1978年、ドラフト会議で、ロッテオリオンズから3位指名を受け、契約金2700万円、年俸360万円でロッテに入団した、落合博満(おちあい ひろみつ)さんですが、全くボールが前に飛ばなかったそうで、いきなり、前監督の金田正一さんには「プロでは通用しない」と批判され、山内一弘監督にはバッティング指導を受けたそうですが、どうしても山内監督の打撃理論がしっくりこず、なんと、監督の指導を拒否し、一人で試行錯誤し始めたといいます。

「落合博満がロッテ入団時ドラ2ドラ4は入団拒否していた!」からの続き

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ロッテ入団直後、前監督の金田正一に打撃をプロで通用しないと批判されていた

1978年、ドラフト3位でロッテに入団した落合さんですが、入団直後は、不思議なほどボールが前に飛ばなかったそうで、

初の自主トレでフリー打撃をしていると、そんな落合さんのバッティングを見たロッテ前監督の金田正一さんが、大きな声で、「こんな打ち方じゃプロでは通用せんぞ」と山内一弘監督に言い、山内監督も「そうだね」と同意したのが聞こえたそうで、落合さんは、「なんで使えない選手を獲得したんだ」と腹が立ったといいます。

(山内監督は、現役時代、内外角のボールを左右へ巧みに打ち分け、特に、内角球を打たせれば右に出る者はいないと言われ、「シュートうちの名人」「打撃職人」と呼ばれていたそうで、地面と水平に振るレベルスイングを標榜し、掛布雅之選手、高橋慶彦選手など、数多くの選手を一流に育て上げました)

山内一弘監督から打撃指導を受けるも・・・

とはいえ、山内監督は、落合さんを評価していたそうで、すぐに、(極端なアッパースイングだった)落合さんのバッティングフォームの矯正に取り掛かり、

マシン打撃の際、落合さんを捕手の位置に立たせて、「何も考えず、火の粉を払うような一瞬の動きが必要。その反応が内角打ちには必要なんだ」と、体の正面に来た球を払うように打つよう指導するなどしたそうですが・・・

(「ホースで水を撒く感じで打て」などのアドバイスもあったそうです)

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山内一弘監督の指導を拒否し、土肥健二、加藤秀司のバッティングを参考にしながら一人で試行錯誤していた

落合さんには、山内監督のバッティング理論は(例え話が多くて)ピンとこず、どうしても打球が前に飛ばなかったそうで、

落合さんは、ついに、

ダメならクビで結構ですから、俺のことは放っておいてください

と、指導を拒否したのだそうです。

そして、その後、落合さんは、

(「おまえはプロでは通用しない」と言われたことについて)実際やってもみないうちから、そんなこと分かるものかと思う反面、どうせダメなら自分の好きなようにやっていこうと思ったんだ。生まれつきの打法が、急に直るもんじゃないから、あくまで自分流でいこうとね

との考えにより、誰からの指導も受けず、先輩たちのバッティングを観察したりしながら一人で試行錯誤を繰り返したそうで、

特に、柔らかい握りでしなやかにスイングするロッテの土肥健二選手、阪急ブレーブスの加藤秀司選手の打撃を参考にしたのだそうです。

ちなみに、落合さんは、後に、

すげえな、この2人はと思った。加藤さんのバットコントロール、土肥さんはバットの出の柔らかさ。どうやったら、これができるのだろうと思った

と、語っています。

「落合博満は山内一弘の打撃指導を後年理解できるようになっていた!」に続く

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