立教大学に進学し、野球部に入部すると、メキメキと頭角を現し、東京六大学野球の秋季リーグ戦では、早稲田大学、明治大学、慶應義塾大学に次々と勝利するも、優勝のかかった法政大学戦では敗退してしまった、長嶋一茂(ながしま かずしげ)さんは、自身の不甲斐なさで負けたと感じつつも、落胆を表には出さなかったそうですが、その夜、彼女の実家で夕食を食べている時、不覚にも泣いてしまったといいます。

「長嶋一茂は立教大学進学後メキメキと頭角を現していた!」からの続き

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東京六大学秋季リーグで優勝を逃すも落胆を表には出さなかったが・・・

一茂さんは、日頃から、「負けは負け、くよくよ考えても絶対に覆らない。それなら今日の負け試合のことはさっさと忘れて明日のことを考えよう」と言っていたそうで、

法政大学戦の二試合のうち一試合さえ勝てば、立教大学の優勝が確定するという有利な状況で、いずれの試合でも活躍することが出来ずに負け、優勝を逃した瞬間も、その落胆を表に出すことはなかったそうですが・・・

彼女の実家で食事をしているとき不覚にも泣きだしてしまっていた

そんな一茂さんは、その日の試合の後、当時、交際していた彼女の実家の夕食に招かれていたそうで、彼女の実家では、お母さんが出してくれる食事をガツガツと食べながら、その日の試合の話をしていたそうですが、

そのうち、不覚にも、右目から涙がぽろりと一滴落ちたそうで、その一滴につられるように、後から後から涙が溢れだし、結局、そのまま翌朝まで泣き続けたのだそうです。

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泣いているうちに過去の悔しかった出来事がこみ上げてきていた

というのも、泣いているうちに、法政大学に負けたことだけでなく、

  • 太陽でまったく見えなくなったフライの球
  • 「なんだよ、長嶋の息子は、下手だな」と、見物客の間から飛んできた罵声
  • 「監督は長嶋を贔屓(ひいき)してるんじゃないか」と、ロッカールームで聞こえてきたチームメイトの言葉
  • 小学~中学校時代、運動会で(親友の)杉浦夏樹さんに負け続けたこと
  • リトルリーグに入団し、野球を習い始めようとしたら、どこからともなく集まってきて、まだ子供だった一茂さんの周りにびっしり垣根を作り、窒息しそうになっても気づかぬふりをしたマスコミの大人たち
  • 「この子にはもう野球をさせないように」と、痛めた肘を診察した医師の一言
  • 高校の時、先輩からイジメられ、手の甲にタバコの火を押し付けられたこと

など、

これまで20年あまりの人生で、気づかぬふりをして心の奥底で凍らせていた、悔しさ、寂しさ、悲しさが、何の脈絡もなく、どんどんこみ上げてきて、結局、自分は負け犬なんだと感じ、たまらなくなったのだそうです。

「長嶋一茂はドラフト1位でヤクルトスワローズに入団していた!」に続く

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