1963年、2番目の夫・アンソニー・コックスさんと再婚後は、アンソニーさんのサポートのもと、前衛芸術家としての活動を再開し、やがては、ロンドンに移り住んだ、オノ・ヨーコさんですが、ほどなくして、運命的な出会いが訪れます。

「オノ・ヨーコの2番目の夫は映像作家のアンソニー・コックス!」からの続き

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ジョン・レノンとの出会い

アーティストとしての活動拠点をロンドンに移していたオノさんは、1966年11月9日、個展「未完成の絵画とオブジェ(Unfinished Paintings and Objects)」の開催に先立ち、インディカ・ギャラリーでプレビュー・ショー(内覧会)を開くのですが、

その際、ギャラリーのオーナーに誘われて作品を観に訪れた「ビートルズ」のジョン・レノンさんと知り合います。

ジョンさんによると、まず、「アップル」という作品が、法外な値段がつけられていることにユーモアを感じたそうで、

(それは、台の上に実物のリンゴが展示され、来場者は200ポンドを払って、そのリンゴが朽ちて行く様子を観察する、というものだったそうです)

称賛の意味を込めて、リンゴを手に取り一口かじると、オノさんにニッコリと笑いかけたのだそうです。

ジョン・レノンとはアート作品「釘(くぎ)を打つための絵」で共感

続いて、ジョンさんが興味を持ったのは、「釘(くぎ)を打つための絵」という作品で、それは、白い木の板に来場者が釘を1本ずつ打つことで作品を完成させていく、という仕掛けになっていたそうですが、

ジョンさんが、オノさんに釘を打っていいかと尋ねると、オノさんは、1本5シリング払うなら打ってもいいと言ったそうで、

ジョンさんは、

では僕が想像の5シリングを払うから、想像のくぎを打ってもいいかい

と、聞き返したそうですが、

オノさんは、後に、その時のことを、

自分と同じ次元のゲームができる相手と巡り合ったと感じた

と、明かしています。

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ジョン・レノンはアート作品「天井の絵」の”yes”に救われた気がしていた

そんなジョンさんは、次に、「天井の絵」(”Ceiling Painting (YES Painting)”)という作品に惹かれたそうで、

この作品は、部屋の中央に白い脚立が置かれており、来場者は、その脚立を登っていって、天井からぶら下げられている虫眼鏡で天井の額縁を覗き込み、そこに書かれてある小さな文字を見る、というものだったそうですが、

ジョンさんによると、そこには、「YES」と書かれてあったそうで、

後に、ジョンさんは、

前衛芸術にありがちな『拒絶』ではなく、『肯定』だったから僕は心が救われた気がしたんだ

もし”No”とか『インチキ』みたいな意地の悪い言葉が書かれていたら、すぐに画廊を出て行ったよ。でも”YES”だったから僕は『これはいけるぞ、心温まる気持ちにさせてくれる初めての美術展だ』と思ったんだ

と、明かしています。

一方、オノさんも、2016年のインタビューで、

当時、私は人生にとても苦労してたの。それで「よし、人生を変えよう」って思って、「NO」じゃくて「YES」の文字を書いたの。あの作品は私を救ってくれたわ。

と、語っています。

「オノ・ヨーコとジョンレノンはダブル不倫だった!」に続く

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