幼い頃から厳しい稽古を課され、3歳で初舞台、4歳で初めてセリフのある役を演じられるも、父親(狂言)に対する反抗心などから、中学・高校ではバンドに熱中したという、野村萬斎(のむら まんさい)さんですが、高校3年生の時に、ファンだったマイケル・ジャクソンさんのダンスを見たことがきっかけで狂言に目覚めると、以降、狂言にのめり込んでいきます。

「野村萬斎は昔ロックバンド?狂言はマイケルジャクソンで目覚めた?」からの続き

Sponsored Link

17歳で黒澤明監督映画「乱」に出演

野村さんは、高校3年生の時、狂言で「三番叟(さんばそう)」を舞った際に、マイケル・ジャクソンさんに対抗できる唯一のダンスではないかと、狂言に目覚めたそうですが、

実は、同時期、この「三番叟」を舞っている野村さんの写真が、映画監督の黒澤明さんの目に留まり、

狂言の表現を使って演じてください

と、映画「乱」のオファーを受けたそうで、

狂言をやっていたからこそ、世界の黒澤映画に出られた。これは大きな節目でした。それまでは伝統を押し付けられていた気がしていたんです。型をまねるだけなので、表現者だという認識が持てなかったんですね。

でも、僕の技能は狂言で、大志を抱けば、世界に通用する表現者になれるのだと、高校生のときに自己認識が持てたんですね。

と、このオファーが、より狂言にのめり込むきっかけとなったそうです。

また、同じ頃、おじいさん(狂言師・六世 野村万蔵さん)の演技が世界的に評価されていることも知り、

世界に通じるんだ

と、さらに、狂言の素晴らしさを知ったそうで、

以降、野村さんは、国内はもちろん、海外においても、多数の狂言・能公演に参加されるほか、20代にして、狂言をより多くの人に見てもらうため、当時の最先端技術だったCGを舞台に取り入れたり、セリフを舞台袖の電光掲示板に映して解説したりと、これまでになかったアイディアを狂言の世界に取り込み、狂言の普及に貢献されています。

映画「陰陽師」の安倍晴明役でブレイク

また、その一方で、野村さんは、テレビドラマや映画にも出演されており、

1994年、NHK大河ドラマ「花の乱」に細川勝元役でテレビドラマデビューされると、


「花の乱」より。

1997年には、NHK朝の連続テレビ小説「あぐり」で、望月エイスケ役(作家・吉行エイスケがモデル)、


「あぐり」より。田中美里さんと野村さん。

2000年には、司馬遼太郎さんの小説「世に棲む日日」を原作とするNHKスペシャルドラマ「蒼天の夢」で高杉晋作役を演じ、


「蒼天の夢」より。(左から)高嶋政伸さん、野村さん、中村橋之助さん。

2001年には、「乱」以来2作目となる映画、「陰陽師」で主人公・安倍晴明役に起用されると、たちまちブレイク。


「陰陽師」より。

実は、安倍晴明役は、原作者・夢枕獏さんからの熱烈なラブコールがあったそうで、

夢枕さんは、

そうですね。僕は、「陰陽師」を映画にするときは安倍晴明は野村萬斎さんで、というふうに以前からずっと思っていたんです。

だから、今回の映画化もスポンサーがついていろいろと決まってから「じゃあ、主役だれにする?」と進んだのではなく、萬斎さんがOKと言ってから、映画制作の全てがスタートしたという感じですね。

とおっしゃっており、

完成した映画を観た後も、

「安倍晴明」を演じる野村萬斎さんが、非常にいいですね。それから「道尊」という、安倍晴明の敵役を演じる真田広之さんがこれまたよくて、この2人の絡みは観ていて非常に心地よいです。

(イメージしていた安倍晴明の共通点・相違点について)小説的に、ということではなくて映画的に想像していたイメージは、野村萬斎さんでぴったりでした。

と、野村さんを絶賛。夢枕さんの目に狂いはなかったようです。

ちなみに、2001年には、能や狂言の技法ほか、現代劇や映画に用いられる手法・イリュージョンを駆使した現代能「陰陽師 安倍晴明」が上演されているのですが、2018年には、野村さんの演出により、新たな舞台「陰陽師 安倍晴明」が上演されています。

Sponsored Link

羽生結弦に陰陽師の振り付けをアドバイスしていた

ところで、野村さんは、2019年1月25日放送の「A-Studio」にゲスト出演された際、フィギュアスケートの羽生結弦選手に、振り付けについてアドバイスされていたことを明かされています。

というのも、羽生選手は、平昌五輪で、「陰陽師」の劇中曲を取り入れたプログラム「SEIMEI」で、金メダルを獲得されているのですが、実は、野村さんは、「陰陽師」の振り付けについて、羽生選手にアドバイスされているのです。

野村さんは、

振付家の方もいらっしゃるし、ご自身で考えられる

と、前置きしつつ、

安倍晴明の決めポーズの一つに、顔の前方で人差し指を立てる姿があるのですが、その時にもう一方の手を頭上で翻すのも重要だということ、それによって(意識の)ベクトルを分けること

などを羽生選手にアドバイスされたことを明かされると、


「陰陽師」でポーズを取る野村さん。


「SEIMEI」でポーズを取る羽生結弦さん。

羽生選手が、

空間であるとか時間の概念、そして曲をどういうふうに組み立てるか、どういうふうに技を組み立てていくか、お客さんとか審査員をどう引き込んでくるか

をしっかり考えていると、表現者としての完成度の高さを絶賛されていました。

「野村萬斎がゴジラ役?デビューからの出演ドラマ映画を画像で!」に続く

Sponsored Link