2012年、8歳の時に、「スーパー歌舞伎 ヤマトタケル」で初舞台を踏むと、2013年には、「春興鏡獅子」の胡蝶の精役で、国立劇場特別賞を受賞した、五代目市川團子(ごだいめ いちかわ だんこ)さんは、2016年、中学1年生の時には、同世代の八代目市川染五郎さんと共演した「東海道中膝栗毛」の若侍・政之助役で、たちまち注目を集めます。
「市川團子(5代目)の家系図は?父親は香川照之!母親は元CA!」からの続き
新橋演舞場「スーパー歌舞伎 ヤマトタケル」で初舞台
團子さんは、お父さんの香川照之(九代目市川中車)さんとお母さんの元CA・知子さんのもと、2人兄妹(4歳年下)の長男として誕生すると、
2012年、8歳の時には、新橋演舞場「スーパー歌舞伎 ヤマトタケル」のワカタケル役で五代目市川團子を名乗って、初舞台を踏み、2013年10月には、国立劇場「春興鏡獅子」の胡蝶の精役で、国立劇場特別賞を受賞しています。
ちなみに、團子さんは、8歳で梨園(歌舞伎界)入りしたことについて、
小学校一年生の頃から日本舞踊をやっていましたし、小学校に入るか入らないかの頃から、父と歌舞伎を観ていました。
演目は覚えていませんが、たくさんの人が出てきて、大詰で主役の二人や三人の見得が同時に決まるところは、やっぱりかっこいいなと感じたことを覚えています。
自分のおじいさまが歌舞伎俳優であることは知っていました。皆は代々継ぐけれど、うちはちょっと特殊なんだなと思うこともありました。自分がやると知った時は、もちろんびっくりしましたが、「やった!自分ができるんだ!」という気持ちの方が強かったです
と、語っています。
同世代の市川染五郎と共演した「東海道中膝栗毛」が大ヒット
その後も、團子さんは、歌舞伎界で常にトップクラスの注目度を誇る澤瀉屋(おもだかや)のプリンスとして歌舞伎の勉強に勤(いそ)しむと、2016年、中学1年生の時には、「八月納涼歌舞伎」で、同世代の八代目市川染五郎さんと共演した「東海道中膝栗毛」で、たちまち注目を集めます。
(團子さんは、父を亡くした若殿(染五郎さん)に付き従う若侍・政之助役を演じているのですが、等身大の健気な姿が観客の心を捉えたそうです。また、この作品は、主人公である弥次喜多との「しっかりした子どもと情けない大人」という対比の面白さもあって大ヒットし、以降、シリーズ化されています)
「東海道中膝栗毛」シリーズ「弥次喜多流離譚」より。團子さん(左)と八代目市川染五郎さん(右)。
「連獅子」ではペース配分を考えるようになった
ただ、團子さんは、梨園(歌舞伎界)入りして、ちょうど4年目の2016年頃は、自分の演技が客観的にどう見えているのかといった内面的なことに加え、変声期など身体的な変化もあり、思い悩むようになっていたといいます。
(最初は、ただただ、楽しくやっていたそうですが、2年目からは、ちょっとした仕草や言い回しなどで演技指導をしてもらうようになり、3年目になると、これでいいのかと悩むようになったのだそうです)
そして、2020年1月、初代市川猿翁さんの当たり芸をまとめた「澤瀉十種」のひとつ「連獅子」(歌舞伎座)で狂言師左近後に仔獅子の精役を務めると、この作品がきっかけで、それまでは、ただ、突っ走っていたのが、それではいけないと、自分のペース配分などを考えるようになったのだそうです。
「連獅子」より。
博多座「新・三国志」では大滝の立ち廻りのシーンを演じて会場を盛り上げる
そんな中、2023年2月、博多座「新・三国志」では、23年ぶりに博多座で本水を使った大滝の立ち廻り場面が復活すると、その圧巻の演出と、関平役を演じる團子さんが水飛沫を飛ばしながら花道を引っ込むシーンが会場を大いに盛り上げ、拍手喝采を浴びたそうで、
團子さんは、
立廻りのペース配分、緩急など気をつけなければならないことは多く、興奮していながらも、冷静にいられるように気をつけていました
と、語っています。
「新・三国志」より。大滝の立ち廻りを演じる團子さん。