嫌々ながらも、プロレス実況を続けられたのは、先輩の清水アナが素晴らしいアナウンサーだったことと、ジャイアント馬場さんが魅力的な人だったことが大きかったと語っていた、徳光和夫(とくみつ かずお)さんは、馬場さんを本気で怒らせたこともあったそうですが、魅力あふれる馬場さんと触れ合ううちに、嫌いだったプロレスもだんだん好きになっていったといいます。

「徳光和夫はジャイアント馬場の魅力でプロレス実況を続けられていた!」からの続き

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ジャイアント馬場は周囲に迷惑がかからないよう撮った写真を見て絵を描いていた

徳光さんは、馬場さんが「日本プロレス」時代には、取材のため巡業に同行すると、馬場さんの宿泊先の旅館でよく麻雀を一緒にしたそうですが、

馬場さんは、麻雀以外にも、時間を見つけては景色のいいところに出向いて写真を撮り、その風景写真を元に絵を描いていたそうです。

(馬場さんは、本当は、写真を撮るのではなく、その場所にキャンパスを立てて絵を描きたかったそうですが、目立ってしまい、人が集まってきて、いろいろな人に迷惑をかけてしまう恐れがあるため、やむを得ず、写真だけを撮りに車を走らせていたそうで、その風景は、美しい山の連なりや断崖絶壁に波打つ波濤など、雄大な景色を好んだそうです)

ジャイアント馬場を怒らせたことがあった

しかも、馬場さんの描く絵はとても素晴らしかったそうで、徳光さんが、そのことを、当時、伊勢丹に務めていた自身の実弟に言うと、弟さんからは、伊勢丹で個展を開けないかと言われたことから、徳光さんは馬場さんに交渉したそうですが、馬場さんは承諾しなかったそうで、しばらくして再び交渉すると、

馬場さんには、

絵に関しては素人の俺が個展を開いてしまったら、プロの画家のみなさんに失礼になる。そんなことできるわけがない

と、怒られたといいます。

(一般的には、せっかくの機会だからと個展を開くところ、馬場さんは、素人が周りにデコレーションを付けてプロらしく見せることを最も嫌っており、それが、礼儀でもあると考えていたそうです)

ジャイアント馬場から人と人との距離感について諭されていた

実は、2回目の交渉の時には、

人の心の中に土足で上がり込んじゃダメなんだ。常に相手との距離を持つ。それはアナウンサーとして大切にしなければいけないことだよ

とも、しみじみ言われたそうで、

その瞬間、徳光さんはハッとし、反省したそうで、先輩のアナウンサーから言われるよりも衝撃的で、胸に響いたのだそうです。

ジャイアント馬場から親しい人ほど気配りするよう教えられた

また、別の機会には、

徳ちゃんの仕事も同じだろうけれども、親しきなかにも礼儀ありって、これはホントにいい言葉だ、深い。特にホントに親しいと思っている相手には気を配ったほうがいい

とも、言われたことがあったそうで、

今でも、徳光さんはこの言葉が忘れられず、インタビューをする時には、なるべく相手がいい気持ちになって、もう一度この番組だったら出てみたいと思ってもらえるように心がけているそうです。

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ジャイアント馬場と触れ合ううちにプロレスが好きになっていった

これら以外にも、徳光さんは、馬場さんから、人と人との付き合いの中で大事にしなければいけないことを、麻雀をしながら、いろいろと教えてもらったそうで、

後に、徳光さんは、

(プロレス担当が嫌で嫌でたまらなかった)そんな私を救ってくれたのがジャイアント馬場さん。馬場さんは元巨人のピッチャーで長嶋さんの同僚。

巡業旅で馬場さんが時々ぽろりと苦労話をしてくれることがあって、自分の境遇に重ねてしまい、それから馬場さんを通じてプロレスが大好きになったんです。

と、人間味あふれる馬場さんと触れるうちに、嫌いだったプロレスがだんだん好きになっていったことを明かしています。

「徳光和夫が日本テレビを退社した理由とは?」に続く

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