1965年、いかりや長介さん、仲本工事さん、荒井注さん、加藤茶さんとともに、「ザ・ドリフターズ」として活動をスタートした、高木ブー(たかぎ ぶー)さんは、翌年の1966年には、「ビートルズ」初来日公演で、2日間、前座を務めたといいます。

「高木ブーがいかりや長介にスカウトされた理由は「見た目」だった!」からの続き

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「ザ・ドリフターズ」で「ビートルズ」初来日公演の前座を務めていた

新体制の5人で「ザ・ドリフターズ」をスタートして1年半ほど経った頃、「ビートルズ」が初来日公演をすることになり、1966年6月30日と7月1日の2日間、高木さんたち「ザ・ドリフターズ」は、公演の前座として、「ロング・トール・サリー(Long Tall Sally)」(邦題:のっぽのサリー)を演奏しているのですが、

(「ビートルズの前座には、尾藤イサオさん、内田裕也さん、「ジャッキー吉川とブルー・コメッツ」、「ブルー・ジーンズ」などが出演していたそうで、なぜ、「ザ・ドリフターズ」が出演することになったのかは不明ですが、高木さんによると、コミックバンドも一つぐらいは入れておこうとなったのでは、とのこと)

当初、持ち時間20分という話が、当日が近づくにつれて、10分、5分と短くなっていき、最終的には、なんと1分となってしまったそうで、

当日のリハーサルでは、「愛して愛して愛しちゃったのよ」(和田弘とマヒナスターズ)を5人がコーラスで歌うというネタをやったそうですが、長いからという理由でカットとなり、最終的には、「Long Tall sally」の一部を短めに演奏することになったそうです。

(観客は「ビートルズ」が観たくてうずうずしているため、とにかく速く切り上げなければならなかったとのこと)

「ビートルズ」初来日公演の前座では「ザ・ドリフターズ」はコントを披露していた

そして、本番では、いかりや長介さんの、

ドリフターズ、いくぞ!

という掛け声を合図に、仲本工事さんが「Long Tall sally」を歌い始めると、

高木さんや荒井注さんがギターを持ったまま、ステージを左右に動き回り、最後はみんなでコケて、加藤茶さんがマイクに向かって、「バカみたい」と言い、いかりやさんが「逃げろー!」と叫んで、みんな慌てていなくなる、というコントをやったそうですが・・・

「ビートルズ」初来日公演の前座での「ザ・ドリフターズ」のデキはイマイチだった

高木さんによると、正直なところ、イマイチなステージだったそうで、

時間を短くしろって言われてたからか、演奏のテンポが速すぎる。僕たちはメインステージで歌ってるけど、ドラムは脇のステージのしか使わせてもらえなくて、加藤はほとんど画面から外れちゃってた。

曲の節目でドラムの音に合わせて身体をカクンってさせても、ドラムの動きが同時に見えないと面白味が出ないんだよね。最後の「バカみたい」も、脇のドラムから真ん中のマイクに移動してこなきゃいけないから、微妙に間が空いちゃってる。

武道館にはピアノもエレクトーンもないから、荒井さんは何もすることなくて、しょうがないからギターを持って立ってたけど、単なる飾りだったんだよね。

映像を見ると、いつも以上にふてくされた顔をしてるみたいに見えるけど、そのせいもあったのかもしれない。あの頃は、会場のセッティングにせよテレビの中継にせよ、何もかも手探りだった。だからこその勢いみたいなのもあったんだろうけどね。

と、語っています。

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「ビートルズ」の演奏をこっそりと観ていた

ちなみに、「ビートルズ」のメンバー4人とは、舞台裏でさえも、楽屋ほか何から何まで完全に遮断されており、話をするどころか、姿も見せてもらえず、「ビートルズ」のメンバーはトイレに行く時でさえも、大勢の護衛に取り囲まれている状態だったそうで、

高木さんは、出番が終わった後、メインステージの下の誰もいない所から、こっそりと、「ビートルズ」の演奏を観ていたそうですが、かといって、特に「ビートルズ」に対し、憧れや特別な緊張感はなかったそうです。

それでも、後に、「ビートルズ」の曲を「ザ・ドリフターズ」のレパートリーに加えた際には、当時のロックは単純なコード進行しかなかったことから、「ビートルズ」の曲の桁違いな斬新さに感心したのだそうです。

「高木ブーは若い頃「8時だョ!全員集合」で大ブレイクしていた!」に続く


「ビートルズ」初来日公演で前座を務める「ザ・ドリフターズ」

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