幼い頃からピアノに触れ、早くからピアノと作曲の才能を発揮されていた、坂本龍一(さかもと りゅういち)さんですが、その後、様々な人物との出会いで現在の坂本さんが作られていきます。

「坂本龍一は幼少期にピアノを始めるも中学ではバスケに夢中だった!」からの続き

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学生運動に身を投じる

坂本さんは、好きな音楽に没頭する一方で、学園紛争の真っ最中という時代だったこともあり、高校時代から学生デモに参加。

そして、東京藝術大学に進学すると、現代音楽家にもかかわらず、尺八や琵琶などの邦楽器を使用していた作曲家の武満徹さんに、

右っぽい(右翼っぽい)

という印象を受けたことから、武満さんのコンサート会場に、抗議のビラを2回もまきに行かれたそうですが、

2回目の時には、ご本人がビラを持って出てきて、

これを書いたのは君か

と、言われたそうで、

気の弱い学生だった坂本さんは、

何で・・・、和楽器を取り入れたんでしょうか?

と、口ごもりながら丁寧な口調で尋ねたそうです。

すると、その後、30分くらい立ち話で話し込んだそうですが(どのような話をされたのかは不明ですが)、坂本さんは、すっかり、武満さんの話に引き込まれ、以来、(屈折した)尊敬を抱くようになったのだそうです。

小泉文夫の「民族音楽」研究の講義に衝撃を受ける

その後、坂本さんは、武満さんの影響で伝統的な音楽に興味を抱くようになり、民族音楽学研究の小泉文夫さんの講義を受けると、その内容の深さに、それまで培ってきた音楽観の根底を揺さぶられるような大きな衝撃を受けられたそうで、


小泉文夫さん

坂本さんは、後に、

小泉文夫はぼくの音楽に対する態度に決定的に影響を与えた人です。実は、音楽にとどまらず、あらゆる文化・人を公平に見るということを教えてくれた人です。

小泉文夫の授業に参加し、個人的にも知り合えたことは、ぼくの人生の誇りであり忘れられない思い出です。あんなに明晰で、しかも暖かい人には会ったことがありません。

今でも小泉文夫の笑顔を思い浮かべる時、彼を失った悲しさで涙が出、彼を奪った死に対して行き場のない憤りをおぼえます。

ぼくたちは、小泉文夫が何をし何を言ったか、もう一度よく知る必要があります。

と、小泉さんに対する思いを明かされています。(岡田真紀著「世界を聴いた男―小泉文夫と民族音楽」(1995年発売)の帯より)


世界を聴いた男―小泉文夫と民族音楽

大学3年生の時に結婚~ピアノ弾きのバイトで生計をたてる~

それでも、坂本さんは、この頃はまだ、音楽の世界で何かができるとは思っていなかったことから、大学3年生の時には結婚し、生活のために、地下鉄工事の仕事(肉体労働)を始めるのですが、

親方から、向いていないことを理由に3日でやめさせられてしまい、その後は、ピアノの腕を活かし、酒場でピアノ弾きのバイトを始められたそうです。

(ピアノ弾きのバイトは時給が良かったそうですが、自分にとって大切な音楽で安易にお金を稼いだことは、今でもトラウマになっているそうです)

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スタジオミュージシャンとして活動~細野晴臣&高橋幸宏との出会い~

そして、1974年には、大学を無事卒業し、同大学院の音響研究科修士課程に進学すると、大学院在学中の1975年には、新宿ゴールデン街で、「和製ボブ・ディラン」こと、友部正人さんと意気投合し、友部さんのアルバム「誰もぼくの絵を描けないだろう」にピアノで参加し、スタジオミュージシャンとしての活動をスタート。


誰もぼくの絵を描けないだろう

翌年の1976年には、竹田賢一さんと、「学習団」(芸術-実践の運動体)を結成し、竹田さんのプロデュースで、初のアルバム「ディスアポイントメント – ハテルマ」を発表すると、


ディスアポイントメント – ハテルマ

その後、りりィさんのバックバンド「バイバイセッションバンド」に所属されるのですが、そこで、当時のりりィさんのマネージャー(現:株式会社365代表)から、細野晴臣さんのマネージャーを紹介されたことがきっかけで、細野さんと知り合われると、

同年、細野さんの「ティン・パン・アレー」ツアーでサポートメンバーとして起用され、1978年には、細野さんのソロアルバム「はらいそ」の収録に参加された際、初めて、高橋幸宏さんと出会ったのでした。


はらいそ

(ちなみに、坂本さんは、初期の山下達郎さんの楽曲や、大瀧詠一さんのアルバム「NIAGARA TRIANGLE Vol.1」などにキーボードとして参加されるほか、大貫妙子さんのLP「サン・シャワー」「ミニヨン」「ロマンティック」などにも、アレンジャー、プロデューサーとして参加されています)

「坂本龍一のYMO散開理由は?戦メリで俳優?ラストエンペラーでアカデミー賞!」に続く

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