テレビ番組「ムツゴロウとゆかいな仲間たち」では、「よーし、よしよし」と言いながら、動物たちを撫でる姿が印象的だった、ムツゴロウこと畑正憲(はた まさのり)さんですが、この言葉は、科学的根拠に基づいて言っていたといいます。また、ライオンに指を食いちぎられるシーンがそのまま放送されるなど、ごまかしなしで野生動物と触れ合う姿が視聴者に衝撃を与えたムツゴロウさんですが、何より辛かったのは、1人になることができなかったことだといいます。
「ムツゴロウ(畑正憲)はライオンに指を食いちぎられていた!」からの続き
1人になれないことが一番辛かった
テレビ番組「ムツゴロウとゆかいな仲間たち」では、ムツゴロウさんが野生動物と触れ合うシーンのほか、自宅でのシーンも数多く放送されているのですが、
実は、番組が始まった当初は、牛の出産や緊急の時にのみ、カメラマンが来て撮影をしていたそうですが、ムツゴロウさんが、カメラを向けられることに慣れておらず、どうしても固くなってしまい、このことをカメラマンに相談すると、
じゃあずっと回しっぱなしにしましょう
と、言われ、それ以来、スタッフがずっと家にいて、撮影するようになり、そうなったのだそうです。
ただ、本当にずっと撮影されていたため、1人になれず、プライベートが全く無かったそうで、どんなロケよりも辛かったそうです。
(撮影スタッフには、「トイレまで撮りにくるの?」と皮肉を言ったこともあったそうです)
「ムツゴロウ動物王国」や自宅にいる動物やスタッフの数を把握していなかった
ちなみに、全盛期の時には、「ムツゴロウ動物王国」や自宅には、500匹以上の動物と、その動物たちの世話をする40人ほどのスタッフが共同生活していたそうですが、
海外ロケで1年のうち7ヶ月ほどいなかったこともあったほか、来るものは拒まなかったことから、正確なスタッフの数は把握できていなかったそうで、
(生活を捨てて北海道までたどり着いた人が勝手に居ついたり、その居ついた人同士で結婚したり子供が産まれたり、弟子にしてほしいと言って来たりと、いろいろな人がいたそうです)
食事はみんなで一緒にしていたことから、見慣れない顔だと思って、「最近来た人?」と声をかけると、「3年前からいます」と、言われたこともあったそうです(笑)
弟子を1人も取らなかった
ただ、ムツゴロウさんが本当に来てほしかった、好きになった動物と一緒に食事をしたり、一緒に寝たり、家の中に連れてきたり、出かける時も連れて歩き回るような、好きな動物にのめり込んでしまうような人は、1人も現れなかったそうで、
ムツゴロウさんは、弟子を1人も取らなかったそうです。
「ムツゴロウ動物王国」のスタッフからは一銭も受け取らなかった
また、「ムツゴロウ動物王国」の運営費は、すべて、ムツゴロウさんの稼ぎから出していたそうで、
(一番多い時には、「子猫物語」などの映画の配収やCM出演料などで、年間20億円くらいの稼ぎがあったそうです)
スタッフの中には、写真を撮ったり、文章を書いたりして、少しはお金を稼いでいた人もいたそうですが、ムツゴロウさんは、その人たちからは、一銭も受け取らなかったそうです。
「よーし、よしよし」は科学的根拠に基づいて言っていた
ところで、ムツゴロウさんといえば、「よーし、よしよし」と言いながら、動物に触れる姿が印象的ですが、ムツゴロウさんによると、それには科学的根拠があるそうで、
人間は、動物の身体を撫でると、オキシトシンという脳内物質が分泌され、また、声を出すことでもオキシトシンが分泌されるため、「よしよし」と言いながら撫でていたのだそうです。
(オキシトシンとは近年注目されている、ストレスを軽減して幸せな気持ちを促すホルモンの一種で、通称「幸せホルモン」と呼ばれています)
ちなみに、ムツゴロウさんは、約50年前、大学院にいた頃からオキシトシンに注目していたそうで、当時、あらゆる動物の乳を触り、実際に吸って味を確かめ、オキシトシンが分泌されたことで起こる、動物一頭一頭の変化を確かめていたそうです。
(あらゆる動物の乳を吸ったそうですが、味に優劣はなかったそうです)
「「東京ムツゴロウ(畑正憲)動物王国」は2年で経営破綻していた!」に続く