1947年、8歳の時に初舞台を踏むと、23歳の時には「三代目市川猿之助」を襲名し、伝統的な歌舞伎に「宙乗り」「早替り」などを取り入れ、エンターテイメント性に富んだ舞台で一世を風靡するほか、古典芸能化した歌舞伎とは異なる演出の、現代風歌舞伎「スーパー歌舞伎」でも人気を博した、二代目市川猿翁(にだいめ いちかわ えんおう)さんですが、プライベートでは、女優の浜木綿子さんと結婚し、男の子が誕生するも、わずか3年で離婚しています。今回は、浜木綿子さんとの離婚の原因についてご紹介します。
「市川猿翁(2代目)の出演歌舞伎ドラマ映画と受賞歴は?」からの続き
女優の浜木綿子と結婚するも3年で離婚していた
猿翁さんは、1965年、女優の浜木綿子さんと結婚し、同年、男の子が誕生しているのですが、そのわずか1年半後には別居となり、1968年には離婚が成立しています。
このことについて、猿翁さんは、「私の履歴書」で、
私生活でも大波乱が起きていた。1965年に女優の浜木綿子さんと結婚。そして3年後に離婚。価値観、目指すもの、すべてにおいて溝が深すぎた。地方公演から帰ったある日、家に入ろうとしても入れなくなっていた。それがひとつの真実だが、息子が生まれていたから、当初マスコミには明かさなかった。
春秋会の赤字とダブルパンチだった。結局、家庭内戦争には弁護士を立て、離婚が成立した。子供は引き取りたかったがかなわず、ある人の助言で成人式まで養育費を払っていくことになった。生来不器用な私は離婚と引き換えに芝居だけを考え続ける道を得たと言えるかもしれない。
と、綴っているのですが・・・
浜木綿子との離婚の原因は藤間紫との不倫だった
猿翁(当時は三代目市川猿之助)さんと浜木綿子さんの離婚の大きな原因は、猿翁さんの不倫だったといいます。
そして、その不倫相手というのは、日本舞踊藤間流派の家元で、女優でもあった、藤間紫さんで、藤間紫さんは、猿翁さんの、12歳の時の初恋の人だったというのです。
ただ、藤間さんは、当時(28歳)、自身の踊りの師匠の藤間流6世宗家・藤間勘十郎さん(人間国宝で後に文化勲章も受章)の妻で2人の子持ち。
そんな中、藤間さんへの想いを諦めざるを得なかった猿翁さんは、浜木綿子さんと結婚したのですが、約1年半後には、藤間さんと駆け落ち同然で家を出て同棲に至り、浜さんとはわずか3年で離婚したのでした。
往年の藤間紫さん。
2000年に藤間紫と入籍
ちなみに、藤間さんはというと、1985年に藤間勘十郎さんとの離婚が成立しているのですが、さすがに、すぐに猿翁(当時は三代目市川猿之助)さんと入籍はせず、
2000年、猿翁さん61歳、藤間さん77歳の時に入籍しています。
(藤間勘十郎さんは1990年12月5日に90歳で亡くなっています)
パーキンソン症候群を発症
ただ、2003年11月17日、猿翁さんは、福岡市の博多座で自身の演出・出演による「西太后」公演中、体調不良を訴え、医療機関を受診すると、検査の結果、脳梗塞の初期症状であることが判明してしまいます。
(実際には、パーキンソン症候群を発症していたそうです)
藤間紫が85歳で他界
その後、猿翁さんは、藤間さんに献身的に支えてもらっていたそうですが、そんな藤間さんも2009年に肝不全で他界しています(85歳)。
ちなみに、猿翁さんは、藤間さんが亡くなった後も、ずっと、藤間さんの体をさすり、声をかけ続けていたといいます。
(藤間さんとの間に、お子さんはいらっしゃいません)