幼少期から、軽く見られることを嫌い、小学校の入学式では、なめられないようにと、一番体の大きい子を殴ったというなべさんですが、高校生の時には、ヤクザのもと、銀座三悪のヒーコヤ(=コーヒー屋=喫茶店)「ダイヤモンド」を取り仕切っていたといいます。

「なべおさみが小5で稼いだお金は映画館通いにつぎ込んでいた!」からの続き

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不良グループに絡まれるもハッタリで撃退していた

小5にして鉄屑集めで稼ぎ、大好きな映画館通いを堪能していたなべさんですが、中学2年生の時、映画を観に日比谷に出かけると、5人くらいの不良少年たちに囲まれ、いかにも仲良さそうに肩を組まれてビルの谷間に連れ込まれたそうです。

そして、脅され、お金を巻き上げられそうになるのですが、なべさんは、脅されている間、誰がリーダーかうかがっていたそうで、それが分かると、猛然とリーダーと思われる少年に襲いかかって殴りつけたそうで、

同時に大声で、

おれの兄貴が、銀座の誰だか分かって手前ら、カツアゲしてんのかア!えーっおいッ!

と、怒鳴ると、リーダーは狼狽して脱兎のごとく逃げ出し、残る者も皆それに続き逃げて行ったのだそうです。

このことは、なべさんの大きな自信となったそうですが、生き馬の目を抜く都会では、はったりだけでは乗り切れない、と感じたそうで、

確かな後ろ盾となる人間が存在しないと、とてもじゃないが修羅場は乗り切れない

と、思ったのだそうです。

銀座三悪のヒーコヤ「ダイヤモンド」で気絶させられる

すると、やはり、独り歩きのなべさんは、銀座や浅草に出かけるたびに不良たちに絡まれたそうで、その都度、口からでまかせのハッタリをかましてなんとか難を逃れていたそうですが、

高校生になったばかりの春、1年先輩の女子生徒から誘われて、銀座に出かけた時のこと、その女子生徒は、勝手知ったところとばかりに、有楽町駅前の「ダイヤモンド」という喫茶店に入って行ったそうで、

なべさんもついて行き、その喫茶店で女子生徒と話し込んだそうですが、しばらくしてトイレに立ち、用を足していると、いきなり後ろから殴りつけられて、額を壁にぶち当てられ、気がつくと便器の下に伸びていたというのです。

(この喫茶店「ダイヤモンド」は、当時、不良少年たちのたまり場として有名だった、「ロア」「トレアドル」と並ぶ銀座三悪の「ヒーコヤ」(=コーヒー屋=喫茶店)で、なべさんはそのことを後に知ったそうですが、2階は「同伴喫茶」で、照明が極端に暗く、背もたれの高いソファが置いてあり、男女問わず、来ている客の全員から良からぬ魂胆が溢れていたそうです)

銀座三悪のコーヒー屋「ダイヤモンド」でやり返すと・・・

そこで、なべさんは、トイレを出て薄暗い店内を見回し、2階の階段近くのテーブルに固まってニヤニヤしながら座っていた3、4組の男女に近づいて行きつつ、誰がリーダーかを探したそうで、

リーダーと思われる人物を見つけると、無言でトイレに誘ってやり返し、一人でトイレから出てくると、残る人間にも誘いをかけたそうですが、誰も応じず。

すると、その時、2階から本物のヤクザが悠然と現れたのだそうです。

(なべさんが初めて見る本物のヤクザだったそうです)

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ヤクザから銀座三悪のヒーコヤ「ダイヤモンド」を受け継ぐ

そして、そのヤクザは、

ヨーシ、ようからおまえうわしひれ!

と、言ったそうですが、

なべさんには理解できず、かといって、それを顔に出せば相手の気分を害すると思い、笑顔でうなずいたそうですが・・・

実は、

よーし、今日からお前が仕切れ!

と、言われていたことを、なべさんは後になって知ったそうで、

つまりは、なべさんは、曖昧にうなずいたことから、銀座三悪の一つ「ダイヤモンド」を受け継ぐことになってしまったのでした。

(このヤクザは、手先として「ダイヤモンド」を仕切らせていた不良予備軍の若者が、なべさんにやっつけられた経緯を聞き、政権交代を即決したのだそうです)

ちなみに、なべさんは、このヤクザのことを陰で「蟹さん」と呼んでいたそうですが、実は、この蟹さん、左右の手の指が親指と人差指だけ残して、合計6本すっかり失くなっていたそうで、

その残った右と左の合計4本の指で、見事にナイフとフォークを使い、ハンバーグライスを食べていた様子が、蟹そのものだったことから名付けたのだそうです。

「なべおさみはヤクザ「池の二郎(銀座の二郎)」に憧れていた!」に続く

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