倉本聰の姪っ子の娘(姉の孫)は警察に相談した当日に殺害されていた！

２０１３年１０月８日、倉本聰（くらもとそう）さんの姪の娘（姉の孫）が交際相手にストーカーの末に殺害されるという痛ましい事件（「三鷹ストーカー殺人事件」）が起き、これをきっかけに「リベンジポルノ被害防止法」が施行されているのですが、今回は、引続き、この事件の経緯をご紹介します。

池永容疑者はフラれた怒りから殺害を決意していた

散々、自己中心的な行動を繰り返したうえ、ついには手錠をはめて強姦に及んだことで、鈴木沙彩さんから完全に愛想を尽かされ、絶縁を告げられた池永チャールス・トーマス容疑者ですが、

今度は、フラれた怒りから、SNSを通じて鈴木さんの動向を調べると、鈴木さんに新たな恋人ができたことを知り、鈴木さんに殺意を抱くようになります。

そして、２０１３年９月２８日午前６時、友人とともに長距離バスで上京すると、東京では、ペティナイフを購入。

（この時友人には、「4、5年ほどアメリカに行く。その前に彼女と話がしたい」と説明していたそうです）

井の頭公園で野宿をしながら、三鷹にある鈴木さんの自宅へ通い、殺害の機会を伺いつつ、１０月２日～６日の間に、鈴木さんのプライベート画像６７点をアダルト投稿サイトにアップロードします。

（鈴木さんのお父さんは、娘のプライベート画像が流出されたのを知った時、「女優の道が絶たれたばかりか、もう娘は日本で普通に暮らすことができない」と思ったそうですが、鈴木さんは、そんなお父さんを心配させまいと、気丈にも、「もうこれ以上のことはしないだろうから、せいせいした」と言ったそうです）

一方、鈴木さんは、１０月４日、池永容疑者が自宅の側まで来ていることを知り、ストーカー被害を高校の担任の先生らに相談すると、学校側はすぐに近くの杉並署に電話。

すると、杉並署の担当者が、鈴木さんの自宅を管轄する三鷹警察署に相談するよう指導したことから、鈴木さんは、１０月８日午前、両親とともに三鷹警察署を訪れて、池永容疑者のストーカー行為について相談。

（三鷹警察署の警察署員は、ストーカー規制法に基づき、鈴木さんが把握していた池永容疑者の携帯に電話をかけたそうですが、池永容疑者は電話に出なかったため、連絡するように留守電に入れて、電話を切ったそうです）

これで、安心した鈴木さんは１人で登校。そして、無事に帰宅もすると、４時５１分、三鷹署の署員に無事帰宅したことを電話で伝えたのですが・・・

電話を切った直後（わずか２分後）、事件は起きます。

実は、池永容疑者は、１０月８日午前４時頃、東京・三鷹にある鈴木さんの自宅と同じ敷地内にある空き家に忍び込み、屋根の上に隠れると、それから約８時間後のお昼過ぎ、鈴木さんの自宅の２階の鍵のかかっていない窓から侵入。１階の鈴木さんの部屋のクローゼットの中に身をひそめていたのです。

そして、クローゼットに隠れている間、無料通信アプリを通じて、友人に鈴木さんの自宅電話番号を告げ、室内に誰かいないか確認する電話をかけるように依頼すると、

ふんぎりつかんからストーカーじみたことをしてる

そのつもりなかったけどなんやかんやで押し入れの中。出たいけど出られへん

三時間前のおれしね

あー無事にかえりたいよぅ

詰みだわ

などと、アップしていたのですが、

午後４時５３分、鈴木さんが学校から帰宅したところを襲撃。鈴木さんが自宅の外に逃げ出すと、追い回し、ペティナイフで首や背中など１１箇所を刺し殺害したのでした。

そして、それから約１時間後、池永容疑者は、駆けつけた警察に逮捕されるのですが、

その後の取り調べでは、

被害者は、私の苦痛源でありました。殺せば（苦痛が）絶ち切れると思いました。（鈴木さんが別の男性と付き合っているというのが）身を焦がれるような思いでありましたので、殺害という行為に及びました。

しかし、率直に申し上げますれば、虚しいだけでした。拘留されて考える時間を与えられてから虚しいだけでした

もし時間を取りもどすことができても、被害者を殺すと思います

と、語ったのでした。

連行される池永容疑者

ちなみに、この事件が、「三鷹ストーカー殺人事件」として、メディアで大きく報道されるにつれ、皮肉なことに、池永容疑者がネットに投稿した鈴木さんのプライベートな画像や動画が拡散されてしまっているのですが、

このことが「リベンジポルノ」と報道されるようになると、やがて、「リベンジポルノ」が社会問題として認識されるようになり、国会でも問題視され、２０１４年１１月１９日、「リベンジポルノ」への罰則を盛り込んだ「リベンジポルノ被害防止法」が成立しています。

（「リベンジポルノ」とは、離婚した元配偶者や別れた元交際相手が、相手から拒否されたことの仕返しに、相手の裸の写真や動画など、相手が公開するつもりのないプライベートな画像を無断でネットの掲示板などに公開する行為のこと。）

また、この事件を受けて、被害者・鈴木さんの大叔父である倉本さんは、

芸能界に入るとき、彼女自身から相談があった。それに対して、「いい加減なところに入るな」と助言した。非常によく知っていたが最近は会っていなかった。事件のことは昨夜（8日夜）知った

と、コメントされています。