1984年、夫・伊丹十三監督に映画「お葬式」の主演に起用されたことで、一躍ブレイクすると、以降、すべての伊丹作品に出演した、宮本信子(みやもと のぶこ)さんですが、今回は、そんな宮本さんと伊丹さんの馴れ初めをご紹介します。
「宮本信子は「あまちゃん」に出演しつつ母親の介護もしていた!」からの続き
宮本信子の夫は映画監督の伊丹十三
宮本さんは、1969年、映画監督の伊丹十三(いたみ じゅうぞう)さんと結婚しています。
お二人は、1965年、NHKのテレビドラマ「あしたの家族」での共演で知り合ったそうですが、当時、宮本さんがまだ名古屋から上京したばかりの駆け出しの女優だったのに対し、伊丹さんは海外映画にも進出するベテラン俳優だったそうです。
しかも、伊丹さんは、同じ頃、ヨーロッパに長期滞在した体験を綴ったエッセイ「ヨーロッパ退屈日記」を出版するなど、時代の最先端を走っており、
宮本さんは、そんな伊丹さんの第一印象を、
最初に感じたのは、今まで逢ったことがない別世界のすごい人。一つ言葉を選ぶなら「異質」。私も幼かったからそれ以外の言葉が見つからないくらい、周りとは明らかに違いましたね。
だって、キャメルのオーバーコートに革の手袋をして、愛車のロータス・エランでテレビ局に来ていました。当時、そんなお洒落な方を知りませんし、カルチャーショックを受けました。素敵でカッコいいんです。
しかも外国生活の習慣なのでしょうね。普通に昼食ではビールやワインを飲んで・・・もうびっくりでした。当時は、仕事中に飲むなんて不謹慎者でしたもの。
みなさん眉をひそめていらしたと思います。今ならお昼からビールを飲む方を見かけますからね。時代が変わりましたね
と、語っています。
宮本信子は伊丹十三に頻繁にお茶に誘われていたが断っていた
一方、伊丹さんも、宮本さんを気に入っていたようで、NHKのディレクターと、どちらが先に宮本さんをお茶に誘えるか、賭けをしていたそうで、
宮本さんは、直感で、
絶対にこの人は危険だ
と、思ったそうで、
伊丹さんの誘いには簡単には乗らず、「お茶だけだよ?」と誘われるたびに、
お茶はちょっと・・・
門限がありますから
などと、断っていたのだそうです。
宮本信子は伊丹十三と交際中は毎日デートしていた
ただ、ずっと断り続けているのも失礼なのではと思うようになり、ある日、渋々ながら伊丹さんの誘いに乗ると、NHKの仕事の合間に、伊丹さんの愛車「ロータス エラン」に乗せられ、昼食とお茶をごちそうになったそうで、
結局、これが伊丹さんとの初デートとなり、やがて、交際に発展し、毎日おいしいものを食べに連れて行ってもらったそうですが、
今夜はどこに連れて行かれるのかと思ったら銀座のクラブなんです。綺麗な女性がたくさんいらして、華やかな世界で。伊丹さん、シャンパンを空けてくれました。
私はおさげ姿(笑)。どうして連れてこられたのかと思いながらずっと俯(うつむ)いていました
と、華やかな雰囲気に気遅れしてしまったこともあったそうで、
この時は、まさか伊丹さんと結婚するとは夢にも思っていなかったのだそうです。