浅利慶太さん、越路吹雪さん、角川春樹さん、横溝正史さんなど、錚々(そうそう)たる人物に気に入られ、あっという間に俳優の地位を確立された、鹿賀丈史(かが たけし)さんでしたが、演出家の三谷幸喜さんとは、突然、絶縁状態となっていたようです。今回は、お二人の間にささやかれている不仲説をご紹介します。

「鹿賀丈史は昔は料理の鉄人でパプリカをかじり話題になっていた!」からの続き

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当初は三谷幸喜と仲が良かった

鹿賀さんは、三谷幸喜さんが脚本を担当されたテレビドラマ、「振り返れば奴がいる」(1993年)と「古畑任三郎」(1994年)に立て続けに出演されているのですが、

三谷さんは、気に入った俳優は、何度も起用することで知られており、鹿賀さんも、当初、三谷さんとはとても仲が良かったそうです。


「古畑任三郎」より。鹿賀さんと田村正和さん。

舞台「You Are The Top~今宵の君~」の稽古でセリフを覚えてこなかった

ところが、鹿賀さんは、2002年、三谷さん演出の舞台「You Are The Top~今宵の君~」に出演することになると、ほとんどセリフを覚えないまま、稽古に参加したうえ、

なんと、

俺は忙しいから仕方がないんだ

と、謝るどころか、開き直ったそうで、

この鹿賀さんの態度に、三谷さんは、

あいつは二度と起用しない!

と、激怒。

鹿賀さんは、この舞台を降板させられてしまい、以来、二人の仲は、修復不可能なほど、険悪な状態になってしまったというのです。

(表向きには、「鹿賀さんが急性虫垂炎で緊急入院して、公演初日3日前に降板」ということになっています。)

三谷幸喜は俳優の好き嫌いが激しい?

ちなみに、三谷さんは、俳優の好き嫌いが激しいそうで、

某映画関係者は、

もともと三谷は脚本を書くときは俳優をイメージしてストーリーを作ってゆくタイプです。彼は自分が好きになった俳優は継続して主演させる傾向があり、選ばれたメンバーを業界では「三谷組」と呼んでいます。

(好きなタイプの俳優は)彼が監督したとき、言われた通りに演じてくれる人です。それには彼の独特なユーモアをまず理解して、脚本の段階で笑うことが重要です。台本の読み合わせで笑える役者ほど三谷組に入れる確率が高くなりますね。

(一方、嫌いなタイプの俳優は)台本にケチをつける俳優でしょう。「このセリフは違うんじゃないですか?」「監督の意図が僕にはわからない」などと言って撮影を中断させるタイプは苦手です。松田翔太がこのタイプですが、彼はセリフをきっちり頭に入れてから現場に入るのでまだ許せるはずです。

と、語っており、

その中でも、三谷さんが最も許せない俳優が、鹿賀さんということで、

舞台はけいこ中はギャラが発生せず、公演が始まってからお金が入ります。だから、テレビほど稼げず、舞台を軽視する俳優が多いんですが、三谷はそういうタイプを一番嫌いますね。

と、その理由も語っているのですが・・・

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セリフを覚えてこなかった本当の理由は?

まず、舞台出身で、現在も舞台に出演し続けている鹿賀さんが、ギャラの安さで舞台を軽視しているとは考えにくいです。

また、鹿賀さんは、出演された三谷さん脚本のテレビドラマ「振り返れば奴がいる」「古畑任三郎」について、

三谷さんの作品はやはりホンが面白いですよね。僕が演じたのは悪役なんですが、どこかおかしい。演じていて、ちょっと笑ってしまうことがあるくらいで。そういう三谷さん独特の描き方は演じていてとても楽しいです。

「振り返れば奴がいる」で演じた中川部長は、同じく三谷さんが脚本の「古畑任三郎」にそのままのキャラクターで犯人役として出ています。そういう遊びもまたやっていて面白い。

そういう作品では、役柄を工夫するという意識はありませんね。書いてあるセリフがそもそも面白いので、それを僕自身が心の片隅で楽しむ。演じながらね。そういうことが大事なんだと思っています。

と、語っておられることから、

三谷さんのテレビドラマについては、たまたま、おもしろかったから、そのまま演じたが、舞台はおもしろくなかったから、自分なりの演技をしようと思い、セリフを覚えてこなかった、とも考えられますが、

鹿賀さんが、本当に、

俺は忙しいから仕方がないんだ

と、言ったのなら、鹿賀さんは、降板するつもりで、わざとセリフを覚えてこなかったのかもしれません。

(鹿賀さんは、業界では、非常に温厚な人物として知られているので、もしかしたら、三谷さんに、よっぽど腹に据えかねることをされ、自ら絶縁しようとしたのかもしれません)

「鹿賀丈史のデビューからの出演映画ドラマ舞台を画像で!」に続く

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