西武ライオンズでは引退試合(セレモニー)を行ってもらえなかった、江夏豊(えなつ ゆたか)さんですが、スポーツ誌「Number」の初代編集長だった岡崎満義さんらによって引退試合が行われると、現役バリバリの、落合博満さん、高橋慶彦さん、福本豊さん、山本浩二さん、齊藤明雄さんらも駆けつけ、ユニフォームを着て参加したといいます。

「江夏豊はどの球団からも引退試合をしてもらえなかった!」からの続き

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落合博満、高橋慶彦、福本豊、山本浩二、大杉勝男、齊藤明雄らも参加していた

地元の少年野球チーム「多摩ファイターズ」と「多摩市野球スポーツ少年団」の試合という形で始まった江夏さんの引退試合で、

2回表、「多摩ファイターズ」の“臨時”監督として突然登場したビートたけしさんから、

ピッチャー交代、江夏豊!

と、言われて登板した江夏さんは、

まずは、「多摩市野球スポーツ少年団」の打者を難なくショートゴロに打ち取ります。

すると、今度は、「多摩市野球スポーツ少年団」の“臨時”監督の武田鉄矢さんが、

ピンチヒッター落合さん

と、言い、現役バリバリの落合博満さんが登場。

そして、その後も、現役バリバリの、高橋慶彦さん、福本豊さん、山本浩二さん、斉藤明夫さん、そして、前年に引退したばかりの大杉勝男さん、オールスターでパ・リーグの4番打者として対戦した江藤慎一さんら名選手たちが、次々に「代打」として登場しては、打席が終了するごとに、マウンドの江夏さんの元に歩み寄り、握手をしてベンチに戻ります。


江夏さん(左)と落合博満さん(右)。

(そんな江夏さんは、こうして、懐かしい仲間たちと対戦しているうちに、熱いものがこみ上げてきたそうで、こんな仲間に恵まれた自分は本当に幸せだと思ったそうです)

みな所属球団のユニフォーム姿で参加していた

ちなみに、自主トレでさえユニフォームの着用が禁じられている時期だったにもかかわらず、みな所属球団のユニフォーム姿で参加していたそうで、

次々と登場する名選手を見ながら、ビートたけしさんは、「役者が違うわ……。オレが来る場ではなかったみたい。でもお役に立てて」と言って、急いで次の仕事へ向かったそうです。

大沢啓二と掛布雅之からは録音メッセージ

さておき、その後、武田鉄矢さんが惜別の誌を読み、日本ハム時代の恩師・大沢啓二監督と阪神時代の後輩・掛布雅之さんの録音されたスピーチが場内に流れると、

最後には、江夏さんが、

私の生涯でもっとも素晴らしい1日でした。本当に幸せ者だと思います

江夏豊36歳、本当にバカな男かも分かりません。ですが、日本に帰ってきたときには、たった一言、『ごくろうさん』、それだけ言ってやってください

と、お礼の挨拶をすると共にメジャーリーグ挑戦の意思を表明したのでした。

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落合博満、高橋慶彦、福本豊、山本浩二、大杉勝男、齊藤明雄らによって胴上げされる

そして、最後に、この引退試合の為に駆けつけてくれた仲間たちにマウンドで胴上げされた江夏さんは、金網越しにファンから差し出された手を一人一人握りながらグラウンドを一周し、球場を後にしたのでした。


福本豊さん、齊藤明雄さん、山本浩二さん、落合博満さんらに胴上げされる江夏さん。


ファンと握手をしながらグラウンドを一周する江夏さん。

「江夏豊はマイナーでメジャーへの昇格率75%と言われていた!」に続く

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