1945年、34歳の時、女優の矢口陽子さんと結婚すると、結婚後は、子供2人にも恵まれた、黒澤明(くろさわ あきら)さんですが、実は、矢口陽子さんと結婚前の1941年、スター女優だった高峰秀子さんと交際していたといいます。

今回は、黒澤明さんと高峰秀子さんの馴れ初めや破局理由などをご紹介します。

黒澤明

「黒澤明の子供は息子と娘!長男は黒澤久雄!長女は黒澤和子!」からの続き

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黒澤明は女優の高峰秀子と交際していた

黒澤明さんは、矢口陽子さんと結婚前の助監督時代、女優の高峰秀子さんと交際していたことがあったといいます。

黒澤明さんは、1941年、30歳の時、山本嘉次郎監督の映画「馬」でB班監督と編集を務めていたそうですが、この「馬」の東北地方でのロケーション撮影がきっかけで、主演でまだ17歳だった高峰秀子さんと知り合ったそうで、

(B班監督とは、監督代行のような役割で、黒澤明さんは、山本嘉次郎監督に信頼され、演出のほとんどを任されていたのだそうです)

黒澤明
高峰秀子さん。

初めて馬に乗った高峰秀子さんが落馬しそうになり、それを黒澤明さんが優しく抱き留め、背中を撫でたことがきっかけで、交際に発展したといいます。

ただ、将来を嘱望されていた助監督の黒澤明さんと、スター女優として売り出し中だった高峰秀子さんの、撮影中の交際には限界があったそうで、

デートと言えばロケ先の映画館の「ベルリン・オリンピック記録映画」を見に行ったくらいだったそうです。

黒澤明は長身でハンサムで女性たちにとても人気があった

また、黒澤明さんは、かねてより、山本嘉次郎監督の妹と噂があったそうで、高峰秀子さんは、2人の仲を疑い、思い詰めていたそうで、

ある時、山本嘉次郎監督の妹が撮影の見学に来た際には、高峰秀子さんは、演技がしどろもどろになってままならず、やむなく撮影が打ち切られたといいます。

(黒澤明さんは、長身でハンサム、仕事に関しても、この「馬」が完成したら次は監督に昇格が決まっており、女性たちにとても人気があったのだそうです)

黒澤明と高峰秀子は東宝と高峰秀子の義母の猛反対により破局していた

そんな中、1941年、この「馬」が公開された後、

高峰秀子と助監督・婚約

のタイトルで、黒澤明さんと高峰秀子さんの交際が新聞で報じられたそうですが、

東宝は、将来を嘱望された助監督の黒澤明さんとスター女優として売り出し中だった高峰秀子さんの交際に反対。

また、高峰秀子さんの養母も、

助監督風情に、娘はやれぬ

と、強硬に反対したそうで、

山本嘉次郎監督の説得により、黒澤明さんと高峰秀子さんは破局したのだそうです。

(高峰秀子さんの義母、山本嘉次郎監督、東宝専務の森岩雄氏の3者が協議を行い、2人を引き離すことで決着したそうです)

黒澤明は高峰秀子との結婚は考えていなかった?

ただ、黒澤明さんの後輩で助監督だった堀川弘通さんによると、

黒澤明さんは、この時30歳、高峰秀子さんは17歳だったことから、黒澤明さんは結婚までは考えていなかったのでは、とも語っており、

黒澤明さんは、この出来事を踏み台にし、一層、仕事(脚本)に打ち込み、ステップアップしていったのだそうです。

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黒澤明との別れの様子を高峰秀子は自伝「わたしの渡世日記」に詳細に綴っていた

また、高峰秀子さんはというと、自伝「わたしの渡世日記」に、黒澤明さんとの出会いと別れについて、詳細に綴っているのですが、

別れの情景については、

彼は食堂の前の芝生に、一人でポツンと立っていた。私は駆け寄った。
「黒澤さん!」
彼は私を見た。

彼の顔には、あの人なつっこい笑顔はなく、ほとんど無表情に近い。とりつくしまもない、というのはああいう表情のことをいうのだろうか。

私は彼の口が開くのを待った。三秒……四秒……、彼は一言も言わず、突然クルリと踵をかえすと、私に背をみせて足早に立ち去って行った。
(中略)
しかし、ふしぎに、再び黒澤明に近づこうという気持ちはなくなっていた。生まれてはじめて見た、男の素顔、というか、あの能面のように硬い黒澤明の表情が恐ろしかったのかもしれない

と、綴っています。

また、高峰秀子さんは、

(黒澤明さんとの破局が1941年の真珠湾攻撃の直前だったことから)昭和十六年は、私にとって『恋よさようなら』そして『戦争よ、こんにちは』の年であった

とも、綴っています。

ちなみに、その後、高峰秀子さんは、黒澤明さんの作品には、1946年公開の映画「明日を創る人々」(山本嘉次郎さん、黒澤明さん、関川秀雄さんによる共同監督)に出演した以外、出演していません。

(また、黒澤明さんは、後に、この作品への名前の掲載を拒否しています)

「黒澤明の孫は6人(男4人女2人)!孫娘は黒澤優と黒澤萌!」に続く

お読みいただきありがとうございました

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