日本人として初めて性別適合手術を受けるほか、2004年には、「性同一性障害者特例法施行」を受けて性別の変更が認められ、戸籍上も女性になったという、カルーセル麻紀(カルーセル まき)さんですが、幼い頃から、自分は女の子だと感じながら生きていたといいます。

少年時代のカルーセル麻紀

「カルーセル麻紀の本名(出生名)は?芸名の由来は?」からの続き

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カルーセル麻紀が幼い頃は貧乏だった

カルーセルさんは、日本が太平洋戦争へと突入して約1年が過ぎた頃、日本通運に務める会社員のお父さんと家庭的なお母さんのもと、9人兄弟姉妹(4男5女)の第5子(次男)として誕生したそうですが、

大家族だったことから、生活費がかかり、二間しかない長屋で暮らしていたそうで、(戦争の記憶はないものの)貧乏だったことを今でも覚えているそうです。

カルーセル麻紀は幼い頃から自分は「女の子」だと感じていた

ちなみに、カルーセルさんは、物心ついた頃には、心も感覚も感性も思考も全て「女の子」だったそうで、「俺」や「僕」と呼べずに育ち(自分のことを「アチシ」と言っていたそうです)、

男の子と野球をするよりも、女の子と一緒におままごとやお人形遊びをすることが好きだったそうです。

また、時代劇ごっこではいつも女役をやり、お母さんの着物を引っぱり出して、口紅を塗り、姿見の前でうっとりと自分を眺めたり踊ったりするなど、自分がきれいであることが何より好きだったそうで、

カルーセルさんは、

自分が女だと気づいたのは物心ついたときから。なんでこんなモノ(男性器)ついてんだろうって(思っていた)

と、語っています。

少年時代のカルーセル麻紀
15歳の頃のカルーセル麻紀さん。

カルーセル麻紀は少年時代から女装をしていた

そんなカルーセルさんは、小学生になると、お母さんやお姉さんのマスカラや口紅でお化粧をして学校に行くようになったそうですが、

(学校から帰宅後、親に隠れて坊主頭にスカーフを巻いてお母さんの化粧品をこっそり使い、夕食までに男の子の格好に戻っていたという話も)

典型的な明治生まれで厳格だったお父さんには、見つかるたびに、「この、化け物が!」と怒鳴りつけられ、げんこつで殴られたり、木刀で追い回されたりしたそうです。

(それでも、カルーセルさんはお化粧をやめなかったのだそうです)

ただ、そんなお父さんも、夏祭りの時だけは、カルーセルさんの女装を許してくれたそうで、隣の置屋さんで、そこの芸者さんにお化粧をしてもらい、(髪の毛は坊主だったことから)頭にタオルを巻き、頭巾にして、ここぞとばかりに盆踊りで自慢の踊りを見せたのだそうです。

すると、チンピラたちが寄ってきて、カルーセルさんの同級生に、「おお、いい女じゃねえか、紹介してくれ」と頼んだそうで、同級生が「あれは男ですよ」と言っても信じてくれず、連れて行かれそうになったことが何度もあったのだそうです。

カルーセル麻紀は少年時代にいじめられるも番長肌の男の子に守ってもらっていた

一方、小学校では、同級生から、「なりかけ(女になりかけているという意味)」などと面白がって言われたい放題に言われてバカにされ、中学生になると、今度は、「おとこおんな」と呼ばれるようになったそうですが、

(カルーセルさんは、この頃、新聞配達のアルバイトを始め、貯めたお金で、化粧品や女物の服を買っていたのだそうです)

カルーセルさんは、(当然イヤだとは思っていたそうですが)「言いたいやつには言わせておけばいい」と、気にしないようにしていたそうです。

とはいえ、カルーセルさんは泣き寝入りはせず、番長肌の男の子に甘えて、自分をイジメる同級生たちをやっつけてもらっていたそうで、

カルーセルさんは、

イジメられると、幼なじみだった番長に仕返ししてもらったの。彼はケンカも強くてイイ男だったわ。いま考えると情婦気取りよね

(同級生からいじめられていたが)中には、そんなわたしをかばってくれる男子もいたりしたのよ。弱きを助け強きをくじく、いわゆる番長肌の男よね。

わたしもそんな彼に甘えて、自分をいじめるやつらをやっつけてもらったり。今思うと、その頃からすでに女の手管を使って上手い具合に立ち回ってたのね(笑)。

と、語っています。

中学生時代のカルーセル麻紀
中学生の頃のカルーセル麻紀さん(左)。

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カルーセル麻紀は少年時代に自身の恋愛対象が男性であることに気づいていた

そして、14歳の時には、いつもいじめっ子から守ってくれていた番長が家に泊りがけで遊びに来たことがあったそうですが、その時、番長にキスをされ、それから、お互いの身体に触れ合ったそうで、

(男の子とキスをしたり触れ合ったのはこの時が初めてだったそうです)

やがて、カルーセルさんは、自身の恋愛の対象が男性であることを自覚したのだそうです。

ただ、同時に、「おとこおんな」であることに悩みを抱くようになったそうで、

生まれたときからずっと好きになるのは、つねに男の子なの。それに、いつも「キレイになりたい」「かわいくなりたい」みたいな自意識、自己愛が強かったから、そこはもう筋金入りの女なのよ。

と、語っています。

(ちなみに、その番長は、後に、カルーセルさんがゲイとして生きていくことを決め、家出して東京を目指した時にもカンパして助けてくれたのだそうです)

「カルーセル麻紀は少年時代ゲイバーで住み込みで働いていた!」に続く

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