1961年秋、美空ひばりさんと雑誌の対談で知り合うと、美空さんの猛アプローチで、あれよあれよと、結婚まで進んだ、小林旭(こばやし あきら)さんですが、美空さんとの結婚生活は長くは続きませんでした。
「小林旭は昔美空ひばりと結婚していた!」からの続き
新婚旅行で美空ひばりが自殺未遂
小林さんと美空ひばりさんは、結婚式を終えると、そのまま5泊6日の予定で、熱海に新婚旅行に出かけたそうですが、
実は、その日(挙式当日)、自動車販売会社のセールスマンが、式場に新しい「ジャガー」を届けに来たうえ、代金を請求してきたそうで、
美空さんの事務所関係者が驚いて問い詰めたところ、セールスマンは、
小林旭さんに言いつけられた
と、言ったそうです。
このことを、新婚旅行先の熱海で知った美空さんは、小林さんに尋ねたそうですが、
なんと、小林さんは、
新しいジャガーで新婚旅行に行きたいし、お金はご祝儀が集まってるだろう
と、あっけらかんと答えたそうで、美空さんは、そんな小林さんの非常識さにカンカン。
お二人は、新婚初夜そうそう、言い争いになると、どちらも折れず、激しい口論となったそうで、挙句の果てには、美空さんが、小林さんが投げつけて割れたグラスの破片を持ち、
死んでやる!
と、発作的に自分の右手首を切ったのだそうです。
(美空さんの右手首の傷は、約10センチの裂傷とかなり深く、地元の医師の治療を受けたそうですが、当時、この一件は、ごく親しい関係者の間で内密にされたそうです)
美空ひばりに恋愛感情を抱くようになるも・・・
こうして、ヤクザに脅され、断り切れずに結婚したうえ、新婚旅行先で新妻に自殺未遂まで起こされた小林さんですが・・・
それでも、
ひばりとのことは俺の気持ちにはおかまいなしに進んだから、このままいっていいのかなぁと迷ったことは事実だよ。ただ、一緒に暮らすようになって、ひばりに対していつしか「好き」という感情が湧いてきたのも確かなんだ。
あの忙しい彼女がエプロン着けて料理本を見ながら、俺の好きな肉料理、1キロ分のローストビーフとか作ってくれた。天下のひばりも俺の前では一人の女性になろうとした。だから「かわいいやつだなぁ」とだんだんそんな感情が育ってきたんだな
(結婚生活では)ひばりは懸命に良き妻を演じようとし、女としては最高だった。
と、良い奥さんになろうと頑張る美空さんに対して、次第に恋愛感情が沸いてきて、籍を入れたいと思い始めたそうです。
小林さんと美空ひばりさん。
山口組組長・田岡一雄の脅しで美空ひばりと離婚
ただ、
加藤和枝(美空さんの本名)は嫁に出すけど、美空ひばりはやらないよ
が口癖で、この結婚を良く思っていなかった美空さんのお母さんに、何かと振り回されてままならなくなったほか、
結婚当初、仕事をセーブしていた美空さんが、歌うことへの未練を断ち切れず、徐々に仕事を再開したことで、二人のすれ違いが多くなっていくと、
そんな中、再び、山口組組長・田岡一雄氏が小林さんの元にやって来て、今度は、
おまえと一緒にいることが、ひばりにとって解放されていないことになるんだから、別れてやれや。
と、言ったそうで、またしても、小林さんは、逆らうことができず、1964年には事実婚を解消。
その後、お二人は、別々に記者会見を開かれているのですが、
小林さんは、記者会見の席で、
本人同士が話し合わないで別れるのは心残りだが、和枝(美空さんの本名)が僕と結婚しているより、芸術と結婚したほうが幸せになれるのなら、と思って、理解離婚に踏み切った。
未練はいっぱいある。皆さんの前で泣きたいくらいだ。
と、この離婚が不本意だったことを明かされています。
そして、2014年のインタビューでは、
言葉ではうまく言い表せないけど、ひばり一家には世間の常識にはない「ひばり一家の方程式」なるものがあったんだよ
とも、語っておられます。
美空ひばりさんと小林さん。