父・長嶋茂雄さんが巨人監督に復帰したことで巨人移籍が実現した、長嶋一茂(ながしま かずしげ)さんは、子供の頃からの夢である巨人入団が嬉しくてたまらず、練習に打ち込んだそうで、キャンプでは二軍スタートながら、文句なしの成績で一軍昇格を果たすと、オープン戦でも大活躍します。
「長嶋一茂の巨人移籍は父・長嶋茂雄の巨人監督復帰で実現していた!」からの続き
巨人移籍が嬉しくてたまらず練習に熱中していた
父・長嶋茂雄さんの巨人監督復帰に伴い、巨人へ移籍した一茂さんは、少年時代からの憧れだった巨人の選手になれたことが嬉しくてたまらず、1993年の年明け早々には、大学時代の後輩・矢作公一さんを誘って自主トレを始めると、
(矢作さんによると、一茂さんは何かに取り憑かれたかのようにトレーニングに打ち込んでいたそうです)
宮崎キャンプは、ファーム(二軍)でスタートしたそうですが、日中のファームでの練習が終わった後、夜は宿舎の庭に出て遅くまでバットを振ったそうです。
二軍で文句なしの成績を残し一軍に昇格
すると、二軍では、プロ野球選手になって以来の好調となったそうで、末次利光二軍監督は、そんな一茂さんを文句なしで一軍に推薦したのだそうです。
ただ、長嶋監督は、親子だからといって甘やかしてはいけないと、一茂さんの点数を徹底して辛くつけていたそうで、誰の目から見ても文句なしに一軍というレベルに達しなければ、一茂さんの一軍昇格を認めないと、難色を示したそうですが、
やがて、一茂さんの一軍昇格を認めたそうで、一茂さんは、1993年2月12日、一軍の選手たちが寝泊まりしていた青島グランドホテルに移ったのだそうです。
巨人移籍1年目のオープン戦では大活躍していた
そんな一茂さんは、2月14日のシートバッティング(各守備位置に選手が入り、より実戦に近い形式で行う打撃練習)では、3打数3安打、うち1本は130メートルの特大ホームランと大活躍すると、
(守備でも、同じサードのポジションを争う、原辰徳さんと岡崎郁さんをしのぐほどの活躍をしたそうです)
オープン戦に入ってからも勢いは止まらず、6番・レフトでスタメンを勝ち取り、3月6日のダイエー戦では、2打席連続ホームランを放つほか、最終的には規定打席に2打席満たなかったものの、打率3割7分5厘という成績を残したのでした。
巨人移籍後初ホームランの際は父・長嶋茂雄はベンチ際でうろうろしていた
ちなみに、一茂さんは、シーズンに入ってからも、4月23日の阪神戦で移籍後初のホームランを放っているのですが、
この時、ベンチの選手たちが大挙してグランドに飛び出し、大騒ぎで一茂さんを迎える中、お父さんである長嶋監督は、自分がどういう動きをすればいいの分からず、ベンチ際で、ただ、うろうろしていたそうで、この時ばかりは、監督というよりも一人の父親のようだったそうで、
一茂さんは、そのことについて、著書「三流」に、
親父との距離感について、俺がとまどっていたように、きっと親父も同じことで悩んでいたんじゃないかと思う。この時期は特にそうだった。
それが痛いほどよく分かるから、俺はさらに夢中になって練習した。親父の葛藤を軽くするには、俺が活躍するのが一番なのだ。
俺が誰からも文句のつけようがない成績を挙げてさえいれば、親父は悩むことなく俺を使えるのだ
と、綴っています。