歌舞伎の女形から映画俳優に転向後、最初の映画である、美空ひばりさんの相手役として出演した映画「ひよどり草紙」がヒットすると、その後も次々とヒットを連発して「東映」の救世主となり、テレビ転向後も変わらぬ人気を博した、萬屋錦之介(よろずや きんのすけ)さん。今回は、そんな萬屋さんの出演作品を画像を交えてご紹介します。
出演作品(映画)
それでは、ここで、萬屋さんのデビューからの主な出演作品をご紹介しましょう。
映画では、
1954年「ひよどり草紙」
「花吹雪御存じ七人男」
「新諸国物語 笛吹童子 第一部どくろの旗」
「唄しぐれ おしどり若衆」
「新諸国物語 笛吹童子 第二部幼術の闘争」
「新諸国物語 笛吹童子 第三部満月城の凱歌」
「里見八犬伝 第一部 妖刀村雨丸」
「里見八犬伝 第二部 芳流閣の龍虎」
「里見八犬伝 第三部 怪猫乱舞」
「里見八犬伝 第四部 血盟八剣士」
「里見八犬伝 完結篇 暁の勝鬨」
「唄ごよみいろは若衆」
「八百屋お七 ふり袖月夜」
「お坊主天狗 前篇」
「お坊主天狗 後篇」
「満月狸ばやし」
「新選組鬼隊長」
「新諸国物語 紅孔雀 第一篇」
「ひよどり草紙」より。萬屋さんと美空ひばりさん。
「里見八犬伝」より。東千代之介さんと萬屋さん。
1955年「新諸国物語 紅孔雀 第二篇 呪いの魔笛」
「新諸国物語 紅孔雀 第三篇 月の白骨城」
「勢ぞろい喧嘩若衆」
「新諸国物語 紅孔雀 第四篇 剣盲浮寝丸」
「新諸国物語 紅孔雀 完結篇 廃墟の秘宝」
「越後獅子祭 やくざ若衆」
「青春航路 海の若人」
「あばれ纏千両肌」
「源義経」
「紅顔の若武者 織田信長」
「獅子丸一平」
「続獅子丸一平」
「あばれ振袖」
「新諸国物語」より。東千代之介さんと萬屋さん。
1956年「羅生門の妖鬼」
「晴姿一番纏」
「赤穂浪士 天の巻 地の巻」
「獅子丸一平 第三部」
「続源義経」
「悲恋 おかる勘平」
「異国物語 ヒマラヤの魔王」
「異国物語 ヒマラヤの魔王 双竜篇」
「異国物語 ヒマラヤの魔王 日月篇」
「薄雪太夫」より 怪談 千鳥ケ淵」
「青年安兵衛 紅だすき素浪人」
「危し!獅子丸一平」
「曽我兄弟 富士の夜襲」
「獅子丸一平 完結篇」
「新諸国物語 七つの誓い 黒水仙の巻」
「獅子丸一平」より。
1957年「新諸国物語 七つの誓い 奴隷船の巻」
「任侠清水港」
「新諸国物語 七つの誓い 凱旋歌の巻」
「青雲の鬼」
「雨の花笠」
「源氏九郎颯爽記 濡れ髪二刀流」
「隼人族の叛乱」
「大菩薩峠」
「水戸黄門」
「ゆうれい船 怒濤篇」
「ゆうれい船 後篇」
「恋風道中」
「任侠清水港」より。
1958年「任侠東海道」
「おしどり駕籠」
「江戸の名物男 一心太助 」
「源氏九郎颯爽記 白狐二刀流」
「大菩薩峠 第二部」
「清水港の名物男 遠州森の石松」
「殿さま弥次喜多 怪談道中」
「旗本退屈男」
「剣は知っていた 紅顔無双流」
「隠密七生記」
「一心太助 天下の一大事」
「浅間の暴れん坊」
「浅間の暴れん坊」より。
1959年「殿さま弥次喜多 捕物道中」
「忠臣蔵 桜花の巻 菊花の巻」
「美男城」
「お役者文七捕物暦 蜘蛛の巣屋敷」
「大菩薩峠 完結篇」
「独眼竜政宗」
「水戸黄門 天下の副将軍」
「血闘水滸伝 怒濤の対決」
「浪花の恋の物語」
「風雲児 織田信長」
「一心太助 男の中の男一匹」
「大菩薩峠 完結篇」より。
1960年「任侠中仙道」
「殿さま弥次喜多」
「弥太郎笠」
「暴れん坊兄弟」
「親鸞」
「水戸黄門」
「続親鸞」
「森の石松鬼より怖い」
「若き日の次郎長 東海の顔役」
「若き日の次郎長 東海の顔役」より。
1961年「家光と彦左と一心太助」
「江戸っ子奉行 天下を斬る男」
「赤穂浪士」
「宮本武蔵」
「若き日の次郎長 東海一の若親分」
「江戸っ子繁昌記」
「反逆児」
「宮本武蔵」より。
1962年「若き日の次郎長 東海道のつむじ風」
「瞼の母」
「源氏九郎颯爽記 秘剣揚羽の蝶」
「千姫と秀頼」
「ちいさこべ 第一部」
「ちいさこべ 第二部」
「次郎長と小天狗 殴り込み甲州路」
「宮本武蔵 般若坂の決斗」
「瞼の母」より。
1963年「勢揃い東海道」
「一心太助 男一匹道中記」
「武士道残酷物語」
「真田風雲録」
「宮本武蔵 二刀流開眼」
「関の弥太ッぺ」
1964年「宮本武蔵 一乗寺の決斗」
「鮫」
「日本侠客伝」
「仇討」
「一心太助 男一匹道中記」より。
1965年「徳川家康」
「冷飯とおさんとちゃん」
「股旅三人やくざ」
「宮本武蔵 巌流島の決斗」
「花と龍」
1966年「続花と龍 洞海湾の決斗」
「沓掛時次郎 遊侠一匹」
「丹下左膳 飛燕居合斬り」
1968年「祇園祭」
「丹下左膳 飛燕居合斬り」より。
1969年「風林火山」
「御用金」
「尻啖え孫市」
「地獄変」
「新選組」
1970年「幕末」
「待ち伏せ」
「商魂一代 天下の暴れん坊」
1971年「真剣勝負」
「暁の挑戦」
「暁の挑戦」より。若林豪さん(左)と萬屋さん(右)。
1978年「柳生一族の陰謀」
「赤穂城断絶」
1979年「日蓮」
「真田幸村の謀略」
1980年「徳川一族の崩壊」
1981年「ちゃんばらグラフィティー 斬る!」
「仕掛人梅安」
1985年「最後の博徒」
1989年「千利休 本覺坊遺文」
「千利休 本覺坊遺文」より。
出演作品(テレビドラマ)
テレビドラマでは、
1966年「暗闇の丑松」
「いのち」
「泣いてたまるか」
「真田幸村」
1968年「江戸一番の大泥棒」
1969年「魔像十七の首」
「真田幸村」より。
1971年 NHK大河ドラマ「春の坂道」
「大忠臣蔵」
1972年「さすらいの狼」
1973年「長谷川伸シリーズ」第15、16話、第26話
「弥太郎笠」
「子連れ狼」
「子連れ狼」より。
1974年「破れ傘刀舟悪人狩り」
1975年「長崎犯科帳」
1977年「破れ奉行」
1978年「柳生一族の陰謀」
「破れ新九郎」
1979年「赤穂浪士」
「柳生一族の陰謀」より。
1980年「鬼平犯科帳」
1981年「それからの武蔵」
1982年「竜馬がゆく」
「日本犯科帳・隠密奉行」
「宿命剣 鬼走り」
「柳生新陰流」
「お春捕物日記〜危うし!大岡越前」
「柳生新陰流」より。
1984年「時代劇スペシャル 子連れ狼」
「弐十手物語」
「武蔵坊弁慶」
1987年「ばら色の人生」
「田原坂」
「銭形平次」
1989年「赤ひげ」
「銭形平次」より。風間杜夫さん(左)と萬屋さん(右)。
1990年「柳生武芸帳」
「名奉行 遠山の金さんスペシャル『江戸は燃えているか!加賀百万石の陰謀』」
1991年「若さま侍捕物帖」
「雲霧仁左衛門」
1992年「御金蔵破り」
1993年「四匹の用心棒」
「雲霧仁左衛門」より。
1994年 NHK大河ドラマ「花の乱」
「大忠臣蔵」
1995年「鬼麿斬人剣」
1996年「文吾捕物絵図 張り込み」
「カンパニー」
「大忠臣蔵」より。
ほか、非常に多くの作品に出演されています。
仮面ライダーへの出演を東映に依頼していた
ところで、これだけの作品に出演され、トップスターとして君臨された萬屋さんですが、息子さんたちが幼い頃には、
父ちゃんは偉い役者だって言うけど、仮面ライダーに出てないじゃないか!
と、言われ、本気で「仮面ライダー」への出演を「東映」に依頼していたそうです。
ただ、当時は、萬屋さんのような大物俳優が特撮番組に出演することはありえないことだったため、萬屋さんの希望は叶わず、
萬屋さんは、「仮面ライダー」で「地獄大使」役を演じていた、友人の俳優・潮健児さんに頼み、「地獄大使」の衣装で自宅に来てもらったことがあったそうで、大スターの萬屋さんも、うちに帰れば、ただの子煩悩のお父さんだったようです♪
「地獄大使」に扮する潮健児さん。
さて、いかがでしたでしょうか?
萬屋さんの、
- 年齢は?出身は?身長は?本名は?
- 長兄は二代目中村歌昇
- 次兄は四代目中村時蔵
- 三兄は初代中村獅童
- 弟は俳優の中村嘉葎雄
- 家系図
- 父親は立女形、母親は売れっ子芸妓
- 叔父・初代中村吉右衛門に目をかけられる
- 十五代目市村羽左衛門に可愛がられる
- 十五代目市村羽左衛門との思い出
- 幼少期から進んで歌舞伎役者への道を邁進
- 歌舞伎のため疎開を拒み東京に残る
- 心細さを堪え歌舞伎の稽古を続ける毎日
- 空襲で三河台から世田谷へ引っ越しするも・・・
- 空襲の恐怖に耐える日々
- 東京大空襲
- 東京大空襲で家が全焼するも家族は全員無事
- 新橋演舞場と歌舞伎座が全焼し落胆
- 東千代之介(若和田孝之)と再会
- 東千代之介(若和田孝之)は2人の兄の友人だった
- 東千代之介(若和田孝之)は生徒に人気の教師だった
- 東千代之介(若和田孝之)と歌舞伎の芝居を企画していた
- 東千代之介(若和田孝之)との別れ
- 敗戦で一家団らんを取り戻す
- 女形の歌舞伎役者として頭角を表すも・・・
- 美空ひばり主演の映画に出演を打診される
- 歌舞伎界で美空ひばりは蔑視されていた
- 美空ひばりの相手役オファーを承諾
- 福島通人社長に気に入られていた
- 映画に出演できることに感激していた
- 両親も映画出演を承諾
- 美空ひばりに気に入られていた
- 美空ひばりが新人俳優の萬屋錦之介の楽屋を表敬訪問していた
- 美空ひばりの映画出演に歌舞伎界から非難が上がっていた
- 歌舞伎役者をあきらめ映画俳優になることを決意
- 松竹の冷酷な仕打ちに憤激して映画界入りしていた
- 家族のバックアップを受けて映画界へ
- 「ひよどり草紙」で美空ひばりの相手役として映画デビュー
- 撮影初日で監督やスタッフの気持ちを掴んでいた
- 「笛吹童子」が大ヒット
- 美空ひばりとのコンビで東映の救世主に
- 殺人的なスケジュールで時代劇スターに
- 「宮本武蔵」
- 俳優労働組合の代表に~東映を退社
- テレビ業界に転身~「柳生一族の陰謀」が大ヒット
- 深作欣二監督と軋轢が生じていた
- 歌舞伎調の台詞回しで大ヒット
- 初対面の印象は最悪だった
- すぐに美空ひばりと打ち解けていた
- 美空ひばりと相思相愛だった
- 美空ひばりの最期まで続いた深い絆
- 有馬稲子との馴れ初めは?
- 超豪華な結婚式
- 離婚理由は?
- 有馬稲子と二人きりの食事は一度もなし
- 女優・淡路恵子と再婚
- 淡路恵子が歌舞伎座のチケットを1万枚売りさばいていた
- 結婚後は淡路恵子が営業マン
- 淡路恵子は自ら進んで萬屋錦之介に尽くしていた?
- 事務所倒産~重症筋無力症~胸腺腫摘出手術
- 甲にしき(小川甲子)と不倫で淡路恵子と離婚
- 甲にしき(小川甲子)と再々婚するも難病に
- 三男(実子)が事故死
- 死因は?
- 四男(実子)は自殺
- 出演作品(映画)
- 出演作品(テレビドラマ)
- 仮面ライダーへの出演を東映に依頼していた
について、まとめてみました。
映画・テレビドラマともにトップスターにまで登りつめ、女性にも大変モテるも、晩年は、健康面と経済面の両方で苦しんだうえ、実子には先立たれるという不幸の中、他界された萬屋さん。
悲し過ぎる気もしますが、それもまた、伝説のスターと語り継がれる所以なのかもしれません。
萬屋さんのご冥福を心よりお祈り申し上げます。
「萬屋錦之介の家系図は?弟は中村嘉葎雄ほか兄弟縁戚が凄い!」