なんと、芸歴70年以上となり、90歳をまわった現在も、なお現役で活動されている、奈良岡朋子(ならおか ともこ)さんですが、現在は、恩返しの思いから、一人語りで反戦を訴えられたり、積極的に後進の指導もされているようです。

「奈良岡朋子は美空ひばりの親友で吉永小百合の母親代わりだった!」からの続き

Sponsored Link

朗読「黒い雨-八月六日広島にて、矢須子-」はライフワーク

奈良岡さんは、2013年から、広島の原爆投下により人生を変えられた閑間(しずま)重松・シゲ子夫婦とめいの矢須子の悲劇的な運命を描いた、井伏鱒二の小説を原作とする「黒い雨-八月六日広島にて、矢須子-」の一人語りの舞台を各地で続けられています。

というのも、奈良岡さん自身、16歳で終戦を迎えられており、

戦争体験を語り継いでいく責任がある

との思いから、この一人語りを始められたそうで、

役者のやる仕事として、どういう風に世の中にお返しができるかなと思った時に、私なんか本当に軍国少女で育てられて、終戦を迎えたときに16歳ぐらい。

終戦っていうか、私の言葉でいうと敗戦なんですけど。戦争で負けて、初めて色んな事を考えた時になんかやっぱり戦争ってものに対して反発する。だから、役者としてそういう想いをどこかで返していきたい。

ささやかなライフワークとして、車椅子になっても続けたい。戦争は戦争という名を借りた人殺しです。生き残った人間だから言えること。

と、現在では、ライフワークとして、精力的に活動されています。


「黒い雨-八月六日広島にて、矢須子-」より。

朗読劇「二人だけの芝居」で岡本健一と40歳差姉弟役

そんな奈良岡さんは、2016年には、テネシー・ウィリアムズの「叫び」という芝居を原作とする劇団「民藝」の舞台「二人だけの芝居-クレアとフェリース-」で、岡本健一さんを客演に迎え、実年齢40歳差でありながら、姉弟役を演じられています。

実は、25年ほど前に、岡本さんが、奈良岡さんが出演する舞台「放浪記」を鑑賞し、楽屋を訪れたことで、お二人は知り合われたそうで、

岡本さんによると、

あの存在感や声を何とか盗みたい一心だった

と、それ以来、奈良岡さんが代表を務める劇団「民藝」の舞台に通うようになり、

10年ほど前には、所属事務所である「ジャニーズ事務所」を辞めて、劇団「民藝」に入りたいと、奈良岡さんに願い出られたというのです。

Sponsored Link

岡本健一からの入団希望は拒否するも熱心に指導

ただ、奈良岡さんは、

野放しにしている方がいい役者だと思うから劇団には入れない

との理由から、入団を拒否。

実際、2011年、朗読劇「ラヴ・レターズ」では初共演を果たされると、その際には、滑舌が悪い、呼吸する場所が違うなど、奈良岡さんは岡本さんに容赦ないダメ出しをされたそうで、

奈良岡さんは、

とにかく芝居が好きな人。演出家のだめ(出し)もすぐに直せる。先輩から伝えられたことをびしびし言うのは、理解するから言える。

と、岡本さんの役者魂を絶賛。

また、岡本さんが、追加の稽古を願い出られると、

若過ぎないし、年寄りでもない旬な年齢。できるだけサポートしたい

と、目を細められており、岡本さんを劇団に加入させないのは岡本さんのため、という言葉どおり、岡本さんの指導はやぶさかでないご様子でした♪

「奈良岡朋子のデビューからの出演映画ドラマ舞台を画像で!」も続く


「二人だけの芝居-クレアとフェリース-」より。岡本健一さんと奈良岡さん。

Sponsored Link