プロ入り2年目で軌道に乗り始め、いざ3年目を迎えた、長嶋一茂(ながしま かずしげ)さんですが、このタイミングで、ヤクルトスワローズの監督が関根潤三さんから野村克也さんに代わり、雲行きが怪しくなったといいます。

「長嶋一茂はプロ3年目に監督が野村克也となり雲行きが怪しくなっていた!」からの続き

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野村克也監督と確執があった

というのも、野村克也さんは、ヤクルトスワローズの監督に就任すると、前任者の関根監督と同じように、一茂さんの持っている才能を確かめるため、一茂さんを一軍に置くのですが、その後、一茂さんと野村監督の間に重大な確執が生じていたというのです。

その理由は、野村監督が提唱するID野球に、一茂さんがまったく馴染めなかったからだと噂されたのですが、

一茂さんは、

あの当時のスポーツ新聞は、俺と野村監督の仲がどうだとかこうだとか、面白がって盛んに書き立てていた。例によっていい加減な記事の方が多かったのは事実だが、俺と野村監督の仲が良かったなどというつもりはない。

いや、はっきり好き嫌いでいえば、俺は野村監督に嫌われていたと思う。野村監督が直接、俺にどうこうしたというわけではないが、随分嫌な思いをさせられたのは間違いない。

けれど、それもこれも原因の本質は俺自身にあったのだ。

と、自身が長嶋茂雄の息子というだけでプライドが高かったせいで、野村監督に嫌われていたのだと語っています。

野村克也監督は長嶋茂雄に嫉妬心を抱いていた

実際のところ、野村監督が一茂さんをどのように思っていたのかは不明ですが、少なくとも、野村監督は、若い時から苦労を重ねて現在の地位を掴(つか)んでいたことから、エリートを嫌っており、

天性のスターのような長嶋茂雄さんに嫉妬心を抱き、息子の一茂さんをイジメるのだという話のほか、わざと一茂さんを怒らせて、もっと真剣に野球に取り組むよう嫌味を言っているという話も、まことしやかに囁(ささや)かれていました。


野村克也監督(左)と一茂さん(右)。

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野村克也監督が長嶋一茂をイジメていたエピソードは数え切れないほど?

実際、野村監督には、宿舎の食堂で食事をしている一茂さんを見て、「あいつは働いてもいないのに、なんでメシ食ってるんだ?」と言っていた話や、記者に一茂さんについてのコメントを求められ、「それは死語や!」とムッとしたという話など、一茂さんをイジメていたエピソードが数え切れないほどあるうえ、

一茂さん自身も、野村監督にバッティングケージの裏に立たされ、3時間くらいぶっ続けで説教をされたことを明かしており、

著書「三流」には、

一生懸命という字はどう書くか知ってるのか、とか何とか。野村監督はそんなことを言っていたと思うが、聞き流していたので何を言われたかはほとんど覚えていない。

監督がそんなに時間を割いて説教するのも、つまりは俺に多大な期待をしていたからで、それに応えなきゃいけないと誰かが言っていたけれど、そうは思わない。

あの人には多分に子供っぽいところがあって、腹が立つと、そのストレス発散というか何というか、それだけで人をぐちぐちと苛めるところがあるのだ。たぶん、俺は、イライラした時に叩くサンドバッグの代わりにされたのだろう。

と、綴っています。

「長嶋一茂が野村ノートを一人だけつけていなかった理由とは?」に続く


三流

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