新型コロナウイルスによる肺炎のため、2020年3月29日に亡くなった志村けんさんの後を引き継ぎ、山田洋次監督作品「キネマの神様」で志村さんの代役を務めることになった、沢田研二(さわだ けんじ)さん。今回は、なぜ沢田さんに白羽の矢が立ったのかなどについてご紹介します。

「沢田研二は観客が少ないことに怒りコンサートをドタキャンしていた!」からの続き

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「キネマの神様」で志村けんの代役に決定

山田洋次監督の最新作で、松竹映画100周年記念作品である「キネマの神様」は、当初、志村けんさんと菅田将暉さんがダブル主演を務める予定だったのですが、志村さんが、2020年3月29日、新型コロナウイルスによる肺炎のため他界。

そのため、この映画はお蔵入りになるかとも思われたのですが、2020年5月15日、沢田さんが志村さんの代役を務めることが発表されました。

これを受け、沢田さんは、

志村さんの、お気持ちを抱き締め、やり遂げる覚悟です

志村さんが所属していた「イザワオフィス」の代表取締役社長・井澤健氏は、

志村けんも大変喜んでいると思います。作品の完成を心待ちにしております

と、コメントされています。

志村けんの代役オファーは山田洋次監督から直々に受けていた

ところで、なぜ、この「キネマの神様」の志村さんの代役に、沢田さんに白羽の矢が立ったのでしょうか。

実は、もともと、2020年1月に、原田マハさんの同名小説「キネマの神様」の映画化が発表されると、撮影は3月1日に開始し、物語は、過去パートと現在パートに分かれていたことから、3月末に過去パートの撮影は終了し、4月から現在パートの撮影に入ろうとしていたのですが、

その矢先に、志村さんが他界、そして、追い打ちをかけるように、日本政府によるコロナウィルスの緊急事態宣言と、撮影は長期中断を余儀なくされてしまったそうで、製作は完全にストップ。当初は、志村さんの代役も簡単には見つからないだろうと言われていたのだそうです。

しかし、そんな中でも、山田監督はじめ、スタッフたちが、

作品を完成させることが、志村さんへの一番の供養になる

と信じ、撮影が再開できる日を想像していたそうで、

房俊介プロデューサーによると、

兼ねてから志村さんと縁が深い沢田研二さんは、誰よりも志村さんの想いを抱きしめ、取り組んでいただけると思います。

かつて「男はつらいよ」でご一緒した山田監督は、「志村さんとは違うゴウちゃん。沢田研二さんならば、別なゴウちゃんの魅力を引き出してくれると確信しています」と仰っております

と、沢田さんと志村さんの深い関係を知っていた山田監督が、自ら、沢田さんに志村さんが演じる予定だった主人公・ゴウの代役をオファーされたのだそうです。

(沢田さんにとって、14年ぶりの映画出演で、山田監督作品へは、「男はつらいよ 花も嵐も寅次郎」(1982)以来、実に38年ぶりの出演なのだそうです)

志村けんとの出会い

実際、沢田さんと志村さんの親交は50年にも及んでいたそうで、お二人はもともと、約50年前、所属していた同じ芸能事務所の先輩と後輩という間柄だったそうです。(沢田さんの方が志村さんより1歳年上)

そして、1972年、ソロデビュー後の沢田さんの前座を、当時「マックボンボン」というお笑いコンビを組んでいた志村さんが務めたことがきっかけで知り合われたそうですが、

かたや、沢田さんが、「ザ・タイガース」のヴォーカルとして、グループサウンズブームを牽引するなど、この時、すでに大スターとしての地位を確立されていたのに対し、

志村さんは、まだ、駆け出しのコメディアンで、その差は天と地ほどもあったそうです。

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周囲の反対を押し切り「8時だョ!全員集合」でコントしていた

そして、その後、志村さんは、「ザ・ドリフターズ」に正式に加入し、「8時だョ!全員集合」に出演するようになるのですが、

沢田さんは、「8時だョ!全員集合」のコントを見て大笑いするなど、この番組のファンだったそうで、それが「ザ・ドリフターズ」のメンバーの耳にも入り、それなら、コントをやってもらおうと、沢田さんにオファーを出されたそうです。

ただ、当時、「8時だョ!全員集合」に呼ばれるゲストは、「人気を出すため」「新人歌手の新曲プロモーション」など、番組プロデューサーと事務所の意向で決まっていたそうで、沢田さんの関係者は、当時、大スターだった沢田さんに、「お笑いななんかやらせられるか!」と、沢田さんの出演に難色。

それでも、沢田さんは、その反対を押し切って、「ザ・ドリフターズ」とコントをされたのでした。(しかも、沢田さんの役柄はドジな付き人役)

「沢田研二は志村けんのダメな付き人役でコントデビューしていた!」に続く

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