かねてから、「8時だョ！全員集合」のコントが好きだったことから、周囲の反対を押し切り、同番組で志村けんさんと初コントをされた、沢田研二（さわだ けんじ）さんですが、初めてのコントで大ウケすると、以降、志村さんを信頼し、何十回も志村さんとコントで共演されています。
「沢田研二の前座を志村けんが？｢8時だョ全員集合｣でコント共演も！」からの続き
ダメな付き人役でコントデビュー
こうして、「8時だョ！全員集合」に出演した沢田さんは、大スターに扮し、ふんぞり返って、「おい! お茶!」と言う志村さんに対し、「買ってきました!」と言いながら、妙な飲み物を持ってくる、ダメな付き人役だったのですが、
沢田さんが、舞台上で少しよろけただけで、客席に詰めかけた女性ファンから、「キャー!」という大絶叫が起こり、そんな沢田さんが、志村さん相手にドジをする度にお客さんは大ウケしたそうで、
この経験から、沢田さんは、
志村さんの作ったコントなら大丈夫
と、志村さんに絶大な信頼を寄せるようになっていったといいます。
（コントの大部分の台本は志村さんが手がけられていたそうですが、志村さんは、沢田さんのマネージャーやファンの反感を買わないように、どのようにやっても沢田さんがウケるように、考え抜いてコントを作られていたそうです）
「合わせ鏡」や「ヒゲダンス」も
そして、その後も、沢田さんは、
スターに扮し、大きな鏡の前を通ると、同じ格好をした志村さんが鏡の向こうに現れ、お互い、「うん？」という顔をした後、ラジオ体操をしたり、ボールをバウンドさせたり、傘を開いたりするものの、鏡の向こうの志村さんの動作が少しズレているところがおかしい「合わせ鏡のコント」や、
志村さんを妻に迎える「夫婦コント」など、数々のコントを志村さんとされるほか、小学生に大人気の「ヒゲダンス」にも真摯に取り組むなど、アイドルとしてではない、新たな魅力を開花していったのでした。
「合わせ鏡」のコントで、かなり思い切ったことをされている沢田さん。（左は志村けんさん。）
志村けんを信頼して真摯にコントに取り組んでいた
実際、「8時だョ!全員集合」に、放送作家として参加していた田村隆氏は、
（番組にくるゲストの中には、しぶしぶコントに参加する歌手もいたが）沢田君は“全部お任せします”と。たしかに気難しいところもあるし口数は多くなかったですが、とてもやりやすかったですよ
台本にないアドリブを勝手にやっちゃう目立ちたがりのゲストもいて（苦笑）。そうするとこっちの計算が狂っちゃうんだけれど、沢田君はしなかった。
志村自身も非常に気難しい男。普段はわりと寡黙でしゃべりもあまり面白くないんだけど、そういう部分も沢田君と相通じるものがあったのかも。
２人をよく知る某芸能関係者も、
驚きましたよ。台本チェックの厳しさやリハーサルの細かさで有名だったジュリーが、志村さんとのコントだけは、すべてお任せだったんです。
志村さんが決めてくれるから大丈夫、と信頼しきりでした。リハーサルをやらないし、アドリブもたくさんあって、とにかく“ライブ”を大事にする意識を2人ともが持っていました。
ジャンルは違うけど、目の前のお客さんを喜ばせたい、という思いひとつで共鳴し合ったのでしょう。プロ同士、舞台上では激しくやり合っていましたね。
と、沢田さんが志村さんを信頼して、真摯にコントに取り組んでいたことを明かしており、
最終的には、沢田さんの「8時だョ！全員集合」出演回数は、歴代３位となる６８回にも及んだそうです。
