「Dr.スランプアラレちゃん」の則巻千兵衛、「北斗の拳」のラオウ、「鋼の錬金術師」のアームストロングなどの声を担当し、特に、1980年代は、その声を聞かない日がないほどの人気を博した、内海賢二(うつみ けんじ)さん。
今回は、そんな内海賢二さんの若い頃からのキャラや経歴を、デビューから時系列でまとめてみました。
「内海賢二の生い立ちは?高3でNHK朗読!21歳で役者目指して上京していた!」からの続き
内海賢二の20代の頃は「魔法使いサリー」のサリーのパパほか
26歳の時に「オオカミ少年ケン」で声優デビュー
内海賢二さんは、1963年、26歳の時に、「オオカミ少年ケン」の片目のジャック役でアニメの声優としてデビューしているのですが、
これをきっかけに、声の良さが評価され、以降、東映アニメーションで制作されたほとんどのアニメで、声の出演をするようになったそうです。
「オオカミ少年ケン」の片目のジャック。
29歳の時に「魔法使いサリー」のサリーのパパ役
そんな内海賢二さんは、1966年、29歳の時には、「魔法使いサリー」のサリーのパパ役の声を務めています。
「魔法使いサリー」のサリーのパパ。
内海賢二の30代の頃はスティーブ・マックイーン、ジーン・ハックマン、ショーン・コネリー、ジャック・ニコルソンなど、数多くの吹き替え
31歳の時に「サイボーグ009」の004 /アルベルト・ハインリヒ役
また、内海賢二さんは、1968年、31歳の時には、「サイボーグ009」の004 /アルベルト・ハインリヒ役の声を務めています。
「サイボーグ009」の004 /アルベルト・ハインリヒ。
36歳の時にスティーブ・マックイーンの吹き替えを担当
その後、内海賢二さんは、1973年、36歳の時には、洋画「シンシナティ・キッド」でスティーブ・マックイーンの吹き替えを担当すると、
以降、
- 1973年(36歳)「突撃隊」(ジョン・リース二等兵役)※フジテレビ版
- 1974年(37歳)「荒野の七人」(ヴィン・タナー役)※NET旧版
- 1976年(39歳)「ジュニア・ボナー/華麗なる挑戦役」(ジュニア・ボナー) ※NET版
- 1977年(40歳)「荒野の七人」(ヴィン・タナー役)※NET新版
- 1977年(40歳)「ブリット」(フランク・ブリット役)※テレビ朝日版
- 1977年(40歳)「パピヨン」(パピヨン役)※テレビ朝日版
- 1982年(45歳)「ゲッタウェイ」(カーター・ドク・マッコイ役)※テレビ朝日版
- 1984年(47歳)「トム・ホーン」(トム・ホーン役) ※テレビ朝日版
- 1987年(50歳)「ハンター」(ラルフ・ソーソン役)※テレビ朝日版
- 1989年(52歳)「タワーリング・インフェルノ」(マイケル・オハラハン隊長役)※TBS版
と、スティーブ・マックイーンの担当声優として活躍するほか、ジーン・ハックマン、ショーン・コネリー、ジャック・ニコルソン、サミー・デイヴィスJr.など、数多くの吹き替えを務めています。
「荒野の七人」のスティーブ・マックイーン。
内海賢二の40代の頃は「Dr.スランプ アラレちゃん」の則巻千兵衛や「北斗の拳」のラオウほか
44歳の時に「Dr.スランプ アラレちゃん」の則巻千兵衛役
そんな内海賢二さんは、1981年、44歳の時には、「Dr.スランプ アラレちゃん」の則巻千兵衛の声を務めているのですが、
妻の野村道子さんは、
なんでもやっていたのって彼ぐらいだったんじゃないかしら。アニメはもちろん、洋画の吹き替えもそうだし、ナレーションもそう。
いっときはCMキングなんて呼ばれて、「朝から晩まで内海さんの声ばっかりじゃないか」と言われたこともあったの。それぐらい、できることはなんでも頑張ってた。
それに声に幅があったでしょ。『Dr.スランプ アラレちゃん』の千兵衛さんが急に2枚目になったりするあの演技とか。低いところから高いところで、一貫して演技ができる人って珍しかったから、そういう役をよく任されてた。あのレベルで満遍なくできる人は、最近でも滅多にいないですよ。
と、絶賛しています。
「Dr.スランプ アラレちゃん」の普段の則巻千兵衛。
「Dr.スランプ アラレちゃん」の二枚目時の則巻千兵衛。
47歳の時に声優事務所「賢プロダクション」を設立
そして、1984年、47歳の時には、声優事務所「賢プロダクション」を設立しています。
(ただ、経営に不慣れだったため、次第に、誰の目から見ても分かるほど憔悴(しょうすい)していったそうで、妻の野村道子さんが、当時所属していたプロダクションから移籍してきて、声優業も「サザエさん」と「ドラえもん」のメイン2本だけに絞り、経営を手伝ったそうです)
48歳の時に「北斗の拳」のラオウ役
また、内海賢二さんは、1985年、48歳の時には、「北斗の拳」で、主人公・ケンシロウの前に立ちはだかる、ラオウ役を演じているのですが、低く、重厚感のある声は、今なお、ファンの間で高い人気を誇っています。
「北斗の拳」のラオウ
内海賢二の50代の頃は「ドラゴンボールZ」の神龍とリクームほか
52歳の時に「ドラゴンボールZ」の神龍役とリクーム役
内海賢二さんは、1989年、52歳の時には、「ドラゴンボールZ」で神龍役とリクーム役の声も務めています。
「ドラゴンボールZ」の神龍。
「ドラゴンボールZ」のリクーム。
内海賢二の60代は「鋼の錬金術師」で アレックス・ルイ・アームストロングほか
67歳の時に「鋼の錬金術師」で アレックス・ルイ・アームストロング役
そして、2004年、67歳の時には、「鋼の錬金術師」で アレックス・ルイ・アームストロングの声を務めています。
「鋼の錬金術師」のアレックス・ルイ・アームストロング
75歳の時にガンにより他界
そんな内海賢二さんですが、1990年代、50代の半ば頃に体調を崩すと、検査の結果、「ステージ4」のガンであることが判明。
ただ、ガンの切除手術を受けると、成功し、その後も、ガンが再発するたびに切除手術を受け、一時は、再発がなくなるまでになったそうですが・・・
2013年、6月13日、ガンのため、75歳で他界されたのでした。
内海賢二のドキュメンタリー映画「その声のあなたへ」が公開
ちなみに、内海賢二さんの死去から9年が経った2022年9月30日、内海賢二さんのドキュメンタリー映画「その声のあなたへ」が公開されているのですが、
ここでは、内海賢二さんとともに黎明期の声優業界を支え続けた仲間たちと、内海賢二さんと交流を深めてきた声優たちから見た、内海賢二さんの姿が記録されているといいます。
また、内海賢二さんは、生前、とても控え目で、声優の仕事は「裏方」に徹していたため、自伝を出版する企画のオファーを断っていたそうで、
この映画は、内海賢二さんの貴重な生き様を知ることができるドキュメンタリーとなっているようです。
「内海賢二の妻・野村道子との馴れ初めは?息子は内海賢太郎!」に続く
“声優”という言葉がまだなかった時代から、50年の長きに渡り活躍し、近年も、「鋼の錬金術師」でアームストロング役の声を演じ、世代を超えて多くのファンを魅了し続けた、内海賢二(うつみ けんじ)さん。 …