歌舞伎役者として活躍するかたわら、ミュージカル、現代劇、シェークスピア劇でも才能を発揮し、2016年には、主演を務めた「ラ・マンチャの男」が、帝国劇場での初演から上演回数1236回に上った、二代目松本白鸚(まつもと はくおう)さん。今回はそんな白鸚さんの両親と家系図をご紹介します。

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年齢は?出身は?身長は?

白鸚さんは、1942年8月19日生まれ、
東京都の出身、

身長175センチ、
体重78キロ、

血液型はB型、

学歴は、
渋谷区立常磐松小学校
⇒暁星学園(編入)
⇒暁星中学校・高等学校(中高一貫教育)
⇒早稲田大学第一文学部文学科演劇専修中退

趣味は、ギター演奏、競馬、野球観戦、旅行

特技は、絵画、俳句、日舞(松本流宗家)

だそうです。

本名の由来は?

白鸚さんの本名は、藤間昭暁(ふじま てるあき)なのですが、白鸚さんは、その由来について、著書「私の履歴書」の中で、お父さんの初代松本白鸚さんが、育児日記に、

君の名前につき君の母と毎日相談した。八紘一宇の紘一、大東亜戦争に勝夫等々。しかし、僕の一番苦手な易者の考えた昭暁にした。

僕は一晩中口の中で昭暁てるあきと二、三百回口ずさんでみた。僕は良いと思って決めた。君の祖父(七代目松本幸四郎さん)の金太郎をもらおうと思ったがそれは芸名にしたい

と、記載していたと、綴っています。


私の履歴書

襲名は?

そんな白鸚さんは、襲名を繰り返しているのですが、

  1. 二代目松本金太郎
    (1946年、「助六由縁江戸桜」の外郎売伜(ういろううりせがれ)昭吉役)
  2. 六代目市川染五郎
    (1949年、「ひらかな盛衰記 逆櫓」の「遠見の樋口」役)
  3. 九代目松本幸四郎
    (1981年、「勧進帳」の武蔵坊弁慶役、「寺子屋」の舎人松王丸役、「熊谷陣屋」の熊谷次郎直実役)
  4. 二代目松本白鸚
    (2016年~「寺子屋」の松王丸役)

と、変遷しています。


九代目松本幸四郎襲名披露より。

ちなみに、白鸚さんは、俳名は「錦升(きんしょう)」、舞台演出家としては「九代琴松(くだい きんしょう)」と名乗っています。

(屋号は「高麗屋(こうらいや)」)

父親は初代松本白鸚

白鸚さんのお父さんは、歌舞伎俳優の初代松本白鸚さんです。

初代白鸚さんは、少年時代は、将来、画家か学者になることを夢見ていたそうですが、関東大震災で被災してすべてを失い、一家が経済的に困窮したため、家計を支えようと、歌舞伎役者で生きていく決意をしたそうで、

播磨屋(初代中村吉右衛門さん)のもとで修業をすると、1925年、14歳の時、二代目松本純蔵を名乗って初舞台を踏み、1931年4月には、明治座の「菅原伝授手習鑑・車引」の梅王丸で、五代目市川染五郎を襲名。

戦後は、六代目尾上菊五郎さん・初代中村吉右衛門さんの二大俳優の後継者として頭角を現し、1949年8月、東京劇場「勧進帳」の弁慶と「ひらかな盛衰記・逆櫓」の樋口次郎役で、八代目松本幸四郎を襲名。

その後は、従来の歌舞伎役者の殻を破る活動に積極的に挑み、1957年には、福田恆存さんが「マクベス」を脚色した文学座の「明智光秀」に出演するほか、1959年には、それまで相容れなかった文楽との合同試演会「娘景清八嶋日記」の景清役に初挑戦すると、1960年には、シェイクスピアの「オセロ」にも挑むなど、進取の気性に富む活動で、大きな話題となりました。

また、映画出演も多く、なかでも、「忠臣蔵」では大石内蔵助役で数本主演を務めるほか、テレビ時代劇シリーズ「鬼平犯科帳」では、長谷川平蔵役を演じ、静かな凄みのある演技で存在感を放ちました。

(1981年9月に、初代松本白鸚を襲名しています)

母親は初代中村吉右衛門の娘・波野正子

白鸚さんのお母さんは、初代中村吉右衛門さんの一人娘の波野正子さんで、初代白鸚さんとは1940年に結婚しているのですが、

白鸚さんは、お父さんとお母さんの馴れ初めについて、

私たち(弟・二代目中村吉右衛門)の母は初代吉右衛門の一人娘でした。幼いときから(初代吉右衛門さんの門下生だった)父・初代白鸚のお嫁さんになりたいとずっと思ってて、(初代吉右衛門さんには男の子がおらず、「跡継ぎがなくなる」と反対されたそうですが)結婚したら必ず息子を二人産んで一人を播磨屋の跡継ぎにするから、と言って、許しをもらった。

ですからわれわれ兄弟は、母が思いを遂げるための犠牲者ですね(笑)。よく言えばキューピッドかな。

と、語っています。

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家系図

それでは、最後に、白鸚さんの家系図をご紹介します。


(タップで拡大します)

「松本白鸚(2代目)は弟・中村吉右衛門(2代目)と不仲だった?」に続く

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