妻・角替和枝さんの「うつ病」闘病中は角替さんを献身的にサポートし、完治後も共通の趣味を持つなど、夫婦仲良く過ごされていた、柄本明(えもと あきら)さんですが、そんな中、角替さんが他界してしまいます。
「柄本明と妻・角替和枝との馴れ初めは?」からの続き
妻・角替和枝が原発不明ガンで他界
妻・角替和枝さんの「うつ病」を夫婦で乗り越えた後は、新たに英会話という共通の趣味を持ち、変わらずおしどり夫婦だったお二人ですが、
柄本さんによると、2017年8月、お二人で人間ドックを受けた際、角替さんだけ、ある数値が高かったそうで、さらなる検査をすると、
骨に、全身に真っ黒なガンができてて。そのとき、ステージ4でした。
と、全身ガンに冒されていることが発覚。
その後、角替さんは、約1年間、闘病されたのですが、
家族一丸で病気と闘ったんですが、厄介な病気でして…
と、2018年10月27日午前5時ごろ、柄本さん、息子の柄本佑さんらに見守られて息を引き取られています。
(次男の柄本時生さんは、海外で仕事中だったため、最期に立ち会うことはできなかったそうです)
ちなみに、死因は「原発不明ガン」、享年は64歳でした。
(※「原発不明ガン」とは、転移が判明しているものの十分な検査を行っても原発巣が見つからない悪性腫瘍のことを言うそうです。)
妻・角替和枝への弔事(最後のラブレター)
そして、2019年1月30日、しめやかに角替さんの「お別れの会」が執り行われると、
柄本さんは、「最後のラブレター」として、
こういう会をやるにあたりまして、何もやらないで、家族だけでなんてずっと思っていたんです。
でも、特にご近所ですね。ここ下北沢には40年以上暮らしておりまして、ご近所の方とか、「お線香をあげたい」とか、そんなことを言っていただきました。それで仕事場でも、「和枝ちゃんの何かやるの」と言ってくださる方もいて、やらせていただきました。
一昨年の8月に、人間ドックで和枝ちゃんだけ、ある数値が上がりまして、調べたら、骨に全身に真っ黒なガンができちゃって。その時点でステージ4でした。亡くなったのが去年の10月27日で1年と2カ月。和枝ちゃんはもとより、家族全員で病気と闘ったわけですが、残念ながらこういうことになりました。
原発不明ガンという、非常に面倒なガンで、どこかに元のガンがある。ところが、その元のガンが分からないという、やっかいな病気でした。
残念ですね。64歳でしたから。もっと若くして亡くなられている方もたくさんいるわけで、何とか寿命だったと考えたいと思っているんですけど。不条理な感じは否めません。
話せばいくらでも話せるんですけど・・・。和枝ちゃんと初めて知り合ったのは21歳とか22歳でしたかね。さっきも、皆さんが「かわいい、かわいい」と言ってくれまして。ありがたいなと思っています。
多分、僕が1番、かわいいと思ったんだと思います。一目ぼれでしたから。その人と一緒になれて・・・。子どもが3人できました。親の口から言うのも何ですけど、3人ともとってもいい子供たちです。思いやりのある、いい子どもたちです。
僕と和枝ちゃんは、結婚前から毎日、喫茶店に行きました。僕と和枝ちゃんのルーティンになっていまして。ここ20年近くは犬を飼うようになりまして、毎朝、喫茶店に行きました。いろんな話をします。芝居の話が多かったかな。
多い時で2時間くらい、そこの喫茶店でしゃべっています。だから、今、何て言うか、和枝ちゃんと行った喫茶店に行けないんですよね。何か思い出しちゃって・・・。
あのー、いい人でした。とても、正直の上にバカが付くというか、天然というか、いい人でした。いつも一緒にいましたから。本当によく一緒にいました。そういう意味では、やり残したことは感じないんですけど、でも、こういうことになるとは思わなかったんで。考えもしなかった。こういうことは人ごとではあったんですけど、自分の仲間にあっても…。
今は、毎日毎日、覚めない夢の中にいるようです。フワフワした感じで。でも、芝居があるんですね。自分は芝居が好きなんですね。それで、自分(の家)の下に劇団の稽古場がありまして、1度、外に出ないと稽古場に行けない。そこにいると、劇団の子たちがいて芝居をしています。
一生懸命にご飯を食べるようにしています。毎日、一生懸命に寝るようにもしています。この悲しみは、生きている限りは、ずっと悲しいというかな、何だろう…。どこかに(和枝さんが)いる感じで、何か泣けない感じもあるんです。泣きますけど…。
この(祭壇の)写真はご近所の(写真家)浅井慎平さんが僕と和枝ちゃんと犬で散歩をして、喫茶店にいたら通りすがりで、パシャパシャと4枚くらい撮った写真です。和枝ちゃんは、これから年をとらないんですよね。僕や子供たちは、年をとっていくわけです。64歳は本当に若いです。
でも、この悲しみを、悲しみっていう言葉より何だろう・・・、不条理…、いなくなっちゃったという感じで。悲しい、さみしい、不条理なんだけど、そういったものを糧にして、生きていくんだと思います。
それと、今日、この場所で、こういう会が開かれたのは、とてもうれしいと思っています。和枝ちゃんも、ものすごく、40何年も住んだここで。幸せな人生だったと思います。
と、角替さんに弔辞を贈り、最愛の妻を偲ばれたのでした。
「お別れの会」より。(左から)涙をこらえる柄本さん、長男の柄本佑さん、次男の柄本時生さん。
妻・角替和枝の死後2年間納骨できないでいた
ところで、その後、柄本さんはどうされているのでしょうか。
某舞台関係者によると、
(角替)和枝さんと生前交流があった人や近所の方が、今でもお線香をあげに柄本さんのお宅を訪れていますが、まだ遺骨が置いてあるそうです。やっぱりまだそばにいたいのかもしれませんね。
とのことで、
柄本さんは、角替さんが他界して2年経っても、角替さんと離れがたい状態とのことでした。(「週刊女性PRIME」(2020年10月22日配信)より)
妻・角替和枝の3回忌を前にようやく納骨を決意
そこで、「週刊女性」の記者が、2020年10月中旬の昼下がり、自宅から出てきた柄本さんを、
奥さまの三回忌を迎えますが、今はどんなお気持ちですか?
と、直撃取材すると、
柄本さんは、
うん、寂しいけど、まぁ仕方ないよね・・・
と、答えられたそうで、
さらに、記者が、
まだお骨を自宅に安置されているそうですね。
と、問うと、
そうだね。でも、そろそろ納骨を考えているよ
と、語ったそうで、
柄本さんも、ようやく角替さんと離れる決心がついたのでは、とのことでした。