俳優の綿引勝彦(わたびき かつひこ)さん。かつては悪役を中心に演じられていましたが、ドラマ「天までとどけ」で、頼れるお父さん役を演じられたことがきっかけとなり、現在では、人の良いおじさんのイメージが定着しています。

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演劇に目覚める

綿引さんは野球少年でしたが、
高校二年生の時に腰を傷められ、
野球を断念せざるを得なくなります。

そんな折、友達に誘われて、
俳優座の舞台「令嬢ジュリー」を観劇され、
これがきっかけで、演劇の世界に目覚められたそうです。

この舞台を観て、

「世の中にこんなきれいなものがあるのか」

と、感銘を受けられたとのことで、
とても華やかな世界に見えたのでしょうね。

劇団民藝へ入団

綿引さんは、1966年、20歳の時、
「劇団民藝」の研究生に合格され、
劇団員となられています。

1970年代から1980年代半ばにかけては、
「劇団民藝」での舞台活動と並行して、

そのコワモテから、
「極道の妻たち」シリーズのようなヤクザ映画や、
刑事ドラマで、悪役を多く演じられました。

しかし、1990年代に放送された、
昼のドラマ「天までとどけ」で、

大家族の良き父親役を演じられたことにより、
若い世代を中心に、
親しみやすく、人の良いイメージが定着。

そのことで、綿引さんは、
さらなる飛躍を遂げられることになるのでした。

ポケモン?

綿引さんは、1990年代後半、
「天までとどけ」の出演をきっかけに、

任天堂のゲーム「ピカチュウげんきでちゅう」のCMに出演。
これまでにない、コミカルな演技を披露し、
新しい境地を開拓されたのでした。

その後も「ポケットモンスター」のCM、
「ポケモンスナップ」
「ポケモンクリスタルバージョン」
「ポケモンスタジアム金銀」

などに立て続けに出演され、
「ポケモンおじさん」の愛称で親しまれるようになります。

ピカチュウげんきでちゅう

この「ピカチュウげんきでちゅう」は、
音声認識システムによって、
ピカチュウと話をしながらゲームを進めるという、
世界で初のゲームソフトだったそうで、

綿引さんはこのCMで、
店頭で「ピカチュー」と叫ぶおじさんを、
演じておられます(^^)

1998年12月に発売されて、
即日完売となるお店が続出。

手に入らない状態が続くほどの大ヒットを記録し、
予想外のことに任天堂もびっくりしたのだとか。

もちろん、人気キャラクターのピカチュウを起用した、
世界初のゲームソフト、という話題性はあったのですが、

ここまでの大ヒットとなったのは、
やはり、綿引さんが出演する、
CMの効果が絶大だったからだそうです。

「ピカチュウげんきでちゅう」を開発された、
アンブレラ代表の小澤宗明さんは、

その予想を反した背景には、
テレビCMの大ヒットがありました。

俳優の綿引勝彦さん演じるおじさんと、
ピカチュウの絶妙な共演は、

これまでの子供さんを中心とするポケモンファンのみならず、
20代の女性など、幅広いお客様に人気を得ることができ、

その結果がソフト製造の予測本数を上回ってしまい、
売り切れの事態を招いてしまいました。

と、コメントを発表されたほどでした。

いかにCMの効果が重要かということが、
とてもよく分かるエピソードですね。

当の綿引さんは、
このCMの依頼を受けられた時、

起用する役者さん間違ってませんでしたか?

と驚かれたことを、
テレビ番組で語っておられたそうです(^^)

結果、綿引さんもゲームも、
大ブレイクとなり、良かったですね♪

それにしても、綿引さんを起用された方の眼力は、
素晴らしいですね。

妻は?

綿引さんの奥さんは、
女優の樫山文枝(かしやま ふみえ)さんです。

いつ頃、結婚されたかは分かりませんでしたが、
綿引さんが「劇団民藝」に在籍されていた時、
ということで、もうずいぶん前だと思われます。

樫山さんは、1966年のNHK朝の連続テレビ小説、
「おはなはん」でヒロインを演じられ、
一躍スター女優になられました。

2010年朝日新聞が行った、
「心に残る朝ドラヒロイン」のアンケート調査では、

樫山さんが堂々の第1位に選ばれていることから、
多くの人々の心に印象を残す、
ヒロインだったことが分かります。

そんな国民的人気女優を、
ゲットされた綿引さんでしたが、

結婚された当初は、
ギターで弾き語りのアルバイトをするような、
経済的に苦しい生活をされていたそうです。

今で言う「格差婚」だったため、それが悔しくて、
奥さんよりも稼ごうという気持ちを励みに、
頑張ってこられたとのこと。

現在では、それも達成され、
芸能界でも有名な、仲の良いご夫婦だそうです。

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病気?

公私ともに順調だった綿引さんですが、
2005年に、「胸部動脈瘤」という大病を患われ、
心臓の手術をされています。

芝居の練習で着替えをされていた時に、
胸の辺りで、突然、
ぶちっと何かが切れる音がしたのだとか!

緊急手術を受けられ、無事に手術は成功。
入院とリハビリを経て、順調に回復されたとのこと。

手術のため、出演予定だった、
歌手細川たかしさんの、
「歌手生活30周年公演」を降板されています。

綿引さんは、このことについて、

舞台を降板して細川さんに申し訳なかったが、
助けられた命を大切にしていきたい。

と語っておられました。

さて、2/13からWOWOWでスタートする、
ドラマ「きんぴか」では、

暴力団同士の抗争で服役していた、
主人公の健太(中井貴一さん)の出所を迎える、
老刑事・向井権左エ門役を演じられる綿引さん。

相変わらず、いい味を出してくれるのは、
間違いないでしょう。

これからも、健康に気をつけて、
末永いご活躍を期待したいです!!

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