黒澤作品を降板させられ、自身のプロダクションも倒産、そのうえ、長女と長男が揃って逮捕と、公私共にトラブル続きの勝新太郎(かつ しんたろう)さんは、1989年には、自身が制作する映画「座頭市」の殺陣で、なんと、真剣を使用し、息子の奥村雄大(現・鴈龍)さんが斬られ役の俳優を死亡させてしまいます。


「黒澤明の影武者出演予定だった!アヘン?息子と娘も大麻?」からの続き

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映画「迷走地図」で復帰

1981年に、自身の会社「勝プロダクション」が、
多額の負債を抱えて倒産。

1982年には、長女と長男が「大麻密売」で逮捕され、
しばらく謹慎していた勝さんですが、

1983年に、映画「迷走地図」で復帰されると、

1983年「女たちの大坂城」
1984年「西部警察パート3元旦スペシャル -燃える勇者たち-」
1987年「独眼竜政宗」
     「忠臣蔵・女たち・愛」

「独眼竜政宗」より。伊達政宗演じる渡辺謙さんと、
豊臣秀吉を演じる勝さん。

と、テレビドラマにも出演。

そして、1988年には、
映画「帝都物語」にも出演されていたのですが・・・

息子が殺陣シーンで真剣死亡事故

1989年、製作・監督・脚本・主演、全てを、
勝さんが務めた、自身26本目となる「座頭市」で、

同映画のリハーサル中、出演していた勝さんの息子、
奥村雄大(現・鴈龍)さんが、殺陣シーンにおいて、
斬られ役の俳優(殺陣師)に重傷を負わせ、
死亡させてしまいます。

この事件により、奥村さんは、
「業務上過失致死」の疑いで事情聴取を受けると、

なんと、奥村さんが使用した日本刀は、
模擬刀ではなく、真剣だと判明!

ただ、それは、迫力あるシーンを撮るため、
あくまで、スタッフが用意したもので、
奥村さんは真剣であると知らなかったと主張し、
最終的には、事故とされたのでした。

(作品はお蔵入りにならずに済んだのですが、
 結局、これが勝さん最後の作品となっています。)

「パンツにコカイン」で逮捕

そして、1990年、今度は、
勝さん自身がハワイのホノルル国際空港で、
下着にマリファナとコカインを入れていたとして現行犯逮捕。

勝さんは、「罰金刑」で即日釈放されるのですが、
急遽、記者会見を開かれると、

知らぬ間にパンツに入っていた。

なぜ、コカインを持っていたのか、オレが知りたいんだ。
ハメられたとか、ハメられないとか、オレが知りたい。

今後は同様の事件を起こさないよう、
もうパンツをはかないようにする。

と、珍発言を連発。

その後、勝さんは日本での取り調べを避けるためか、
そのままハワイに留まるのですが、

事件から1年4ヶ月後の1991年5月に帰国すると、
「麻薬及び向精神薬取締法違反」の容疑で逮捕。

1992年3月には、懲役2年6ヶ月、
執行猶予4年の有罪判決となっています。

ちなみに、裁判では、「傍聴者」「観客」と呼び、
客を楽しませる台本まで考えてから出廷されたと言われています(笑)

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死因は?

さすがに、それ以降、
勝さんは、表舞台から遠ざかり、

ようやく、1995年、
舞台「不知火検校」で復帰され、(舞台は10年ぶり)

翌年の1996年5月には、舞台「新夫婦善哉・東男京女」で、
奥さんの中村玉緒さんと初共演を果たされるのですが、

体調不良により6月末で公演を終了すると、
8月5日、千葉県柏市の国立がんセンター東病院に入院。

その後、11月に退院されると、記者会見を開き、
「咽頭がん」であることを発表されたのでした。

ちなみに、会見では、タバコを吸いながら、

「タバコはね、止めた」

と、言ったり、

「お酒はね、ビールが美味いんだよねぇ」

と言うなどして、
記者たちを驚かせていたのですが、

(実は、タバコはパフォーマンスで、実際には煙を肺まで吸い込まず、
 口元でふかしているだけだったと、奥さんの中村さんが後に明かされています。)

1997年、「咽頭がん」のため、
65歳で他界されたのでした。

タバコを吸いながらがんを公表する勝さん。

さて、いかがでしたでしょうか?

「勝プロダクション」が倒産後は、借金取りに追われる生活になるも、
その借金で豪遊し続け、借金を返済できぬうちに亡くなったそうで、
ほんと、勝さんは、「破天荒」「豪快」という言葉がぴったりな、
漫画のような人ですね。

(その分、周りの人(特に妻の中村玉緒さん)が、
 どれだけ苦労されていたのか想像つきますが。)

この機会に、そんな勝さんの作品を、
ご覧になってはいかがでしょうか♪

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