１９８５年は、甲子園での巨人２回戦で、ランディ・バース選手、岡田彰布選手と共にバックスクリーン３連発を放つほか、打率３割、４０本塁打、１０８打点という文句なしの成績で、阪神タイガースの優勝＆日本一に大きく貢献した、掛布雅之（かけふ まさゆき）さんですが、翌１９８６年は、度重なるケガで成績が低迷すると、入団１４年目の１９８７年は、シーズン開幕を目前に控えた３月２２日深夜、飲酒運転で現行犯逮されてしまいます。
「掛布雅之はバース･岡田と共にバックスクリーン3連発を放っていた！」からの続き
1986年は度重なるケガで二軍落ちしていた
１９８５年は、打率３割、４０本塁打、１０８打点という文句なしの成績で、阪神タイガースの優勝＆日本一に大きく貢献した掛布さんですが、
翌１９８６年は、４月の中日戦でルーキーの斉藤学投手から左手に死球を受けて親指の付け根を骨折し、全治１か月の診断を受けると（連続試合出場が６６３で止まってしまいます）、５月中旬に復帰するも、今度は、阪神甲子園球場の巨人戦で三塁守備の際に、バウンドが変化した打球が右肩を直撃して負傷し（右肩関節挫傷）、またしても、登録抹消となってしまいます。
1986年4月、左手に死球を受ける掛布さん。
1986年はプロ入り後最少の67試合のみの出場だった
そして、夏場になって、ようやく復帰するも、８月２６日のヤクルト戦では、打球処理の際に、左親指をはく離骨折してしまい、三度、戦列を離脱。復帰できたのはシーズン終了間際で、結局、プロ入り１３年間で最少の６７試合出場で、打率２割５分２厘、９本塁打、４５打点という不甲斐ない成績に終わってしまったのでした。
飲酒運転で逮捕され、久万俊二郎オーナーに「欠陥商品」と斬り捨てられていた
さらに、掛布さんは、入団１４年目の１９８７年には、シーズン開幕を目前に控えた３月２２日深夜、飲酒運転で現行犯逮捕され、
当時、阪神電鉄社長だった久万俊二郎オーナーに、（新聞記者に掛布さんのトレードの可能性を問われた際）「掛布は欠陥商品。それをトレードなんて、相手球団に失礼だろう」と斬り捨てられたのでした。
（当時、飲酒運転は、今ほど厳しくない時代だったのですが、掛布さんは、知人の結婚披露宴に出席し、その帰り、名神高速道路の料金所での検問にひっかかったのだそうです）
久万俊二郎オーナーに「欠陥商品」と言われてガックリ来ていた
ちなみに、当時、監督だった吉田義男さんによると、掛布さんは、久万オーナーの言葉でプライドがズタズタになっていたそうで、４月上旬には、わざわざ、会談を求めてきて、
十分反省して、心機一転、頑張ろうと思っていた矢先に、どうしてマスコミにあんなことを言うのか。どうせ言うなら、直接言ってほしかった
と、語ったといいます。
（「阪神タイガース」より）
とはいえ、吉田さんは、そんな掛布さんに同情しつつも、やはり、自分の不始末が原因なのだから、それをプレーで取り返す気概を見せて欲しいと思ったそうです。
1986年に続き1987年も成績不振
ただ、掛布さんは、１９８７年は、開幕後も、腰痛の影響で極度の打撃不振に陥り、６月にはプロ入り以来初めての二軍落ちとなるなど、
（掛布さんは、阪神の「４番・サード」の看板にプライドを持っていたため、そのことが、「打順降格するぐらいなら辞める」と引退報道され、騒動となったそうで、６月２日、吉田義男監督が騒動を収束させようと、「腰痛悪化のため」と二軍降格としたのだそうです）
結局、１０６試合出場で、打率２割２分７厘、１２本塁打、４５打点と、２年続けて成績は振るわなかったのでした。
（チームも球団ワーストの勝率３割３分１厘で、首位と３７.５ゲーム差の最下位に沈んでいるのですが、チームの顔である掛布さんは、一部の心無いファンから、自宅への嫌がらせ電話や手紙が続いたといいます）
「掛布雅之は複数球団のオファーを断り33歳で現役を引退していた！」に続く
