプリ

それでも、養成所には1年間通われると、1年の卒業公演の時には、「ウルトラセブン」など特撮を中心に活動されていた、実相寺昭雄監督からオファーを受け、

1970年、近親相姦をテーマにした映画「無常」で、「美しい姉と肉体関係を持って姉を妊娠させると、姉を書生と結婚させ、自らは京都の仏師に弟子入りして虚無的に生きる」、主人公の正夫役を演じられると、

この映画は、見事、スイス「ロカルノ国際映画祭」でグランプリ(ゴールデンジャガー賞)を受賞。田村さんはこの受賞に大きく貢献したのでした。


「無常」より。

以降、田村さんは、数々のテレビドラマや映画に出演されています。

出演作品(テレビドラマ)

それでは、ここで、田村さんの主な出演作品をご紹介しましょう。

テレビドラマでは、

1965年「破れ太鼓」
1968年「四回戦ボーイ」
1969年 NHK朝の連続テレビ小説「信子とおばあちゃん」
     「魔像・十七の首」
1970年 NHK大河ドラマ「樅ノ木は残った」
     「日本怪談劇場」
     「キイハンター」


「四回戦ボーイ」より。中央が田村さん。

1971年 NHK大河ドラマ「春の坂道」
1971~2009年「水戸黄門」
     「大忠臣蔵」
     「てるてる坊主」
     「おれは男だ!」
     「続・氷点」
     「天皇の世紀」

1972~1975年「大江戸捜査網」
1972年「眠狂四郎」
1973年 NHK大河ドラマ「国盗り物語」
     「荒野の用心棒」
     「赤ひげ」
     「あんたがたどこさ」
     「狼・無頼控」
     「どてらい男」


「どてらい男」より。西郷輝彦さん(左)と田村さん(右)。

1975年「眠狂四郎」
1976年「江戸を斬るII 」
1977年「江戸を斬るIII」
     「横溝正史シリーズ 犬神家の一族」
     「桃太郎侍」
     「横溝正史の吸血蛾」


「横溝正史シリーズ 犬神家の一族」より。

1978年「図ぶとい奴・危険な賭け」
     「柳生一族の陰謀」
     「風鈴捕物帳」
     「同心部屋御用帳 江戸の旋風IV」
     「チェックメイト78」
1979年「女弁護士 朝吹里矢子3」
     「松本清張の犯罪広告」
     「からっ風と涙」


「女弁護士 朝吹里矢子3」より。田村さん(左)と森次晃嗣さん(右)。

1980年「歴史の涙」
     「探偵物語」
1982年「竜馬がゆく」
1983年「大奥」
1984年「ニュードキュメンタリードラマ昭和 松本清張事件にせまる 」
     「なんで結婚 だって結婚」
     「父さんお帰りなさい〜不滅の名セッター猫田に捧げる妻からの金メダル〜」

1985年「忠臣蔵」
     「女コロンボ危機一髪」
1986年「氷紋」
     「青い沼の女」
1987年「月光の死美人・東名高速殺人ラインのトリック」
     「蜜の匂い・男と女の間」
     「監察医・室生亜季子3『瀬戸内竹原殺人行』」


「女コロンボ危機一髪」より。


「月光の死美人・東名高速殺人ラインのトリック」より。田村さんと白都真理さん。

1988年「京都花見小路殺人事件〜舞妓さんは名探偵!」
1989年「京舞妓殺人事件〜舞妓さんは名探偵2〜」
     「原島弁護士の愛と悲しみ」
1990年「勝海舟」※三兄・正和の急病により後半のみ代演
     「京都東山殺人事件〜舞妓さんは名探偵〜」
     「お父さん」
     「必殺スペシャル・秋! 仕事人vsオール江戸警察」

1991年「源義経」
1993年「殺人行越前海岸の女」
     「付き馬屋おえん事件帳 第2シリーズ」
     「危険な再会」
     「はぐれ刑事純情派 第6シリーズ」
1994年「死の人工呼吸」
1995年「江戸の用心棒II」
     「風のロンド」

1996年「終着駅シリーズ6」
1997年 NHK朝の連続テレビ小説「あぐり」
     「月岡湯けむり心中殺人事件」
1997~2004年「暴れん坊将軍シリーズ」
1998年「凄絶!嫁姑戦争 羅刹の家」
1999年「家政婦は見た!17」
     「赤穂浪士」
     「バツイチ 駆け込み尼寺・探偵局」


「暴れん坊将軍シリーズ」より。

2000年 NHK大河ドラマ「葵 徳川三代」
     「山村美紗サスペンス 狩矢父娘シリーズ」
2001年「水曜日の情事」
2002年「警部補 佃次郎15『結婚しない女』」
2003年「夢みる葡萄~本を読む女~」
2004年「一番大切な人は誰ですか?」
     「最後の忠臣蔵」


「狩矢父娘シリーズ」より。(左から)田村さん、藤谷美紀さん、原田龍二さん。

2005年「監察医・室生亜季子36『母子鑑定』」
2006年「逃亡者 おりんシリーズ」
2008年「ちりとてちん外伝」
2009年「ヴォイス〜命なき者の声〜」
     「Q.E.D. 証明終了」
     「ブザー・ビート〜崖っぷちのヒーロー〜」
     「科捜研の女」
     「不毛地帯」

2011年「女刑事・左近山響子」
     「風の少年~尾崎豊 永遠の伝説~」
     「監察医七浦小夜子・法医学者の事件プロファイル」
     「下町ロケット」
2012年「タイトロープの女」
2013年「刑事吉永誠一 涙の事件簿11」
     「鴨、京都へ行く。-老舗旅館の女将日記-」
     「警視・深町征爾2『殺人者にラブソングを』」
     「海の上の診療所」


「刑事吉永誠一 涙の事件簿11」より。

2014年「税務調査官・窓際太郎の事件簿27」
     「信濃のコロンボ事件ファイル2」
     「大岡越前」
     「松本清張スペシャル 時間の習俗」
2015年「鬼平犯科帳スペシャル 浅草・御厩河岸」
2016年「法医学教室の事件ファイル42」
     「巨悪は眠らせない 特捜検事の逆襲」


「鬼平犯科帳スペシャル 浅草・御厩河岸」より。田辺誠一さん(左)と田村さん(右)。

2017年「巨悪は眠らせない 特捜検事の標的」
     「山本周五郎時代劇 武士の魂」
2018年「鳴門秘帖」
     「刑事7人」
2019年「水戸黄門 第2シリーズ」

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出演作品(映画)

映画では、

1966年「暴れ豪右衛門」
     「あこがれ」
     「お嫁においで」
1967年「てなもんや幽霊道中」
1968年「めぐりあい」
     「連合艦隊司令長官 山本五十六」

1970年「無常」
     「しびれくらげ」
     「可愛い悪魔 いいものあげる」
1971年「曼陀羅」
     「わが歌のある限り」
1972年「哥」>


「わが歌のある限り」より。藤圭子さんと田村さん。

1975年「どてらい男」
1977年「歌麿 夢と知りせば」
     「赤穂城断絶」
1981年「とれたての輝き」
1982年「ユッコの贈り物 コスモスのように」
1983年「雨が好き」

1989年「利休」
1994年「ゴト師株式会社III」
2005年「蝉しぐれ」
2012年「ファイナル・ジャッジメント」
2019年「世界から希望が消えたなら。」


「世界から希望が消えたなら。」より。

ほか、数多くの作品に出演されており、特に、テレビドラマでは2時間ドラマのサスペンスに数多く出演されています。

「田村亮(俳優)の妻は?息子は俳優の田村幸士!」に続く

若かりし日の田村さん。(「四回戦ボーイ」より)

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