映画「男はつらいよ」シリーズでブレイクすると、その後も、「幸福の黄色いハンカチ」「遙かなる山の呼び声」「息子」「学校」シリーズ、「釣りバカ日誌」シリーズなど、次々とヒットを飛ばし、以降、60年以上もの間、映画を撮り続けている、山田洋次(やまだ ようじ)さん。
今回は、そんな山田洋次さんの、若い頃から現在までの監督作品や経歴をデビューから時系列でまとめてみました。
「山田洋次監督の生い立ちは?幼少期は満洲!敗戦後はソ連軍の将校に家を追い出されていた!」からの続き
山田洋次は30歳の時に中篇映画「二階の他人」で監督デビュー
山田洋次さんは、1954年、22歳の時に松竹に補欠入社すると、野村芳太郎監督の下で助監督や脚本を務めたそうで、野村芳太郎監督の推薦で監督に昇進すると、1961年、30歳の時には、SP(シスター・ピクチャー)と呼ばれた中篇映画「二階の他人」で監督デビューを果たしたそうです。
(ただ、会社の評価は低かったそうです)
「二階の他人」より。
山田洋次は32歳の時に初の長編映画「下町の太陽」を発表するも会社の評価は低かった
そして、1963年、32歳の時には、初の長編映画「下町の太陽」を発表したそうですが・・・
やはり、前作の「二階の他人」同様、会社の評価は低かったそうです。
「下町の太陽」より。倍賞千恵子さんと勝呂誉さん。
山田洋次は33歳の時にハナ肇主演の「馬鹿まるだし」が大ヒット
しかし、1964年、33歳の時、ハナ肇さん主演の「馬鹿まるだし」を発表すると、映画はヒットを記録し、
以降、同年には、
- 「いいかげん馬鹿」
- 「馬鹿が戦車でやって来る」
と、シリーズ化されたのでした。
「馬鹿まるだし」より。ハナ肇さんと桑野みゆきさん。
山田洋次は35歳~38歳の時にハナ肇とタッグを組んだコメディ映画「なつかしい風来坊」「一発」シリーズがヒット
その後も、山田洋次さんは、ハナ肇さんとタッグを組み、
- 1966年(35歳)「なつかしい風来坊」
- 1967年(36歳)「喜劇 一発勝負」
- 1968年(37歳)「ハナ肇の一発大冒険」
- 1968年(38歳)「喜劇 一発大必勝」
など、次々と発表すると、映画はいずれもヒットを記録したそうで、
ようやく、松竹喜劇の一翼を担う映画監督として認められたのだそうです。
「なつかしい風来坊」より。倍賞千恵子さんとハナ肇さん。
山田洋次は38歳の時に渥美清主演の映画「男はつらいよ」が大ヒット
そして、1969年、38歳の時には、渥美清さん主演の映画「男はつらいよ」を発表すると、映画は大ヒットを記録して、シリーズ化され、
渥美清さんが1996年に他界されるまで、ギネスブックに載る長寿シリーズとなったのでした。
(山田洋次さんは、シリーズ全48作のうちの(再編集特別編以外の)46本で監督を務めています)
「男はつらいよ」より。渥美清さんと岸惠子さん。
山田洋次は30代~60代の時に「家族」「幸福の黄色いハンカチ」「キネマの天地」「息子」「学校」で松竹の屋台骨を支える存在
そんな山田洋次さんは、その後も、「男はつらいよ」シリーズと並行して、
- 1970年(39歳)「家族」
- 1977年(46歳)「幸福の黄色いハンカチ」
「幸福の黄色いハンカチ」より。(左から)高倉健さん、桃井かおりさん、武田鉄矢さん。 - 1986年(55歳)「キネマの天地」
「キネマの天地」より。有森也実さんと中井貴一さん。 - 1991年(60歳)「息子」
「息子」より。永瀬正敏さんと和久井映見さん。 - 1993年~2000年(62歳~69歳)「学校」シリーズ
「学校」より。
などの悲喜劇を手掛け、松竹の屋台骨を支える存在となっています。
山田洋次は57歳の時に「釣りバカ日誌」が大ヒットを記録
また、山田洋次さんは、1988年、57歳の時には、釣りが好きなハマちゃん(西田敏行さん)とスーさん(三國連太郎さん)が繰り広げるドタバタコメディ映画「釣りバカ日誌」を発表すると、映画は大ヒットを記録し、
以降、この映画は22年に渡り、全22作品が制作される人気シリーズとなっています。
「釣りバカ日誌」より。
山田洋次は71歳の時に「たそがれ清兵衛」が第26回日本アカデミー賞の全部門で優秀賞を受賞
そんな山田洋次さんの創作意欲は、2000年に大船撮影所が閉鎖されてからも衰えず、2002年、71歳の時には、藤沢周平さんの同名小説を原作とする映画「たそがれ清兵衛」を発表すると、
映画はヒットを記録し、第26回日本アカデミー賞の全部門で優秀賞を受賞するほか、助演女優賞を除く全ての部門で最優秀賞を獲得。
また、第76回アカデミー賞外国語映画部門にもノミネートされたのでした。
ちなみに、この映画は、他の時代劇では無視され続けてきた、位の低い武士の苦悩を描いており、時代考証に徹底してこだわったことから、構想に10年がかかったといいます。
山田洋次は73歳の時に「隠し剣 鬼の爪」が第7回ジンバブエ国際映画祭最優秀作品賞を受賞
そして、2004年、73歳の時には、再び、藤沢周平さんの同名短編小説を原作とする映画「隠し剣 鬼の爪」を発表すると、第7回ジンバブエ国際映画祭最優秀作品賞を受賞しています。
山田洋次は77歳の時に第32回日本アカデミー賞優秀作品賞・優秀監督賞・優秀脚本賞を受賞
また、山田洋次さんは、2008年、77歳の時には、映画「母べえ」を発表すると、第32回日本アカデミー賞優秀作品賞・優秀監督賞・優秀脚本賞を受賞しています。
「母べえ」より。(左から)佐藤未来さん、吉永小百合さん、志田未来さん。
山田洋次は84歳の時に「母と暮せば」が第39回日本アカデミー賞優秀作品賞・優秀脚本賞を受賞
さらに、山田洋次さんは、2015年、84歳の時には、「母と暮せば」を発表すると、第39回日本アカデミー賞優秀作品賞・優秀脚本賞を受賞しています。
「母と暮せば」より。二宮和也さんと吉永小百合さん。
山田洋次は91歳の時に90本目となる監督作品「こんにちは、母さん」を発表
そんな山田洋次さんは、2023年には、91歳にして、90本目となる監督作品「こんにちは、母さん」を発表しています。
「こんにちは、母さん」より。(左から)大泉洋さん、吉永小百合さん、永野芽郁さん。
「山田洋次監督の妻は近代女性史の研究家!子供は娘が2人で次女は山田亜樹!」に続く
ハナ肇さんを主演に据えたコメディ作品を次々と発表して徐々に評価を高めると、その後、「男はつらいよ」シリーズ、「息子」「母べえ」「おとうと」「東京家族」「母と暮せば」など、家族を題材にした作品を数多く発表した、山田洋次(や …