舞台出演のかたわら、B級映画など作品自体の評価はそれほど高くない映画で存在感を放ち、映画界でも徐々にその名が知られるようになっていった、ロバート・デ・ニーロ(Robert De Niro)さんは、1973年には、マーティン・スコセッシ監督の「ミーン・ストリート」で「全米映画批評家協会賞助演男優賞」、1974年には、フランシス・フォード・コッポラ監督の「ゴッド・ファーザーPART2」で「アカデミー賞助演男優賞」を受賞し、ついに晴れ舞台に登場します。
「ロバート・デ・ニーロは若い頃B級映画での演技も高く評価されていた!」からの続き
映画監督マーティン・スコセッシと再会
映画界でも、徐々に知られるようになっていった、デ・ニーロさんですが、1971年(28歳)のクリスマスの夜、作家のジェイ・コックスさんが開催したクリスマスパーティで、映画監督のマーティン・スコセッシさんと、久しぶりに再会すると、
(スコセッシさんとは、少年の頃、リトル・イタリーのストリートで会って以来で、お互いの近況も知らず、スコセッシさんは、デ・ニーロさんの出演映画もまったく観たことがなかったそうです)
久しぶりの再会を喜び、意気投合した二人は、一緒に映画を作ろうと、スコセッシさんが企画途中だった映画に、デ・ニーロさんが出演することになります。
「ミーン・ストリート」で「全米映画批評家協会賞助演男優賞」を受賞
こうして、1973年、デ・ニーロさんは、リトル・イタリーの若者をドキュメンタリータッチでリアルに描いた、スコセッシさんの自伝的作品「ミーン・ストリート」で、無軌道な若者ジョニー・ボーイ役を演じると、
たちまち注目を集め、「全米映画批評家協会賞助演男優賞」を受賞します。
(この「ミーン・ストリート」は、スコセッシ監督の長編第一作目)
「ミーン・ストリート」より。
「ゴッドファーザーPART2」でブレイク
そして、デ・ニーロさんは、翌年の1974年には、フランシス・フォード・コッポラ監督作品「ゴッド・ファーザーPART2」で、名もない移民からニューヨークのリトル・イタリーを牛耳る「ゴッドファーザー」にまで成り上がる、ドン・ヴィトー・コルレオーネの若き日を演じ、「アカデミー賞助演男優賞」を受賞する快挙を遂げるのですが、
「ゴッドファーザー PART2」より。
実は、デ・ニーロさんは、1972年公開の前作「ゴッド・ファーザー」では、ヴィトー・コルレオーネの息子達である、ソニー役やマイケル役のオーディションを受けるも、役のイメージとは合わず、残念ながら落選しており、
かねてからデ・ニーロさんの存在感や演技力を高く評価していたコッポラ監督が、その後、マーティン・スコセッシ監督作品「ミーン・ストリート」でのデ・ニーロさんの演技を見て、デ・ニーロさんこそ、ヴィトー・コルレオーネの青年期を演じるのにふさわしい俳優だと確信。続編である「ゴッド・ファーザーPART2」で、デ・ニーロさんを若きヴィトー・コルレオーネ役に抜擢していたのでした。
ちなみに、デ・ニーロさんは、これまで同様、徹底的な役作りをしようと、ヴィトー・コルレオーネを演じるために、わざわざシチリアまで行き、シチリアなまりのイタリア語をマスターするほか、
晩年のヴィトー役を演じる、マーロン・ブランドさんのしゃがれた声を真似ようと懸命に練習したそうで、「アカデミー助演男優賞」受賞は、そのたゆまぬ努力の賜物だったのでした。
「ロバート・デ・ニーロは1ヶ月1日15時間「タクシードライバー」をしていた!」に続く