1956年、映画「社長シリーズ」「駅前シリーズ」で一躍ブレイクすると、以降、数多くの、映画、テレビドラマ、舞台、ラジオで活躍し、2009年に他界するまで、250本以上もの映画に出演した、森繁久彌(もりしげ ひさや)さん。今回は、そんな森繁さんの出演作品(映画、テレビドラマ、舞台、声優)、受賞・受章歴を画像を交えてご紹介します。
「森繁久彌は映画「社長シリーズ」で大ブレイクしていた!」からの続き
「七人の孫」「だいこんの花」「おやじのヒゲ」などホームドラマで活躍
「社長シリーズ」「駅前シリーズ」で大ブレイクし、喜劇役者として確固たる地位を確立した森繁さんは、1964年には、テレビドラマ「七人の孫」に出演すると、
このことがきっかけとなり、以降、精力的にテレビドラマに出演するようになり、「だいこんの花」(1970)「おやじのヒゲ」(1986)など、ホームドラマで父親役を数多く演じています。
「だいこんの花」より。森繁さん(左)と竹脇無我さん(右)。
出演作品(映画)
それではここで、森繁さんのデビューからの主な出演作品をご紹介しましょう。
映画では、
1947年「女優」
1950年「腰抜け二刀流」※初主演
1951年「恋人」
「ブンガワンソロ」
「腰抜け二刀流」より。森繁さんと轟夕起子さん。
1952年「チャッカリ夫人とウッカリ夫人」
「続チャッカリ夫人とウッカリ夫人 底抜けアベック三段とび」
「三等重役」
「続三等重役」
「腰抜け巌流島」
「三等重役」より。森繁さん(左)と河村黎吉さん(右)。
1953年「一等社員 三等重役兄弟篇」
「凸凹太閤記」
「坊っちゃん」
1953~1954年「次郎長三国志シリーズ」全7作
1954年「芸者小夏」
「次郎長三国志シリーズ」より。左が森繁さん。
1955年「スラバヤ殿下」
「警察日記」
「次郎長遊侠伝 秋葉の火祭り」
「森繁の新入社員」
「番場の忠太郎」
「渡り鳥いつ帰る」
「芸者小夏 ひとり寝る夜の小夏」
「夫婦善哉」
「人生とんぼ返り」
「警察日記」より。
1956年「花嫁会議」
「神阪四郎の犯罪」
「ロマンス娘」
「猫と庄造と二人のをんな」
「世にも面白い男の一生 桂春団治」
「白夫人の妖恋」
「猫と庄造と二人のをんな」より。森繁さんと山田五十鈴さん。
1956~1970年「社長シリーズ」全33作
1957年「雪国」
「伴淳・森繁の糞尿譚」
「気違い部落」
1958年「負ケラレマセン勝ツマデハ」
「東京の休日」
「暖簾」
「人生劇場 青春篇」
「野良猫」
「社長シリーズ」より。森繁さんと草笛光子さん。
1958~1969年「駅前シリーズ」全24作
1959年「グラマ島の誘惑」
「花のれん」
1959~1960年「新・三等重役シリーズ」全4作
1960年「珍品堂主人」
「路傍の石」
「ふんどし医者」
「がめつい奴」
「地の涯に生きるもの」
「ふんどし医者」より。原節子さんと森繁さん。
1961年「南の島に雪が降る」
「小早川家の秋」
1962年「青べか物語」
「忠臣蔵 花の巻・雪の巻」
1963年「台所太平記」
「小早川家の秋」より。森繁さん(左)と加東大介さん(右)。
1964年「天才詐欺師物語 狸の花道」
「われ一粒の麦なれど」
「裸の重役」
1965年「喜劇 各駅停車」
「大冒険」
「裸の重役」より。森繁さんと星由里子さん。
1969年「水戸黄門漫遊記」
1971年「男はつらいよ 純情篇」
1971~1972年「女シリーズ」全4作
1972年「座頭市御用旅」
1973年「恍惚の人」
1976年「喜劇 百点満点」
「ふたりのイーダ」
「ふたりのイーダ」より。
1977年「姿三四郎」
1978年「事件」
1979年「夢一族 ザ・らいばる」
1980年「二百三高地」
1981年「連合艦隊」
1982年「海峡」
1983年「小説吉田学校」
「ふしぎな國・日本」
「小説吉田学校」より。
1984年「さよならジュピター」
「空海」
1989年「開港風雲録 YOUNG JAPAN」
1990年「流転の海」
1994年「四十七人の刺客」
1997年「GOING WEST 西へ…」
「新サラリーマン専科」
2004年「死に花」
「流転の海」より。佐藤浩市さん(左)と森繁さん(右)。
出演作品(テレビドラマ)
テレビドラマでは、
1956年「忘れえぬクリスマス」第4話
1958年「鬼よりこわい清水の港」第58話
1960年「一枚看板」第162話
1963年「吾輩は猫である」
1964年「七人の孫」
1966年「太陽の丘」
1969年「S・Hは恋のイニシァル」
1970年「だいこんの花」
1973年「時間ですよ」
1974年「水もれ甲介」
1974~1995年「水戸黄門」
「水戸黄門」より。
1975年 NHK大河ドラマ「元禄太平記」
1975~1994年「江戸を斬る」
1976年「いごこち満点」第17話
1977年「お手々つないで」
1978年「悪女について」
1979年「熱い嵐」
1981年「関ヶ原」
1982年「裸の大将放浪記」
1983年「黒い雨・姪の結婚」
1985年「忠臣蔵」
1986年「白虎隊」
「おやじのヒゲ」
「白虎隊」より。
1987年「田原坂」
1988年「五稜郭」
1989年「翔んでる!平賀源内」
1990年「勝海舟」
1992年「社長になった若大将」
1993年「鶴姫伝奇 -興亡瀬戸内水軍-」
1994年「銀色の恋文」
1995年「銭形平次」第5シリーズ 第10話
1996年「とおりゃんせ〜深川人情澪通り」第13話
1997年「おじいさんの台所」
「おじいさんの台所」より。(左から)裕木奈江さん、森繁さん、いしだあゆみさん、風吹ジュンさん、岸田今日子さん。
1998年「飛んで火に入る春の嫁」
1999年「赤穂浪士」
2000年「あ・うん」
2001年「鍵老人」
2004年「向田邦子の恋文」
「鍵老人」より。牧瀬里穂さんと森繁さん。
ほか、数多くの作品に出演されています。
出演作品(舞台)
そして、舞台も、
1958年「暖簾」
1961年「佐渡島他吉の生涯」
1967~1986年「屋根の上のヴァイオリン弾き」
1983年「孤愁の岸」
「屋根の上のヴァイオリン弾き」より。
「狐狸狐狸ばなし」
「台所太平記」
「赤ひげ診療譚」
「お遊さま」
ほか、多数出演されているのですが、特に、ミュージカル「屋根の上のヴァイオリン弾き」は、1967年~1986年、主役のテヴィエ役を演じ、上演回数900回、観客動員数165万人を記録するなど、森繁さんの代表作となっています。
声の出演
また、森繁さんは、
1958年「白蛇伝」男性キャラクターのすべて
1987年「風が吹くとき」ジム役
1992年「せんぼんまつばら 川と生きる少年たち」昔語り
1997年「もののけ姫」乙事主(おっことぬし)役/エミシの老人役
「ヘラクレス」ナレーション
「どんぐりの家」ナレーション
2001年「ドラえもん のび太と翼の勇者たち」鳥野守博士役
「もののけ姫」の乙事主。
など、声やナレーションでも活躍されました。
受賞・受章歴
そんな森繁さんは、
1955年には、「夫婦善哉」で「ブルーリボン賞主演男優賞」「毎日映画コンクール 男優主演賞」
「夫婦善哉」より。淡島千景さんと森繁さん。
「渡り鳥いつ帰る」「警察日記」「人生とんぼ返り」で「毎日映画コンクール 男優主演賞」
「警察日記」より。
1964年には、「NHK放送文化賞」
1974年には、「菊池寛賞」
1976年には、「屋根の上のヴァイオリン弾き」で「紀伊國屋演劇賞特別賞」「菊田一夫演劇賞 大賞」「ゴールデン・アロー賞特別賞」「毎日芸術賞」
1979年には、「芸術選奨文部大臣賞」「芸能功労者表彰」
1980年には、「菊田一夫演劇賞 特別賞」
1982年には、「日本文芸家協会大賞」
1984年には、「小説吉田学校」で「日本アカデミー賞 優秀主演男優賞」「山路ふみ子映画賞文化賞」
「小説吉田学校」より。
1985年には、「エランドール賞 特別賞」「早稲田大学芸術功労者表彰」
1986年には、「交通文化賞」
1987年には、「放送文化基金賞」
1991年には、「流転の海」で「日本アカデミー賞 優秀主演男優賞」
「流転の海」より。森繁さんと野川由美子さん。
1992年には、「映画の日」で「特別功労大章」
1995年には、「日本映画批評家大賞ゴールデン・グローリー賞」
2004年には、「喜劇人大賞名誉功労賞」
2009年には、「第51回日本レコード大賞特別功労賞」「日刊スポーツ映画大賞特別賞」「毎日映画コンクール 特別賞」(没後追贈)
2010年には、「エランドール賞 特別賞」「日本アカデミー賞 協会栄誉賞」(没後追贈)
など、数々の俳優賞を受賞するほか、
1964年には、「紺綬褒章」
1975年には、「紫綬褒章」
1983年には、「都民文化栄誉章」
1984年には、「文化功労者」
1984年には、「大阪府枚方市名誉市民」
1987年には、「勲二等瑞宝章」
1991年には、「文化勲章」(大衆芸能演劇者として史上初)
1997年には、「名誉都民」
2009年には、「従三位、国民栄誉賞」
も、受章されています。
「森繁久彌は「知床旅情」が加藤登紀子のカバーでミリオンセラーとなっていた!」に続く